最悪の復讐者は誰だったのか。異常者もびっくりの「ザ・フォーリナー」。



 こんにちはー
 
 質問です。自分のお小遣いを貯めて初めて見に行った映画はなんですか?

 子供の時は親のお金で映画を見ていたんですが、学生時代に初めてお小遣いで見た映画って今でも忘れられないですよね。
 私の場合は、ジャッキー・チェンの「プロジェクトA」という映画です。
 ジャッキーが大好きでねぇ・・・あのスタントを使わないアクション、命がけの・・が、当時かっこよく見えましたっけ。
 あんなスーパーマン俳優は後にも先にもジャッキーただ一人ですよね。

 というわけで、今日は懐かしいジャッキー・チェンの映画を見ました。彼ももう67歳! 立派なおじいちゃんですよ。なのにまだまだアクションスター。すごいことですねぇ。なんだかこちらまで若返ったような気がしました、笑
 
 懐かしの映画をたまには見てみるものいいものですね。


 「ザ・フォーリナー」

 マーティン・キャンベル監督。ジャッキー・チェン、ピアース・ブロスナン、オーラ・ブラディ出演。

 【あらすじ】

 ベトナム戦争時代に米特殊工作員をしていたクァン、現在は中華料理屋のオーナーとして、娘と二人で穏やかな日常を送っていた。ところがある日、最愛の娘がテロに巻き込まれ死んでしまう。テロの首謀者はかつて過激派組織の活動者で、現在は北アイルランド副首相のリアム。一般人を巻き込んだのは、リアムの知らないところで計画が暴走した結果だった。クァンは元活動家で副首相のリアムならテロの犯人を知っていると推理して、彼につきまとう。犯人の名を教えろと迫るが、リアムも本当に誰がやったのかわからないのだった。クァンの復讐劇と、リアムの事件の真相を追う物語が幕を開ける。




 いやー、冒頭にも書きましたが、ジャッキー・チェンがいいですねぇ。
 何をやってもいい。ヨボヨボの爺さんの姿もいい。顔なんかシワシワですよ。とてもじゃないけれど、元特殊工作員とか、アクションをするような人には見えません。最初は、ご老体すぎて、大丈夫か、おい! と突っ込みたくなりましたよ・・



 なのに、これがすごいんだなぁ。唯一の家族の娘を殺した犯人の名を得るために、想像で突っ走ります。爆弾を自分で作ったりしてね、もう異常者ですよ。そこもいい。

 なぜなら、復讐をできる純真さが心を打つんですよね。
 対する悪の首謀者は副首相という権力者。こちらはもう復讐する気なんてありません。活動家だったのは過去の話。女子供を巻き込んだテロに、話が違うと怒りますが、暴走した過激派組織は彼の言いなりになりません。



 ちっとも悪の首謀者という描かれ方はしていないんですね。
 孤独なかつての英雄。みたいな感じで、今は弱腰の体裁第一の政治家という感じです。なのに、大胆なことを計画してしまった、もう馬鹿さ加減にげっそりします。
 案の定、奥さんや部下や愛人に裏切られる。可哀想ですねぇ。孤独すぎます。
 この孤独な首謀者と、孤独な復讐者の対比がものすごいくっきり描かれるわけですよ。
 
 


 「俺は一般人を犠牲にしろとは言わなかった! なぜ一般人を巻き込んだんだ!」と怒る首謀者。対する元人殺しの復讐者は、「俺は女子供を殺していない!」、お前と一緒にするな、と首謀者に迫ります。犯人の名前を教えろ!




 ジャッキーのアクションも炸裂します。孤独な首謀者が組織で動いているワルの象徴ならば、ジャッキーは個人でテロ的戦いを挑む、まるでベトナム戦争のベトナム側。まるでアメリカ軍側の組織で動いている手下たちを、知恵と体一つで、かたっぱしからやっつけてしまいます。
 はじめはヨボヨボでどうしようかと思いましたが、いやー やはりジャッキーのアクションは健在で、なんとも素晴らしかったです。
 これを見れただけで、この映画を見てよかったと思いました。


 ジャッキーのクレイジーな復讐劇と、首謀者の真相解明のドラマの対比がとても面白いんですが、ジャッキー側が異常すぎて、悪の首謀者に同情する声が結構レビューで多かったんですよ。ですが、私としては、ジャッキーの一人勝ちという感じでしたね。

 その思いを決定付けたのは、最後に悪の首謀者(ピアース・ブロスナンが好演しています)が、あれだけしつこく「女子供を巻き込んで殺した!」と怒っていたのに、裏切り者の奥さんをあっさり殺すんです。
 復讐ですよ。ザ・フォーリナーです。
 裏切った部下、そして奥さんの愛人の青年を使って、奥さんを闇に葬るわけです。
 
 いやいや、女子供殺してるじゃん。

 しかも、弱腰のもう復讐なんかできない、過激なことはしない聖人になっていたはずだったのに、いきなり復讐者じゃん。

 もうびっくりしました。
 ジャッキーの復讐より、異常に感じました。


 そうして結末。孤独な男二人の戦いは、ジャッキーには帰りを待ってくれる女性がいたんですね。対するブロスナンは奥さん愛人部下、そして政治生命、すべてを失って終了です。

 いやー、神様は見ていますね。

 そしてね、個人での戦いはやっぱり強いな、と思いました。組織になると、自分は罪を犯す気が無くても、逆に大きな罪を生んでしまう。

 ところが、個人は信念に基づき、罪は犯しても、象徴的に「女子供は殺さない」わけです。

 

 最後に、女子供を殺してしまったピアース・ブロスナンの悪党ぶりにげっそりしてしまった映画でした。

 これ、ジャッキーは異常だとか、ピアース・ブロスナン可哀想とか、彼を主役にして物語を作ったほうがよかった、というレビューもあったんで、私的には謎です。

 いやいや、ジャッキー最高じゃん。ピアース・ブロスナンの「ザ・フォーリナー」のほうがよほど罪深いでしょうが・・・とね。やっぱり組織になったほうが罪は深くなるよね。


 そんなことを思わされた映画でした。

 

 というわけでまとめです。

 「ザ・フォーリナー」というジャッキーがいかれた復讐者を演じる映画を見たら、偽善ぶっている悪党(映画的にはいい人に見える)が最悪の復讐者を演じたのでびっくりした!

 復讐者ってそっちかい! 

 何事も信念。悪事を貫いても、そこに信念があれば純粋に感じられるが、信念なき優柔不断の悪事はさらに大きな罪を生むものだと納得した。しかもそれが組織になればなおさら罪が深い。組織で働かざるをえない現代人のいい戒めになると感じた映画だった。


 興味のある方、アマゾンで無料です。

 ぜひ見てみてくださいね。


 今日も最後まで読んでいただきありがとうございます

 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。

 



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