小津安二郎監督作品鑑賞会「お茶漬けの味」「父ありき」

 

 こんにちは。

 ついに30度を超えましたね。

 暑い日が続きますが、お元気でお過ごしでしょうか。


 私は今日、小津安二郎監督の古いモノクロ映画を2本見ました。

 1952年の「お茶漬けの味」。

 そして1942年、戦時中の映画です、「父ありき」。


 小津安二郎監督というと、ローアングルのカメラワークが素晴らしく、

 幾何学的な構図が完璧と評判です。

 あとは、主人公がカメラをまっすぐ見て喋るので、

 自分に話しかけられているようでドキドキするそうです。

 さて、どんな鑑賞会になったでしょうか。


 


 「お茶漬けの味」

 監督:小津安二郎

 出演:佐分利信、小暮実千代、津島恵子


 【あらすじ】

 妙子が佐竹茂吉と結婚してからもう七、八年になる。信州の田舎出身の茂吉と上流階級の洗練された雰囲気で育った妙子は、初めから生活態度や趣味の点でぴったりしないまま今日に至り、そうした生活の所在なさがそろそろ耐えられなくなっていた。(映画.com)

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 まずは「お茶漬けの味」。

 お見合いで結婚した形だけの夫婦が、本物の夫婦の情愛を感じるまでを描いた作品。

 優しい夫の佐分利信さんと、小悪魔的な小暮実千代さんが、実にいいです。

 形だけの上っ面を装った夫婦を自然体で演じています。

 小津監督作品ならではなのか? 

 私は最近になって小津さんや溝口健二監督のモノクロ映画をよく観るのですが、

 昔の日本の映画は、様式美が素晴らしいと感じます。

 どれも、奥ゆかしくて、情緒を重んじる、完璧な日本の美です。

 海外で評価されたのも頷ける、今はどうしてこういう映画を作れないのか。

 「日本は醜くなったーー」

 と、現代を嘆きたくなるほど、素晴らしく美しいと感じます。


 お茶漬けの味も、仮面夫婦の機微を時にユーモラスに、時に切なく描きだします。

 印象的だったのは、お見合いを逃げ出した姪を庇って佐分利信が妻に言う一言。

 「無理に結婚させても、君と僕のような夫婦がもう一組できるだけじゃないか」。


 そんな夫婦がラストに一転して、夫婦の絆を取り戻す。

 二人でお茶漬けを作って食べるシーンには、思わず胸が熱くなりました。

 ラストがファンタジーすぎると言う評価もあるようですが、

 私は、とことん現実的な物語の最後の最後に、

 理想の夫婦の姿を描き出した監督の情熱に、拍手したいと思いました。




 「父ありき」

 監督:小津安二郎

 出演:笠智衆、佐野周二、佐分利信


 【あらすじ】

 妻に先立たれ、男手一つで息子を育ててきた金沢の教師・堀川は、修学旅行の事故の責任をとり辞表を出す。息子を連れて故郷の長野県に戻った堀川は村役場で働くことになる。息子の良平は中学に進み寄宿舎に入り、堀川は単身上京してもう一働きして良平を進学させてやりたいと話す。(amazon)

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 次は「父ありき」という作品。

 これは戦時中に作られた、静かな反戦映画だそうです。

 教師の父親が「生徒の死」という事故の責任を感じて、

 教師という仕事に恐怖を感じる。

 彼は教師の仕事を退きますが、彼には一人息子がいて、息子は教師になります。

 「秋田に赴任が決まった。お父さんと暮らしたいから東京で働きたい」

 と息子は教師を辞めることを示唆しますが、父親は首を縦に振りません。

 息子の愛情を突き放しても、使命を全うすることを勧めるのです。

 

 親子の深い絆を感じたものの、私的には息子さんが可哀想でたまりませんでした。

 まるで父の使命の身代わりになっているかのようです。

 タイトルのまま、彼の人生は「父ありき」なんですよね。

 それよりもお父さんの愛情を求めているのでしょうに… 

 いじらしくて泣けて来ました。

 ラストは、父と息子は5日だけ一緒に暮らし、

 父は罰を受けたかのように、あっけなくこの世を去ってしまいます。

 

 もしもこの映画が多くの方が言っているように反戦映画であり、

 命の責任を感じる教師という仕事を、

 当時の日本軍や日本の中枢の象徴として表現していたのならば、

 父は息子に教師という仕事を放棄させても良かったのではないかと感じるのですが、

 これは私の考えすぎでしょうか。

 (親子)愛よりも、日本ありきだったのか・・・

 ちょっと切ないラストではありました。



 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 今日も素晴らしい一日となりますように。

 願いを込めて。 

 

 
 

 

 


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