トリツカレ男の純愛に学ぶ、時々広末さん。

 

 こんにちは!

 ここ最近の大きなニュースといえば、ペイハラ(ペイシェントハラスメント)で逮捕されてしまった広末涼子さん、そして広末涼子さんといえば純愛。

 いえいえ、純愛というよりは有名なのはW不倫なのですが、たとえ家族を傷つけてでも愛する人を優先させてしまうという不器用さと一途さには驚かされました。離婚してしまいましたしね・・ ある意味、不器用なくらいに曲げられない、純粋な人なのだなぁという感想なのですが、今回のペイハラも世間で言われているようなただの患者のパニックではなくて、何か理由があったように思いますね。

 不器用で、純粋がゆえに、許せなかった何かがあったのではないでしょうか。


 そんな広末さんとある意味似たような、揺るぎのない、純愛の小説を読みました。もちろんW不倫は出てきませんが、ちょっとイかれた男が主人公です。ええ、広末さんではありません。

 いしいしんじさんの「トリツカレ男」です。







 トリツカレ男(いしいしんじ)
 

 【あらすじ】

 ジュゼッペのあだ名は「トリツカレ男」。何かに夢中になると、寝ても覚めてもそればかり。オペラ、三段跳び、サングラス集め、潮干狩り、刺繍、ハツカネズミetc. そんな彼が、寒い国からやってきた風船売りに恋をした。無口な少女の名は「ペチカ」。悲しみに凍りついた彼女の心を、ジュゼッペは、もてる技のすべてを使ってあたためようとするのだが……。まぶしくピュアなラブストーリー。


 物語の簡単な紹介

 主人公は、次々に何かに「とりつかれる」男・ジュゼッペ。一度何かにとりつかれると、プロ顔負けのレベルまで技を極めてしまうイカれた男。そんな彼が今度は、外国から来た少女、ペチカにとりつかれてしまった!
 彼女を笑顔にするために、自分の持てるすべての技を注ぎ込む!


 感動ポイント

 純粋な愛の描写、自分の持てするすべてを差し出しても構わないというジュゼッペ
の愛が美しい。押し付けじゃない優しさ、ただ笑ってほしい、幸せになってほしい、というその気持ちだけが行動の原動力。
 とりつかれる=情熱として描かれる独特な視点が魅力。

 物語のトーンと世界観

 イタリアのような異国風の街並みや職人の世界に、絵本のような暖かさと幻想性が漂う。
 子供にも読めそうな語り口=童話風だけれど、大人が読むとじんわりと深い。

 読後の余韻

 一見コミカルな物語なのに、最後には不思議な切なさが残る。
 「誰かを大切に想う気持ち」って、こういうものかもしれないと静かに考えさせられる。
 トリツカレ男のとりつかれること=人を本気で愛することのようにも読める。

 個人的な感想

 個人的な意見です。純愛が最高でした。そして、「とりつかれる」という言葉の使い方が、様々に変化して面白かった。

 いろんなことにとりつかれて来た男が、今度は女性にとりつかれる、さあどうなることか、という物語なのですが、なんと(ここからネタバレ、読んでいない方はご遠慮ください)

 女性が好いていた男の霊に取り憑かれてしまうという今までとは異なる「トリツカレ」が出てきます。さりげなく言葉をすり替えたみたいな作者のストーリーが面白かった。

 あー、トリツカレ男ってそういうことだったのか、と深く納得して終わります。

 ジュゼッペの愛に学ぶこと

 それにしても、自分の全てを投げ出しても、女性を救おうとする男の愛に心打たれました。

 今までとりつかれて得た技の一つ一つを使って、彼女の心の不幸を一つ一つ取り除いていこうとする男の優しさや意志の強さ(心意気)。

 たとえ取り憑かれて、自分と言う存在が失くなろうとも、それが彼女のためになるなら何も問題はない、と思うのです。なんという愛する人を思う心の深さ。

 純愛というのは、こういうことを言うのだろうなぁ、としみじみと考えさせられました。

 愛するペチカを温めようとしていたジュゼッペは、最後に、ある寒い日に霊と対峙して、冷えて、冷えてー 死に近いところまで行くのですが、それを今度は彼女が助けるという・・一方的な愛ではなくて、お互いを思いやる気持ちに変わる瞬間もとても素敵な描かれ方だったと思います。

 

 最後に

 さて、広末さんの物語に戻りますが、彼女の我が道をいく純粋さは誰かを温めうるものなのでしょうか。それともただのペイハラで終わってしまうものなのでしょうか。
 家宅捜索までされるなんて、かなり警察もやりすぎだと感じるのは私だけでしょうか。
 できれば、この後、また頑張っていただきたい。何かにとりつかれたら最強の人となりそうですので、女優としてもう一花、ふた花咲かせていただきたいと切に願います。


 今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
 素敵な時間を過ごされますよう。
 願いを込めて。



 
 


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