猫と生きる、静かな奇跡。


 こんにちは!

 川崎・女性遺体遺棄事件、聞けば聞くほど恐ろしいですね。

 人間としてどうしてああいうことができたのか・・ 交際期間はたったの1ヶ月だったそうです。その間にも、殴られたり蹴られたり首を絞められたりしたのだといいます。

 これからの世の中、どこでそういう危ない方に出会ってしまうかわからない。ずいぶん恐ろしい時代に突入してしまったと感じました。

 下手に男性とお付き合いするよりも、今のように猫(ペット)と暮らしていたほうがよほど良い、といった少子化に輪をかけてしまいそうな思いが湧き上がってきます。社会的に申し訳ない発言ですが、これからの時代は、そのほうがリスクが少ないような気がします。

 ただし、ペットとの付き合い方もそう簡単ではありません。

 今日はそんな動物との距離感を考える本を読みました。


 



 猫を処方いたします。(石田祥)


 【あらすじ】
 京都市中京区の薄暗い路地にある「中京こころのびょういん」。 
 心の不調を抱えてこの病院を訪れた患者に、妙にノリの軽い医者が処方するのは、薬ではなく、本物の猫だった!?  
 戸惑いながらも、決められた日数、猫を「服薬」する患者たち。 
 気紛れで繊細、手がかかるけど愛くるしい猫と暮らすことで、彼らの心も少しずつ変化していく。 
 そして医者が猫を処方するのには、ある「理由」があって――

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 ・見どころ&ここが良い!

 当たり前のように猫を処方する医師と、猫を処方されて本当に心の病が好転していく主人公が面白いです。
 
 物語のなかで、猫は人を導く使い手のように描かれていて、猫によって生き様が変わり、癒されていく様子に、いつの間にか読み手の私も、心が温かくなったり、おかしみから笑顔になったり、感動の涙を流したり。
 
 主人公と共に、癒されて、荒んだ心がまるで治っていく感じがしました。

 さすがPHP文庫だな、と変なところに感心してしまいました。

 処方箋のような小説です。


 ・印象的な猫との距離感。

 うちの猫は一日中ほとんど寝ています。たまに気が向くと、ご飯を食べて、甘えてきます。飼い主が元気がない時は寄り添ってくれますし、暖かい体の重みを感じさせてくれます。
 
 人間関係にも、もう少しだけ猫のようなゆるさがあると良いような気がします。

 猫は飼い主を束縛することなどありません。もちろん暴力などもってのほかですし、逆恨みをして、殺したり焼いたりすることもありません。

 ただし、飼い主の方が猫と離れがたくなってしまうことはあるかもしれません。自分がいないとダメなのではないかと必要以上に心配しすぎるということが・・

 猫を愛しすぎると、猫との距離感がわからなくなってしまう時が多々あります。(そこは人間関係と一緒かもしれません・・)

 物語で印象的だったのは、後半部分の、猫との付き合い方について書かれたところでした。猫を亡くして、その猫に拘り続けている患者さんに先生が言うのです。

 「そろそろ手を離して、気持ちよく見送ってあげましょう」

 ハッとさせられます。ペットロスの方にも刺さるお話ではないかと思います。


 ・種明かしも心温まる。

 なぜ猫を処方する不思議な病院があるのか。その謎にも惹かれますし、種明かしも心温まるものでした。こんな不思議なことがあっても良いような思いがします。

 それくらい元々ペットというのは、人間に対して、とても愛情深いものなのではないかと思うからです。

 猫好きの方も、犬好きの方も、ペットと共に生きている方には、ぜひ読んでいただきたい作品だと思います。心の処方箋がこの子達(自分のペット)なのだ、とあらためて気付く、とてもハートウィーミングな物語となっているのではないでしょうか。


 ・最後に冒頭のニュースに戻ると・・

 私の人生について書かせてもらいますが、ああいう危険な人と出会わずに、今こうして猫と平和に生きていられることが奇跡のような気がしてしまいます。

 奇跡は言い過ぎでも、ずいぶん幸運なようです。交際1ヶ月で殺されるならば、そういうことがあってもおかしくはなかったように思うからです。

 今を当たり前と思わずに、感謝をして、猫と慎まやかに生きていこうと思います。
 
 (少子化に輪をかける発言、大変申し訳ないです)




 では、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。

 あたたかなときを過ごされることを願っています。

 心を込めて。



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