柴又で大切なものを思い出す。
GWということで、なぜか柴又に遊びに行ってきました。
なぜ、今この令和の時代に柴又なのか。
映画「男はつらいよ」の、寅さんの、柴又なのか。
いや、偶然行くことになったんですけれどね、何か意味があったような気がして仕方ないんですよね。
というのも私、先日中野に行って、都会の人情のなさと、スクラップ アンド ビルドの冷淡さに寂しい思いをしたのです。ことさら田舎を愛しく思ったのでした。
ところがまぁ、あるじゃないですか、都会の人情! 下町のそれが。そしてスクラップアンドビルドとは正反対の日本の文化が。
帝釈天ですよ。
お寺と神社だけは、日本では守られていたのですよね。経済成長のためにかかせなかったスクラップ アンド ビルドですが、神仏だけは違った。いわば、最後の砦として、頑なに護られていたわけです。
ああー、そうだったなぁ。
帝釈天の美しい建築物を見て愕然としました。経済に勝る価値観がここに残されていた。
忘れていたことを思い出させてくれました。
そんなわけで、貴重なプチ旅行となった柴又の、今日はお話です。
読書時間に5分くらいです。
どうぞ見ていってくださいね。
どこもかしこもキャラクターだらけ、柱には寅さんの写真や歴代のポスターが。
早めに着いたので一つずつじっくり見て、もうこれだけでお腹いっぱいになる程寅さんを味わって駅を降ります。ここは柴又。フーテンの寅さんが旅に出る起点の駅。構内を出るとすぐに、旅立つ寅さんの像が立っていました。
こう、昭和の古き良き時代の匂いというのか熱い想いというのか、今は貴重に感じられる懐かしいものが心地よく思い出されて、ああ、下町に来たんだなと思いましたね。
待ち合わせで合流して、3人で帝釈天へ向かいました。
この二天門が立派なんですよね。
そろそろ人が混んできて、なかなか遠くから撮りづらかったんですけれど、ほんと綺麗な門でした。
そして帝釈堂。中に上がって丁寧にお参りしてきました。1月に亡くなった猫のお焚き上げもお願いしました。
写真下、寅さんが産湯をつかったとされる御神水です。
境内を回っていたら、古いなぁ〜と思って、突然ハッとして、ドキドキして来てしまいました。
そうだよ、そうだよ、ここにあるじゃないか。
現代では、最も重きを置かれている経済という価値観。
その価値観に反するもっと大切なもの。
最後の砦の生き残りが、日本人の精神性が、ここに残されているじゃないか。
なんだか私、嬉しくなってしまい、ワクワクして心に羽が生えたように境内を散策しました。
スクラップ アンド ビルドなんて、クソ食らえ。
経済至上主義なんて、放っておいてしまえ。
こんな美しいものを忘れて嘆くことなんてないじゃないか。
とでもいう感じに‥
映画が始まる前の物語って、こんなだったのね・・
写真下は、初めて柴又駅から旅に出る(家出をする)寅さんの若き日の姿です。
マドンナの写真もたくさんあり、楽しませていただきました。
「男はつらいよ」というのは、北島三郎の歌から取ったタイトルらしくて、何がつらいのかというと、好きな女性に好きと言えないから(あまりハンサムではない顔が邪魔をするらしいです)。ああ、そういえば、寅さんは惚れっぽいくせに、恋に不器用だったなぁ。そこがまた良かったなぁ、なんて思い出されました。軽々しく好きとは言えない、つらい男心だけれども、惚れたらとことん一直線。いいよなぁ。寅さんを応援する下町の皆さんも暖かくて良かったですよね。
本当に今日はどこに行っても寅さんづくしで、寅さんの温かい人情の世界観に包まれ、幸せな気持ちを味わうことができました。本当に良かったです。
明日のおやつにお持ち帰りです。
本当にどうもありがとう。
そして、寅さん、ありがとう。
貴方がたくさんの良き映画を残していってくれたから、時を経て今でも私はこんなにも温かい気持ちになれています。
寅さんの映画を作ってくれたたくさんのスタッフの方々や関係者の方々にもお礼を言いたいですね。ありがとうございます。
心が寂しくなったら、また柴又に来ようかと思います。
日本人の精神性と、温かい人情を思い出させてくれそうだから。
それまで、さようなら柴又。また来る日まで。