地球はひとつの共鳴伝導体。あなたも私も「コーヒー&シガレッツ」。
こんにちはー
ロシアの原発攻撃すごいですねぇ。もうなんとも言いようがありません。。
オミクロンもだいぶ落ち着いてきたようですが、まだまだ安心はできませんしねぇ。
と、いうわけで、今日もお家movie。ちょっと現実逃避気味ですが、映画好きにはコロナ禍の世界もそう悪いもんじゃないなぁ、と思う今日この頃、唐突ですがタバコ吸います??
もう15年近く前に一度見た映画なんですが、「コーヒー&シガレッツ」。主人公たちがただひたすらコーヒーを飲んでタバコを吸いまくる物語。今の嫌煙ブームの時代からしたらなんとも時代錯誤の映画なんですがね。ところがこれが面白いの。
ジム・ジャームッシュ監督。ロベルト・ベニーニ、スティーヴン・ライト、スティーヴ・ブシェミ、イギー・ポップ、ケイト・ブランシェット、スティーヴ・クーガン、ビル・マーレイ出演。
「コーヒーを一杯、タバコを一杯、会話を楽しむ、人生を楽しむ」。
というコピーがついているんですが、いやはや。ちょっとそんな「会話や人生を楽しむ」的な優雅な感じの映画じゃ全然ないの。若い頃は「禁煙推奨用ビデオ」かと思いました。とにかく不健全。主人公たちが場末のカフェでコーヒーガバガバ、タバコプカプカ、見ているとめまいがしてくるほど不健康なオーラ全開の映画なんです。
お話の方は、二人から三人のコーヒー好き、タバコ好きがカフェで雑談をする、というそれだけのショートストーリーです。うん、というよりショートコントですね。
これも15年前には気がつかなかった。あの時は、コーヒーとタバコが会話や人生をより豊かにしている、と思ったものですが、今はそういう見方よりも意外なところに感心してしまうというのか・・
たとえば、先程言った、間の悪さの「間」ね。人間同士の関係性というのが、その力関係や良し悪しなんかがね、会話を通した「間」にすべて現れて、それがコーヒーとタバコという小道具によって色濃く強調されるんです。
あー、タバコとコーヒーってこういうものなのか。ってね、その存在意義にあらためて驚かされるというのか、ない世界とある世界の差を思い知らされるというのか。
とにかくすごいですよ。
タバコは人生の名脇役。主役の人生をショートコントにしてしまう(たとえブラックユーモア的であろうとも)その力というのはね・・
共鳴伝導体の地球においては、あってもなくてもいいはずのタバコとコーヒーが、かな〜り貢献しているような気がしてくるんですよね。
それを証明するかのように、この映画では同じ台詞が何度も出てきたりします。知らない街で知らない主人公たちがどこかで繋がっている様が描かれます。タバコとコーヒーという繋がりを通して、彼らは知らぬ間に共鳴する電導体のように連なり合う。
最終話の休憩中のコーヒータイムに死んでしまう主人公はまさに圧巻。今まで見てきたコーヒー好きの彼らの人生がここに帰結するような気がしてしまいますが、それがね、場末の労働者風なのにぜんぜん悲惨じゃない。むしろ豊かで幸福なものを感じさせられます。
ああ、こんな人生悪くないな、的なね。
でもね、このおじいちゃんタバコ吸っていないんですよね。相方の方が吸っていて、死を見守る役目なの。もしかしたら、タバコを吸っている方が、太らないし、ボケないし、早死にしないという監督一流の皮肉なのかもしれませんがね。
会話を楽しむ、人生を楽しむ。そのために必要不可欠なコーヒーとタバコ。連なり合う世界と世界をなおも重ねる最高の小道具、コーヒーとタバコ。人生の名脇役、コーヒーとタバコ。
コーヒー&シガレッツといった方がおしゃれよね。
嫌煙派の方もオシャレでゆるくて間の悪さが最高におかしみのある映画なので、機会があったら見てみることをお勧めします。喫煙派の気持ちもわかるかもしれませんよ〜
ということでまとめです!
名俳優たちがコーヒーがぶ飲みしてタバコをバカバカ吸う映画を見たら、15年前とは違った感想を抱いたから驚いた! 主人公たちのコーヒーと飲んでタバコを吸う行為によって、彼らの間や関係性の力関係などが浮き彫りになって、なんとも言えずおかしみのある映画だと思った! あと別のドラマとどこかで繋がっているような作りがおもしろい! 探してみると見所がたくさんあるので、自分のお気に入りを見つけるには格好のドラマだと思う。
人生の苦味や渋味を感じたいときに見ると、そのゆる〜い笑いに心癒されます。
では、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。