プライスレス イノセント 拝金主義者の信念「リンカーン弁護士」。


 こんにちはー

 唐突ですが、仕事のストレス解消法って何ですか? 運動とか、お酒とか、いろいろあると思うのですが、最近の私は、インターネットショッピングにはまっています。プチプラの洋服なんですけどね、あれこれ選んで、ポチッとした瞬間に、何だか、すーっ、とするんですよね。

 頑張ってお給料稼いでいるから、これくらいはいいかな、と思うわけです。

 なので、買い物の数はストレス指数です。カードの請求額が多かった月は、たくさんストレス感じたんだなぁ、と。

 昔はこうじゃなかったんですけどね、山に登ったり、カメラで写真を撮ったり、ブログで正義派の文章を思うように表現できた時だったり、それなりに、お金に換算出来ない多様な方法があったと思うんですよ。何だかなぁ。

 今はカネカネカネ、コロナのせいもあるかもしれないけれど、仕事を選ぶのもお金重視だったりします。生活できない場合の恐怖というのが常にありますから。

 ストレスも恐怖もお金で乗り越える。お金重視、何でもお金で換算できるという、どことなくインチキめいたしたたかな解消法ってどうなんでしょうね。

 精神性が劣化しているような気がします。地獄の沙汰も金次第。ですが、そんな欲望を美学にしている方もいらっしゃるから何とも言えません。


 今日のおうちmovie、強欲な弁護士さんのヒーローっぷりを描いた渾身の一品です。



 「リンカーン弁護士」

 マイクル・コナリー原作、ブラッド・ファーマン監督。マシュー・マコノヒー、ライアン・フィリップ、マリサ・トメイ出演。

 【あらすじ】
 リンカーンでLA中の法廷を馳け廻るミックは、依頼人から金を巻き上げる、ちょいワル弁護士。弁護士としての名誉も名声もないが、金だけは持っている。ある日、金になりそうな客、ルーレから暴行とレイプの濡れ衣を晴らして欲しいと依頼を受ける。「娼婦に嵌められたんだ」と真剣な面持ちで無実を訴えるルーレ。今回もそれなりの「代償」で弁護を引き受けたミックだったが、次第に自らこそが選ばれ、嵌められたことに気がつくのだった。





 いや、久しぶりに面白い映画を見ました。最近歳のせいか、飽きちゃったのか、2時間映画を見るのが辛かったんですけどね、これは時間がサクサク進んだ。法廷もの、っていうのはやっぱり面白いのでしょね。謎解き、サスペンスも、こちらを飽きさせず、もう引っ張る引っ張る。お見事でした。




 何せリンカーン・タウンカーがかっこいい。そしてマシュー・マコノヒー演じるミックがかっこいい。優雅にリンカーンに踏ん反り返って、一流のスーツを着こなして、キザなやつなんですけどね、悪人を弁護して社会に野放しにして、金のためなら何でもやるイケスカナイやつなんですけどね、彼には美学があるんです。
 罪を裁くことには興味がない。犯罪者の弁護も何でも引き受ける。しかし、無実の人を罪人には、決して、しない。そのことが彼の信念を占めているわけです。





 
 ところが、そんな悪と長年の蜜月を築いてきたミック、ついに本物の悪と出会ってしまいます。金持ちのドラ息子ルイス・スーレ、彼との出会いで初めて、悪に対して鳥肌が立つミック。

 ルイスは過去に同じ手口で娼婦を殺していたのでした。しかもその当時の事件の弁護人はミックでした。ミックは無罪の人間を(ルイスによる策略により)終身刑にしていたのです。





 ミックに白羽の矢を立て、弁護を依頼したのも、全て過去の事件を葬るための策略、計算によるものでした。そのことに気がついた時はすでに遅し、親友の調査員フランクも何者かに(作中ではルイスに殺されたと暗示されます)殺されてしまいます。




 悲しみのどん底に落ちるミックですが、仕事なので、ルイスの無罪を勝ち取る仕事はしっかりしなくてはいけません。金なんかいらねーから弁護降りるわ! とは言わないんですね、えらいわぁ。


 まぁまぁ、謎解きがメインのドラマなので、この先は言えませんがね。ラストが洒落ているんです。冒頭で金をふっかけたストリートのマフィアもどきが最後に出てきて、ミックは彼らにこういうんです。「先生だけが頼みだよ。この間協力したから、今回はまけてくれよ」と言われて。

 「無料でいいよ」

 常連さんだから次回はふっかけるさ、と嘯きながら、代償を拒否するのです。

 悪徳強欲リンカーン弁護士がタダで弁護を?!

 お金に換算できないものは確かにあります。いかにリンカーンに踏ん反り返って、拝金主義を美学にしている男だろうと、信念だけは曲げられない。

 多分ね、悪を野放しにするだけだったら、もしかしたらいつも通りだったかもしれないんですよね、今回は違った。過去の事件で無罪の人間を終身刑にしていたから、その真犯人が依頼人だとわかったから、本気になってしまったのだと思うのですが。それにしても。


 本物の悪よりも、信条の情念が勝った。

 それはお金に換算できない代物だった。

 だから、彼は柄にもなくヒーローとなって戦った。


 そんなことにスカッとさせられた映画でした。

 ルイスが死刑になるかどうかよりも、冤罪人が自由になったことだけを口にするラストシーンもお見事だと思いました。

 脚本がもう最高ですね。面白いので、よかったらぜひご覧になってください!


 というわけでまとめです。

 金のある犯罪者ばかりを弁護している強欲弁護士が、生まれて初めて、金なんかいらねーよ、と言いたくなる弁護を引き受けた映画を見たら、脚本、プロセスが最高で、メチャクチャ2時間引き込まれた!

 世の中にお金に換算できないものがたくさんある。

 中でも、人の信念は尊いものだな、と感じさせられた映画だった。

 

 ストレスを感じる日々に見るのにオススメです! かなりスカッとすると思います。


 今日も素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。



  



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