現実が夢ではないとどうして言い切れる? 永遠の愛も切ない「インセプション」

 

 こんばんはー

 トランプさん、コロナになっちゃいましたね。

 すぐに回復すれば大統領選も逆に有利だ、という意見を聞きました。私的にはコロナで死んじゃうんじゃないかなぁなんて想像しているんですが、(なんとなく、あの人騒がせな大統領には「コロナでの死」という結末がふさわしいような気がしませんか?)どうなっちゃいますかねぇ。

 ん・・・ でも、アメリカのワクチンのおかげで助かって、逆にセールスアピールしちゃった、なんて結末も似合いそうな気がしてきました。なんせ金儲けの権化・・・もとい、元ビジネス王ですからね。

 「トランプもこれで治った、アメリカの新型コロナワクチン! あなたも是非」(セールストーク)

 なぁんて。自ら臨床試験(人体実験)してくれるとはなんと素晴らしい大統領よ・・

 失礼しました。トランプ大統領の回復を心より御祈り申し上げます。



 さて、今日のおうちmovieは2010年の古い映画、「インセプション」。

 これ見たことあるんですけど、アマゾンでトップに出ていたからまた見てしまいました。何度見ても面白いものは面白いなぁ。


 「インセプション」


 クリストファー・ノーラン監督。レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙、ジョセフ・ゴードン=レヴィット出演。



 【あらすじ】

 他人の夢の奥深くに潜り込んでアイデアを盗む産業スパイのコブは、その才能のせいで、最愛の妻を失い、国際指名手配の身となってしまう。アイデアを盗むことができるなら、植え付けることもできるだろう、とある日サイトーという日本人に持ちかけられる。競争相手のエネルギー複合企業を潰すのが目的で、成功すればコブの犯罪歴を抹消する、とサイトーは言うのだった。コブは夢の設計師や偽造師、薬の調合師を集めて、ターゲットのロバートと夢を共有し、夢の中の夢の、そのまた夢の中へと潜り込んでいく・・


 面白いんですよね。よくできたストーリー。アカデミー賞で作品賞や脚本賞をいただいている有名な映画なんですけれど、10年経った今でも斬新です。

 


 不可能と言われる未だかつて成功例がない「インセプション」。が、犯罪履歴を消して、是が非でも娘と息子に会いたいコブは、仲間を半ば欺いて危険な夢の任務を強行します。そのせいで、設計にはないはずの道を走る「汽車」が突然現れたり、銃を持った敵に追われたり、夢の階層が深くなればなるほど、その障害は手強くなります。

 任務は、ぶっちゃけ後継者のバカ息子に会社をぶっ潰させること。ですが、これが本人の意思でそうさせるように、マイナスではなくてプラスの思考で植え付けようとするんです。つまり「父親が息子の自立を望んだ。だから父の会社をそのまま注ぐのではなくリスクのある自分なりの事業を起こそう(そして失敗するのが目的ですが・・)」とするという・・

 このバカ息子は父親からずっと認められていなくて、父親との間に深い確執があったんですね。ずっと悲しんで生きてきたんです。ですが、最後に「犯罪者たちの嘘の夢の力によって」、深い、深い、父からの愛を知ることになる。

 動機は罪深いんですが、息子が感動して、父親と和解するシーンはジンとさせられます。 



 もう一つの感動ポイントは、コブの死んだ奥さんとの愛ですね。この奥さん、コブの夢を設計する才能のおかげで、二人で夢の中に帝国を築いてしまった。二人だけの愛の世界です。なので、現実に戻ろうとしなくなってしまった。仕方なく、コブは二人で自殺をします。(死ぬと夢から覚めるという設定なんです)二人で「汽車」に轢かれるんです。その時に、コブは奥さんに密かにインセプションを行っていたんですね。ところが不可能を可能にしたインセプションにはとんだ落とし穴があり、奥さんは(インセプションにより)現実に戻ったあとも、インセプションを信じてしまう。

「これは夢だから現実に戻らなければならない。そのためには死ななければならない」という・・

 奥さんを失って、コブも、バカ息子同様に悲しい人生を送ってきたわけです。

 ところが、任務の最中で、夢の中に囚われた奥さんが邪魔しに出てくるわけですよ。そして、なんやかんやあって、彼女の影(亡霊ですかねぇ・・)を乗り越えることに成功する。

 コブの腕の中で死んでいく奥さん。涙ながらに言います。「プロポーズの言葉覚えている? ずっと一緒に年を取ろうねと・・・」

 一緒に年を取ろうね、というのは劇中に何度も出てくるお約束のセリフ。それができなくて、コブは死ぬほど罪悪感を感じていたのですが・・・

 

 「ずっと一緒に年を取ろうねと・・」(あなた約束したじゃないの?なのにどうして?)

 「一緒に年を取ったじゃないか。忘れたのかい?」



 ここで初めて、コブと奥さんが汽車に引かれたときの「繋いだ手」が、老人のものであったことが明かされます。

 それもそのはず、夢の中の時間は階層が深くなればなるほど現実の何十倍もあり、二人はともに50年も夢の中で過ごしていたんですね。回想シーンでは若い二人の絵でしたが、実際は老人と老婆だったことが観るものに示されて、二人がとうに夢をかなえていたことが知らされるわけです。 

 泣けます。愛するものと一緒に年をとるというのは、どうしてこうも、切ない、誰もの永遠の夢なんでしょうかね。

 

 リアルと現実がわからなくなり、虚無の中で混沌とした人生を送ってしまった奥さんとコブですが、最後の最後に、永遠の愛を私たちに見せてくれるのです。


 けっこう難解な映画なんですよね。夢の主体のドリーマーがいたり、深い階層の夢で目覚めないと次の浅い階層に戻れなかったり、夢の途中で死ぬと(鎮静剤が効いていると)目覚めれらなくて虚無に落ちてしまったりと、ルールがたくさんあって、やもすると説明調になりがちな物語なんですけれど、それを「バカ息子と父の和解」、「一緒に年を重ねる」という感動ポイントを二つも入れ込んでですね、よくもうまく2時間の映画にまとめたものだなぁ、と感心させられます。

 いやぁ、面白いです。

 その他にも、夢のシーンの時間軸や無重力の扱い方(その中でのアクションシーン)など、夢の崩壊シーンの迫力など、見所が満載ですので、秋の夜長に、よろしかったら是非見てみてくださいませ。



 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。




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