やっぱり猫が好き、ならぬ、やっぱり穴が好き。三谷幸喜×Amazon「誰かが見ている」

 

 こんばんはー

 台風12号、どうってことなく終わっちゃいましたね。ものすごい風だ降水量だと煽っていたから電車が止まるかと思ってたら。当日はただの霧雨。

 人工台風が不発に終わった、とディープステート勢の衰えを揶揄する意見を聞きましたが、まぁ、そんなこともあるのかな。

 ディープステートというと、監視という問題があるようです。グーグルやフェイスブック、位置情報ゲームなどで、私たちの日常は日々監視しされている。監視資本主義の中に取り込まれている、と。まぁ、そんなこともあるのかな。

 なんて、あまりにも規模が大きすぎて、結構他人事ですが。だって、私のしょぼい日常をビックデータとして収集して、いったいなんの役に立つというのでしょう。

 どうぞ勝手にやってください、という感じ。

 ところが、今日のおうちmovie、こんな監視資本主義の時代を逆手にとって、コメディドラマにしちゃったという・・しかもビッグデータを集めまくっているアマゾンさんが作っているというこの皮肉さ加減どうよ、という代物という・・・。


 「誰かが見ている」

  三谷幸喜監督。 香取慎吾, 佐藤二朗, 山本千尋出演。



 【あらすじ】
 舎人真一は何をやっても失敗ばかりのダメ青年。どう見ても発達障害か知恵遅れ、かなりイカれた青年だが、はたから見るとその生活はコメディ俳優ばりのギャグの連続。真一のアパートの隣に住む粕屋二郎は、引っ越す以前から壁に空いていた穴から、真一の行動を眺め見ては、「テレビを見るより面白い」とツボにはまりまくっていた。そんな二郎のささやかな楽しみがある日娘のあかねに見つかってしまう。あかねは、面白いから真一の行動を録画してYouTobeに投稿しよう、と言い出して・・・


 いやー アマゾンさんと三谷幸喜監督のコラボ作品です。面白いです。
 ドラマの最中に観客の笑い声のような声が入っているので、三谷さんといえば・・また劇場で撮っているのかな、と思っていたら、案の定、最後の最後に舞台が引で映されて、観客が入っている様子が明らかにされます。
 



 面白いです。だから演劇を見ているようなんですよね。配信向けに後で一応編集しているようなんですけれど、舞台のシーンは当然長回しのワンカットです。
 三谷幸喜監督の演劇パターンのドラマというと、私世代だと「やっぱり猫が好き」という30年以上前の名ドラマを思い出してしまう。あれも面白かったなぁ。
 もたいまさこ、室井滋、小林聡美がくだらないことをダラダラと話している(もしくはくだらない事件が起こる)だけの平和な日常の物語なんですけど、深夜に、しかも少し落ち込んだ時の夜に、ダラダラと見るのが最高に楽しかったんです。

 「誰かが見ている」のアマゾン配信を知ったときに、やっぱり猫が好きを見ていた時代の空気や悩みやあの癒された時間を思い出して、懐かしさとともに、ちょっと幸せな気持ちに包まれてしまいました。ダラダラとした日常の幸福感というんですかね。
 配信はちょうど4連休にぶつけてきましたしね。これはダラダラ見るしかない、と一気に連休中に見てしまいました。

 で、いやー面白かったですね。

 ワンカットだと役者さんの演技力が全てなんですよね。その点、香取慎吾は、まぁ、置いておいて、佐藤二朗さんをはじめ、個性派のうまい役者さんが勢揃いで。彼らの汗をかきながらの必死の演技が、笑えるのなんのって。
 



 ストーリー的には、冒頭に書いた監視資本主義の象徴ともいうべき手法で、一般青年の(まぁ一般というには変わり者すぎますが・・・)日常をお隣さんが覗いている、しかもそれを勝手に動画配信してしまうという、半ば犯罪行為なんですけれど、それを犯罪にさせずにコメディに持っていくというものいすごい力技で。三谷さんの脚本のなせる技なんでしょうけど、これはないよなぁ、と思いながらも、笑ってしまうんですね。

 こんなことされていたら、いかに無関心な私でも怒りますよ。でも舎人真一は、動画配信がバレた後も、(こんなにダメな僕の人生でも)「人様の役に立てて嬉しい」と続行を懇願するのです。

 失敗ばかりでちょっとオツムが弱そうですが、とても純真な心を持っている青年なんですね。(ここが感動ポイントなんです)


 あなたの失敗も。あなたの悩みも涙も。

 誰かが見てくれている。


 ・・・なんですかねぇ。現代はこんな穴だらけですよね。フェイスブック。ポケモンGO。グーグルにインスタ。私たちの日々監視されているデータも、誰かや何かの役に立っているんですかね。企業の儲けだけではなくて、困った人や、希望を失った人や、犯罪を抑制する力に、少しでも、なっているんでしょうか。

 そんな平和な選択肢を想像すると、ちょっとは救われるような気もしますが、どうなんだろうなぁ。

 これはアマゾンの策略にはまっていますかね、笑


 まぁ、監視資本主義問題は置いておいても、秋の夜長にダラダラ見るには最高の一作です。決して、最高に面白い!という代物ではありません。ですが、日常の悩みをしばし忘れて、ほっこり平和な気持ちになれること請け合いなので、まだ見ていない方がいたら、ぜひアマゾンプライムに加入して見てみてくださいませ。

 ↑ おお、やっぱり、アマゾンの策略にはまっている・・・すみません。加入してまで見ることないかも。もし加入していたら、見てみるのも良いかも、くらいですかね。

 

 ではでは。素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。




☆出典☆

 監視資本主義とは?

 反トランプの官僚たち


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