よくできた脚本に引き込まれる、日本コメディ映画の傑作「鍵泥棒のメソッド」


 こんにちはー

 お盆もそろそろ終わりですね。

 私の夏休みは今日まで。セミの鳴き声も切なく感じます、笑

 さて、今日の夏休み最後のおうちmovie、正確に言うと、昨日の夜中まで見てしまった大爆笑コメディ映画です。これは必見ですよ〜

 

 「鍵泥棒のメソッド」

 内田けんじ監督、脚本。堺雅人、香川照之、広末涼子主演。



 【あらすじ】

 ど貧乏で売れない役者の桜井は、かつて結婚を考えていた恋人が他の男性と結婚することを知り、自殺をする。が、あえなく失敗。一方、伝説の殺し屋コンドウは仕事が丁寧なことで知られ、裏社会から絶大な信用を得ていた。ある日、桜井がコンドウの鍵(人生)を盗んだ。運良く(?)コンドウの記憶が一時的に失われたことから、なんと二人の人生が入れ替わってしまう。そこに婚活女性の女性編集者香苗が現れて・・・


 いやー面白かったです。夏休み最後に最高に面白い邦画を観ました。

 何が面白いかって、コンドウがね、どう見ても50歳、それまで強面でリッチに暮らしていたんですが、突然35歳のカネなし職なし女なしのど貧乏な役者志望の男になってしまうの。でも、根が真面目で本帳面だから、疑いもせずに、粛々と自分の境遇を生きる。桜井のカジュアルな服を着て、役者の勉強まで始めてしまう。その滑稽かつ感動的なことといったら。



 なんと役者として認められる羽目になったりして、(チンピラ役で大抜擢、笑)



 人間というのは記憶なのか、と先日の映画クリミナルで考えたりしていたんですが、いやぁ、記憶が変わっても人間の本質は変わらないんですね。自堕落な「桜井」の人生がコンドウによって修正されていく、蘇っていく姿がなんとも言えず感動的でした。

 婚活女性の広末涼子もいいですね。究極のメモ魔、この方も真面目で本帳面な性格。コンドウの女版といった感じで、似た者同士なんです。(コンドウのメモも見事でした)自然の成り行きで、二人が結婚に向かう姿も、おかしいやら、微笑ましいやら。だって、殺し屋コンドウは桜井だと思い込んでいるのですから、他人の人生でどうやって結婚するのよ、と笑ったりハラハラしたりしながらも、二人の行く末を思うと胸が温かくなったりするんです。

 そうそう、この映画、人生で一番大切なものは何か?
 というのを書いているんですよね。
 その答えを見つけたときに、二人はハッピーエンドになるんですけれど。




 一方、伝説の殺し屋にされてしまった桜井は、知り合いに借金を返しまくり、大家さんにも貯めていた家賃を全額返済して、元恋人の元にもお金を返しに出向きます。
 改めて自殺しようと思うものの、不思議なコンドウの境遇に巻き込まれて、それどころじゃなくなってしまう。闇の仕事がまたころがりこむのです。
 死に損ない、人生で一番大切なものは何か、を身に沁みて感じていた桜井は、「そのため」に殺人のターゲットであるはずの女を救うことを考えます。
 


 本物の桜井役の堺雅人さん、こちらも良かった。特に最後のコンドウのシーン、売れないド下手役者が、最後の最後に、体を張って、一世一代の演技をする。迫真の演技に心を打たれました。

 笑ったりほっこりしたりハラハラしたり。ほんと、脚本が良くできているので(内田けんじ氏は2012年に日本アカデミー賞、最優秀脚本賞を受賞しているそうです)、奇想天外な設定に、大爆笑な展開のわりに、ありえない、と思うことは一切ないです。とにかく引き込まれる。続きが気になって、一気に見てしまいました。


 この映画評判でしたかね。あまり聞いたことなかったけれど、アマゾンのおすすめ映画に出てくるから見ただけなんですけどね、いや、ほんと面白いです。

 入れちがいもの・日本コメディ映画の傑作じゃないかなぁ、なんて思いますので、お時間ある方、良かったらぜひ見てみてくださいね。




 では、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。








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