日日是好日。激動の時代の中で守るべきこと。



 こんにちはー

 緊急事態宣言、案の定長引いてしまいましたね。
 覚悟はしていたからそうショックではないんですが、これ以上続いたらどうなるんだろう・・・という不安はやはり過ぎります。はぁ・・・しんどいですね。


 そんな中で、わたしは今日もmovie。
 今日は大林立嗣監督、黒木華、樹木希林主演の「日日是好日」を見ました。
 
 変わりゆく国の形の中で、わたしたちはどう生きるのか。

 その答えが多少なりとも見つけられたような気がしました。




 この映画、たくさんの方から、良い映画だということを聞いていて、いつか見なければいけないな、と思っていたのですが、なんとなく先延ばしにしていました。

 お茶という日本を代表する文化が、もう一部のセレブのものになってしまっていることに対する反感・・・とでもいうのでしょうか。
 市民を代表するような感想が抱けるのか、という疑問が主な理由でした。


 ところが不思議ですよね。黒木さんの好演のおかげだと思うのですが、所作のあどけない学生時代の華さんが24年間お茶を学ぶ姿を通して、まるで至らない自分自身の姿をみるかのように(お茶に対して)親近感を抱いて、見ることができました。




 習いたての頃を見て、わたしだったら絶対やめてるな・・とも思ったりもしましたが、笑 華さん演じる主人公の女性は決してお茶を諦めません。お茶は形から入るもの、心は後から付いてくる、という樹木希林さん演じる先生の言葉を信じて、謙虚にお茶を学び続けます。
 毎週、毎週、変わらずに、お茶に通い続けるのです。

 いつしか彼女は、お茶を通じて、季節を深く感じ、五感が研ぎ澄まされ、そして女性としての所作の美しさを身につけていくようになりました。

 見ているうちに、これも不思議なんですが、わたしはそんな主人公の華さんが「変わらない」でいてくれることを強く願っていたようです。仕事への意欲、男性との出会いや別れ、それらの彼女の私生活が変わりそうな契機が訪れると、なぜかモヤモヤするようになりました。

 お茶をやめないでほしい。
 ずっと変わらず、今のままの華さんでいてほしい。
 

 ずっと子供のままでいられるわけはないというのに・・


 物語の後半で、大人になった主人公が(おそらく仕事か恋かのために)家族・・・父親を顧みないようになり、まるで罰を受けるかのように、唐突に父親を失ってしまうエピソードが語られます。
 わたしはそれ見たことか・・・と納得してしまったりしているのです。


 変化は、悪である。




 これはわたしだけの感想ではなくて、どうやら映画自体がそのような、変わらぬ姿を美徳として訴えているのだとやがて気がつきました。
 成長して、大人になり、時代が変わり、人が変わっていくのは当然のことであるというのに、「そうではない」姿を、作品を通して描いていたように思えてなりません。

 
 主人公は、世界で想像がつかないようなことが起こっても、毎週、同じようにお茶に通い続け・・・ そして、24年目に樹木希林さん演じる先生が言います。
 「毎年毎年同じことの繰り返しなんですが・・こうやって同じことをできるということが、幸せなんだなぁって・・・」。


 タイトルからして、一期一会とか、今を大切に生きようというくだりに、重きを置いた感想を抱くのが当然なのかもしれませんが、わたしは、この無変化の繰り返しの日常こそが一番言いたかったことなんではないか・・と思ってしまったんですね。

 日本文化は、形である。
 何があっても変わらない日常の形こそが文化である、と。


 だから、この移りゆく・・・いえ、激動の時代の中で、その中でこそ、変わらないもの、変えてはいけないものってなんだろうと思いを巡らすと、少しは日本の継承のためにお役に立てるのかもしれない・・などと考えたりしました。


 ・・・・・・・・・



 まぁ、この作品はみなさん見ていると思いますので、拙い感想で申し訳ないんですけれど。

 今って変わらないといけないことと、変えてはいけないことが入り混じっていて、難しい世の中だとは思うんですが、何があっても日常を守る、たとえ成長することをないがしろにするようであっても、同じことを繰り返していかなければいけないこともあるんだな、とほんと実感しましたよ。

 いろいろ大変ですけど、・・・・頑張りましょうね。




 では、今日も良い時間を過ごされていますよう・・
 願いを込めて。







 

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