薔薇と言うのは日本人にとっては馴染みが薄い花ではないか。絵や模様ではよく見かける。芳しい香りはある。しかし、現実的に薔薇の花を買って家に飾る、もしくは庭に植える、となると、日本総人口の中でそう多くはないように思う。意外と、マイノリティではないか、という気がするのである。ましてや誰かに贈ろうなどと・・
私の薔薇のイメージは少女漫画とダイアモンド☆ユカイだ。
子供の頃から学生時代に好んで読んだ少女漫画では、常に、美少女と美少年の背後で薔薇が舞っていた。
青春時代に好んで聞いたハードロックでは、まぁその中でもユカイ(当時レッドウォリアーズというバンドのヴォーカルだった)は異質な方であったけれど、彼は「とびっきりの一日」を象徴するアイテムとして薔薇を歌うのである。
※(2017年追記)PVがYoutobe から消えてしまったので、音源のみ。下のライブ版もおすすめです。
https://youtu.be/6t6exYci7x8
そんなどちらかといえば、日本人・・ いや私にとって日常とは乖離した薔薇は、しかし、双子葉植物綱、バラ目のバラ科という植物の分類に属しているのである。
あの日本の原風景に必ず存在し、万葉集の時代から私たちの生活の身近にあった、桜や梅や桃という花木、それから林檎(りんご)や枇杷(びわ)といった果物と同じ、双子葉植物綱、バラ目のバラ科なのであった。
ちなみに苺(いちご)も綱は違うが、バラ目のバラ科である。日本は原種薔薇が自生する国として世界的に知られていたのであった。バラ目バラ科バラ属のノイバラにテリノイバラにハマナシ(ハマナス)。西洋で品種改良に使われた原種薔薇の3種類は日本原産である。古くは奈良時代、西暦700年代の文献である「常陸風土記」や「万葉集」にも薔薇は「うばら」「うまら」として記されている。
私はそれを知った時、少女漫画やダイアモンド☆ユカイの薔薇に対する扱いを不当で理不尽なもののように感じたものであった。また日本の原種薔薇の扱いも不当で理不尽なもののように感じてくるのであった。ノイバラなんて雑草扱いだし、ハマナスは森繁久彌が「知床旅情」で歌っている。まさかあれがベルばらの薔薇と一緒だとは思い難い。
本来、薔薇はもっと身近なものではないのか。薔薇の付加価値は偏愛やコンプレックスを思い起こさせる。その分、とびっきりの一日がより情深くなるというのもわかるつもりではいる。その優しさも、美しさも、いいとは思う。しかし、バラ目バラ科バラ属が不当に遠ざけられてきたという印象が否めないのである。なぜ西洋風の薔薇園に閉じ込められて咲いているのだろう。桜や梅と同じように、薔薇が古来から日本文化に根付いたものだともっと早くから知っていたら、私は薔薇嫌いになどならなかっただろう。
たとえ最愛の人でなくても。親しみ深い誰かに、日頃の感謝の意味を込めて、ささやかなプレゼントを贈る。そんな花でいいのではないか。
長い前置きになってしまった。東京都神代植物公園に薔薇の花を見に行ったのである。
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東京都神代植物公園に到着 |
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入口前のけやき |
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正門入ってすぐ さつき展とあじさい祭りが開催中 |
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正門入ってすぐ 花菖蒲も綺麗に |
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さつき展 |
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さつき展 盆栽みたいなさつきがたくさんある |
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さつき展 豪華だった |
神代植物公園は都内唯一の植物公園である。もともとは東京の街路樹を育てるための苗圃だったが、戦後、神代緑地として公開され、昭和36年に神代植物園と名を改めた。
自慢のばら園は、約1万6千平方メートルの敷地に、現代薔薇から野生種・オールドローズなど409品種・約5200株の薔薇が栽培されている。「春のバラフェスタ」は終わったものの、その美しい世界の品種の数々は5月から6月いっぱいは楽しめるのであった。
私は薔薇の花をうまく撮れたためしがない。そもそも薔薇を好いていなかったので、愛情がわかず、うまく撮れなかったのである。(※薔薇嫌いを記した以前の記事は一番下にリンク有り)
それで、花撮影が散々だった場合のことを考えて、保険に紫陽花を付けた。(低木のどこにでも咲いている紫陽花は、私の好きな花である)神代植物公園は現在「あじさい祭り」を行っているのである。薔薇と紫陽花、両方撮れば、その中の一つくらいは満足するものが撮れるのではないか。
誰かに贈ることができるものが、一つくらいは撮れるだろう。
京王線調布駅PARCO正面入口前からバスに乗る。20分も走れば神代植物公園である。
到着してすぐに、私の気持ちは滅入るのであった。久しぶりの花撮影ということで、高揚していたはずであった。ところが、あまりにも天気が良すぎて、一眼レフカメラの背面の液晶画面がよく見えない。視力が落ちたせいもあるのだろうか。撮ったものがまるで確認できないのだった。露出があってるのか、ピントが合っているのかさえよくわからない。
おまけに購入したばかりのストロボで日中シンクロの撮影を試すが、これがうまくいかない。
以前のように僅かな露出の違いも見逃さない(という心持ち)で集中して撮ることも適わず、新しいチャレンジも適わず、さすがに歳なのか、成長どころか後退ばかりか、と自らが不甲斐なく、次第に楽しみにしていた花撮影自体に対して投げやりな心持ちになってくるのであった。
一つも、「ギフト」は撮れそうもなかった。
どうにかこの悪い流れを変えようと、望遠ズームレンズからマクロレンズに替えたときだろうか、目の前の薔薇の花園の中をひらりとアゲハ蝶が舞っていくのであった。
どきりとした。「花に蝶」というのは、写真を撮るものの中では強い「役」に属するのである。ただの花どころか名もしれぬ草や樹木だけのいわゆる「ブタの手」の写真を好む私にはなかなか巡り会えないシュチュエーションなのであった。それで、どきりとした。それだけの理由ではないのだが、目を奪われた。ひらりひらりと舞うアゲハ蝶を追うと、この神代植物園で私が一番気に入っている黄色の薔薇の根元で止まり、葉の上で休憩を始めた。
私はしゃがみ込んで薔薇の葉の隙間から覗く。アゲハ蝶は動かない。アゲハ蝶といえば、花から花へとひらひらと舞っては、なかなかその姿を撮らせてくれないのが常であるが、まるでお気に入りの場所に収まったかのように黄色のバラの葉の上でじっとしているのである。マクロレンズを向けた。残念ながら、距離が遠い。ついさっきまで付けていたズームレンズならば良かったのだろうが、蝶の姿はファインダーの中で小さくしか映らなかった。しかも花も映らない位置である。
しかし、羽を閉じて大人しく止まっていたアゲハ蝶は、レンズを向けたのを合図とするかのように、ぱっと羽を開くのであった。
蝶が羽を閉じたり開いたりすると、ニューヨークで竜巻が起きる。という「バタフライ効果」の話を以前聞いたことがある。あるひとつの小さな行動が(それ自体はまるで意味をなさない些細な行動のように思えようとも)、遠くの場所の未来の出来事に大きな影響を与える。カオス理論に基づく仮説なのだそうだ。その時は、まさか蝶の羽ばたきを見てバタフライ効果を思ったわけではなかったが、何か、こう不思議な思いに囚われた。
アゲハ蝶の羽ばたきがまるで力を振り絞るように必死なのである。のけぞるように羽を広げて、やっとギリギリまで開ききると、ふっと力尽きるように羽を閉じる。するとまた懸命に羽を広げる。それを繰り返すのであった。
ただの吸水行動だったのかもしれない。それにしても、鳥が飛び交う姿は未来への希望の象徴と映るものだが、虫の姿は儚いものだ。無常観を思う。去年の記憶と重なる。アゲハ蝶を見かけてどきりとしたのは、去年のことを思い出したからだった。
私は去年、蝶やトンボやセミという夏の昆虫を通して不思議な体験をしたのであった。それは、命の儚さをまるで教えてくれるような出来事だったり、こちらの心底哀しい想いをまるで引き受けてくれるような出会いだったり、私は彼らの小さな姿を通して、その命と引き換えに、随分多感な想いを味わい、不思議な運命に導かれているような心持ちがしたものであった。
アゲハ蝶は羽を閉じて、広げて、を繰り返す。竜巻を起こそうとあがいていたのかもしれない。もしくは、何かを教えてくれようとしていたのかもしれない。途中、力尽きたように、動かなくなる。大抵はこちらがダメ(だと思う)な構図で撮っている時である。そういう時は、(淡い暈けでもいいから)薔薇が入るように構図を変えて、ファインダーを覗き直す。さっきよりはマシな構図だと思う。すると、また懸命に、力を振り絞るように羽を広げてくれるのである。まるでこちらの出来不出来を諭すように、もしくは、心の動きと連動しているように、アゲハ蝶は止まっては羽ばたいた。
動かない隙に望遠レンズに替えた。蝶の優しい目がよく見えた。その必死の姿を見つめているうちに、次第にコツ、というか、カン、というのか、が蘇ってきたようだ。集中して写真を撮ることを思い出してきたのだった。
随分長い間撮っていたようだ。アゲハ蝶が何度目かの羽ばたきをやめて動かなくなった時、もうファインダーの中から見つめるのをやめた。
見ている(撮っている)限り、また何度でも力を振り絞って羽ばたき始めそうである。さすがに酷と思えるほど、アゲハ蝶の動きは痛々しくなっていた。ふと、背中を向けた瞬間、蝶が薔薇の花の根元にひらりと落ちていく夢想が浮かんだ。ばら園を一周し終わったら、最後にこの黄色いバラの根元を見に来なくてはならない。
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桜林の中を進んでいく |
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ビョウヤナギが満開 公園内のあちらこちらに咲いている |
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ばら園に到着 神殿風の休憩所有り |
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ピンと来ないバラ撮影 液晶画面もよく見えない |
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ジャニナ(ドイツ) |
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ベビーバッカラ(フランス) |
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ゴールドマリー84(ドイツ) この根元にアゲハが止まった |
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右中央のやや上にいるのがアゲハ |
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ブルー・バユー (ドイツ) |
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コーラス(フランス) |
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フリージア(ドイツ) |
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フィデリオ(フランス) |
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ブルーリバー(ドイツ) |
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マリア・カラス(フランス) |
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黄金(日本) |
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かがやき(日本) |
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チャールストン(フランス) |
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イザベル・デ・オルテッツ(ドイツ) |
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ファースト・F・ルネッサンス(アメリカ) |
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ダブル・ディライト(アメリカ)
※香りコーナーにあった とてもいい香りがする |
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ばら園の噴水 |
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疲れたので芝生に寝転んで休憩 |
アゲハ蝶との出会いのあと、ばら園の半分を回って意欲的に撮り続け、ふと空腹を覚えて芝生に寝転んだ。エネルギーが切れたようだ。植物公園の南側の深大寺門から外に出て、深大寺そばを食べに行くことにした。
ちなみに入園時の半券の裏にスタンプを押してもらうと再入場ができる。
深大寺門のすぐ前にそば屋が並んでいるので、こちらから出て、そばを食べ、ついでに深大寺をお参りしていくことにした。
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深大寺門 右手の青の服の職員の女性にスタンプを押してもらう |
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深大寺門を出てすぐのそば屋街 |
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こちらの玉乃屋さんで十割そばをいただく |
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メニュー 一番人気は二八そばの天ざる 1300円なり |
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十割(つなぎなしのそば粉のみ)手打ちそばの太打ち田舎 950円なり |
玉乃屋さんのキャッチコピーは「林の中のそばや」だそうだ。店先にはテーブルが並び、家族連れや外国人の団体客が陣取っている。相席で、夫婦客のすぐ隣の席に着いた。すぐに学生アルバイトらしき若い女の従業員がキンキンに冷えたおひやをもって来てくれる。(ちなみに美味しかったのでおかわりしたら、次に出てきたときはぬるい水道水みたいな水だった)この学生アルバイト風の若い女性がやたらと目立つ。(年配や男性の従業員の他に)5人ほどだろうか、一様に外の席と中の席が見渡せる店の中央に立っている。客の様子を伺うようにきょろきょろしては、水やそばを運んだり注文を取ったり。恐らく休日の稼ぎ時なのだろう、たどたどしい様子で、聞きに来るのである。
「注文は決まりましたか」
「お会計はお蕎麦を運んできた時にお支払いとなります」
おすすめのおそばを聞いてみる。どれがおすすめですか。手打ち外二そば(二八のそば)ってなんですか。若い彼女は慇懃無礼的な真面目な笑みで、天そばが一番人気であること、(私が渋ったので)それならば十割そばもいい、ということを告げるのだ。十割そば、それいいですね。では、十割そばで。ところで、この十割そばの太打ち田舎ってなんですか。はぁ、麺が太いんです。慇懃無礼を通り越して、同情するように微笑むのだった。
少女が去ると、私は軒先の林の中のそば屋の客をぐるり見回している。なるほど、一番人気の天そばを食べている方が多いようだ。ふと家族連れが座っていた手前のテーブルの足元、地面に不思議な模様の白い蝶が(アゲハではない、地味な蛾のような蝶である)よろめいているのを見つけたのだった。
飛び立とうとして数センチ浮いては落ちる。白い蝶はもう飛ぶ力がないようだ。羽をだらりと広げたまま、地面の上でおとなしく動かなくなった。学生アルバイト風の少女たちがテーブルの横をせわしなく動き回るたびに、私は目をつぶった。何度か際どいところを目にした。今にも踏まれそうであるのに、それでもうまい具合に僅かに逸れて蝶は命をつなぐのである。また飛び立とうとする。羽をはためかして、浮いて、落ちる。
よほど拾い上げて、人の通らない木々の根元へ連れて行こうかと思ったが、この満員の店内ではさすがに勇気が出なかった。誰も蝶のことなど気がついていない。私の行動によって彼らは初めて蝶がいたことを知るだろう。さぞや目立って稀有な存在と映るだろう。
悩んでいるうちに、蝶は不意に飛び上がった。死ぬのは嫌だと思ったのか、最後の力を振り絞るように、50センチほど浮き上がり、私は小躍りせんばかりに喜んだ。そうだ、行け。自力でここから逃げるんだ。頑張れ。しかし、次の瞬間、また蝶は地面に落ちた。
家族連れ客の小さな子供(3歳くらいか)が蝶の真横で遊び始めた。私は蝶が踏まれて死ぬ運命であることを受け入れざるを得なかった。蝶の20センチ横に幼児の足がある。無邪気に父親と母親に話しかけて、動き回っている。
いつしか蝶と自分とを重ね合わせていたのである。もしくは、先程導いてくれたあのアゲハ蝶と。だからだろうか、たかが蝶のことだというのに私は気が気でない。深大寺そばどころではなくなっている。自力で飛び立つ力さえないならば、踏まれようと踏まれなかろうと、直に死ぬばかりだ。何を心を痛める必要があるというのか。
痙攣するような小刻みな羽ばたきが止まった。もう動かなかった。十割の田舎そばが運ばれてくる。私は蛾のことを考えるのをやめて、そばを食べ始めた。
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おそばを食べたあとは深大寺へ参拝 不動の滝 |
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深大寺山門 |
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おみくじが人気 だるまみくじを団体が引いていた |
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本堂 |
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元三太師堂 |
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良くなりたい部分を触ると効果あり |
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案内図 |
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大杉 |
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有平糖
飴のようだがサクサク噛める砂糖菓子 |
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有平糖 お土産に人気 |
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せんべいも焼きたてを販売している
外国人(中国人)が食べていた |
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ゲゲゲの女房で使われた赤駒 |
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ちまきや団子、そばパンが美味しそう |
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そば団子を食べた。ごま味とみたらしがあり。美味しい。
(iPhoneのシャッターがなかなか片手で切れずピントがずれた) |
玉乃屋さんの角を曲がって坂を下り、深大寺の山門までたどり着く。神代植物公園の再入場は4時までだ。お参りを済ませて、いつものように周辺を散策したく思ったが、まだ満足のいく薔薇の花も撮れていなければ紫陽花も撮っていない。そうそうのんびりしてはいられなかった。
この深大寺界隈は賑わっていて、深大寺そばの店に団子屋、土産屋も多く、休日にふらりと散策するには楽しいロケーションである。
深大寺の公式サイトによると、「蔵野の面影を残す深大寺周辺は、昭和36年に開園した隣接の都立神代植物公園とあわせて都人好個の散策地、憩いの場所として有名」だとのこと、漫画家水木しげるさんにゆかりのある場所も多いので足を伸ばしてみると面白いだろう。
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深大寺地域観光マップ
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深大寺のおすすめ散策コースを巡る
で、ふと思うわけだが、水木しげるさんは薔薇の花など死んでも描かないのだろうな。また、ゲゲゲの女房は、薔薇の花などなくても、あなたといるだけで幸せだ、とでも言うのだろう。彼らは、付加価値などいらなかった。
ドラマを見なかったので、違っているかもしれない。それでも、水木しげるという漫画家のことは少しは知っているつもりなのだ。
私は神代植物公園に戻っていく。腹は満たされた。緑の深大寺界隈を散策して、クールダウンした。しかしまだ疲れが芯に残っている。広大なばら園で、また陽に晒されることを思うと、気持ちが萎えそうだった。深大寺門でチケットを見せ、すぐ隣の喫煙スペースで煙草を吸った。腹式呼吸で、瞑想するように吸った。それでも期待するほど回復しない。仕方なく立ち上がり、渇いた体を抱えて、森をくぐる。ばら園へと戻ってきた。
ゴールドマリー84の根元に、アゲハ蝶の姿は、なかった。
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ゴールドマリー84(ドイツ) |
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プチッツ・フォリー(フランス) |
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フリージア(ドイツ) |
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ヒート・ウェイブ(アメリカ) |
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フィデリオ(フランス) |
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モンタナ(ドイツ) |
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モナ・リザ(ドイツ) |
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テキーラ(フランス) |
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ファルツァー・ゴールド(ドイツ) |
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ゴールデン・メダリオン(ドイツ) |
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コロラマ(フランス) |
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バニラ・パフューム(アメリカ) |
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つる フラウ カール ドラウスチェキ(イギリス) |
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つるチャールストン(イギリス) |
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ノックアウト(フランス) |
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パスカリ(ベルギー) |
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ゴールドクローネ(ドイツ) |
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チャイコフスキー(フランス) |
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1984 国際バラ新品種コンクール入賞花 |
一つの薔薇の品種を撮り終わると、その薔薇の名前が書かれたプレートを必ず撮った。ギフトには、名前が必要だと思ったのである。
なんだかわからないものを贈る人はいない。ついにばら園を一周し、最後にしようと決めた薔薇を撮り終えた時、その名前が「1984」だということを知った。私はプレートを覗き込んで、妙な心持ちがしたものである。それは、有名な小説と同じ名前だった。書き続けることによって、かろうじて生きる、囚われの男が主人公の。
願わくば、すべての中の一つでも、ギフトとなるものが撮れればいい。
誰かに届いて、遠いどこかの未来で、竜巻が起こればいい。
玉乃屋では子供と少女が通り過ぎる。白い蝶は羽を広げたままもう動かない。何度目かの命拾いのあと、僅かにその羽を動かした。まだ生きているのだった。
私は立ち上がった。手を伸ばし、逃げようとする蝶を追いかけて両手の中に包み込んだ。樹木の根元にそっと放した。
ばら園ではアゲハ蝶が舞う。
引きずるような体で、心だけを引き締めて、いざ決戦の面持ちでファインダーを覗くと、遥か頭上を飛んでいくのだ。
願わくば、誰かの贈りものとなりますように。そう願う私に号令をかけるかのように、美しい羽ばたきで、ばら園の青空を右から左へと横切って、彼方へと消えていった。
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睡蓮 |
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マイコアジサイ |
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白富士 |
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アナベル |
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城ヶ崎 |
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花火アジサイ(墨田の花火) |
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黒姫アジサイ |
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ウズアジサイ |
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クレナイ |
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紅冠雪 |
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なでしこガクアジサイ |
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城ヶ崎 |
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蜜柑葉アジサイ |
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黄金葉アジサイ |
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スノー・フレーク(カシワバアジサイ) |
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スノー・クィーン(カシワバアジサイ) |
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おまけ
神代植物公園のバラアイス 260円なり |