無形のおもてなしに包まれて〜熱海さくらや旅館のひととき〜
こんにちは。ららです。
熱海の温泉に行ってきました。
私は日本の温泉旅館文化が大好きです。
温泉は自然と調和した場所にあり、1300年の湯治場としての歴史をもち、日本ならではの「おもてなしの心」を体験できます。
ただ一心に、無形のサービスを尽くすという、優雅な文化。
それはホテルとはまた少し違った、「在り方の意義」を感じさせてくれます。
そんなわけで、今年も熱海の温泉旅館に出かけてきました。
一年に一度、自分へのご褒美です。
今回訪れたのは、熱海で創業76年の老舗旅館、「熱海さくらや旅館」さん。
去年も訪れて、そのおもてなしの精神に深く感動したため、今年はリピートさせていただきました。
お昼頃、熱海駅に到着し、まずは観光へ。
伊豆山神社と熱海城を巡りました。
熱海城では、360度の広がる海の景色が本当に素敵でした!
縁結びの神社としても知られています。
少し休憩したあとは、大浴場へ。
そして、お楽しみの夕食。
2021年には伊豆山地区で大規模な土砂災害が発生し、一時は訪れることが困難になりました。
今回、タクシーで境内までスムーズに辿り着けたことが、まるで奇跡のように感じられ、
無事に復興をしたことに胸が熱くなりました。
そして、心のこもった無形文化財のようなおもてなしを受けられるさくらやさんへ。
15時過ぎに旅館に到着しました。
今回泊まったのは「金沢」というお部屋。
武家屋敷風の名前がついていて、
その響きに、能登半島地震で大きな被害を受けた石川県のことがふと心をよぎりました。
伊豆山神社と金沢のお部屋という流れの中で、自然とさまざまな思いが巡り、
被害に遭われた方々の無事を祈りました。
※上の写真は公式サイトよりお借りしました。
こうした心遣いも温泉旅館の魅力。
お部屋の担当の方がにこやかに運んでくださって、細やかな気配りに感動します。
温泉には食事の前後、2回ゆっくりと浸かりました。
体の芯から温まり、血の巡りも良くなって、心も体もとろけるような癒しに包まれます。
やっぱり温泉は、最高です。
お品書きは去年より少し小さく簡素になり、アメニティも減っていたので、
「このご時世、やはり経費削減なのかも・・」
と少しだけ心配に。
それでも、料理はやはり絶品でした。
きっと食材も高騰している中で、
この芸術的なお料理を作って、そして、最後にこの繊細な食器をまた全部洗って・・・ という手間を考えると、気が遠くなるような思いがします。
これもおもてなしの一つなんだなぁと感じ入ります。
この繊細な食器に盛り付けて、丁寧に説明しながら運んでくださる仲居さんの笑顔もまた、おもてなしの一部。
「芸が細かい」という言葉では収まりきらないほどの、豊かなお料理体験でした。
無形のおもてなしに、心から感謝します。
翌朝は、朝日こそ見損ねてしまいましたが、夜明けの海を部屋から眺めることができました。
76年もの間、この旅館が在り続けてくれたことに、
ただただ感謝の気持ちが込み上げてきます。
日本の温泉文化を守ってくれて、ありがとう。
昨今では、韓国系の大型ホテルの進出などで、古き良き旅館が減っていく中、
私が高校生の時にバイトした温泉旅館も、とうに姿を消してしまいました。
本物だけが生き残れる時代なのかもしれません。
朝食もまた、繊細で美しいお料理の数々をいただきました。
一緒に来ていた姉が体調を崩してしまい、食べられなかったのが残念でなりません。
代わりに私がその分もいただきました。
ご馳走の美味しさを共有できなかったのは寂しいけれど、
また来年、もしくは再来年にでも、ぜひ再訪したいと思います。
「頑張った自分へのご褒美」を贈れるように、
また日々を大切に、生きていきたいです。
素晴らしい老舗旅館、「熱海さくらや旅館」さん。
そのお料理の素晴らしさは、もはや言葉では表現しきれません。
もし機会があれば、ぜひ体験してみてください。
今日も姿が見えなくなるまで、見送ってくださいました。
最後の最後まで、心のこもったおもてなしを、本当にありがとうございました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
今日という一日が、あなたにとって素晴らしい日となりますように。
願いを込めて。