「日本のいちばん長い夏」を観て思ったこと。

 

 こんにちは! ららです。

 終戦記念日、ということで、「日本で一番長い夏」という映画を見ました。




 日本のいちばん長い夏


 監督:倉内均

 出演:木場勝己、池内万作、鳥越俊太郎、島田雅彦、田原総一郎他


 【あらすじ】

 「佐賀のがばいばあちゃん」の倉内均監督が、1度も戦争の体験を語ることなくこの世を去った父への思いから、1963年に行われた歴史的座談会「日本のいちばん長い日」を再現する文士劇。ポツダム宣言に対する日本政府の対応、原爆の投下、ソ連の参戦、終戦へ至る経緯などについて、現代日本を代表するジャーナリストや文学者が熱い議論を交わす。(映画.comより)

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 ・複雑に構成された「文士劇」

 この映画は、1945年(昭和20年)の夏ーー まさに日本の一番長い夏を描いた作品でした。

 作家やジャーナリストたちが、終戦時の政府関係者たちの座談会(戦後18年後に行われた)を演じつつ、本物の終戦時の関係者の方々の証言や、演じる文士たちの素の意見も交錯して描かれます。

 つまり、三重の構造になった、非常に複雑で濃厚な作品です。

 様々な視点から「終戦」を問い直す重みのある時間でした。


 ・印象に残ったエピソード

 最初に出てくるのは、原爆投下の是非についての話でした。

 実は、ポツダム宣言の受諾に関わらず、原爆は最初から落とされることが決まっていたのだそうです。

 日付の記録からも、それは明らかだと語られていました。

 アメリカは、後に汚点になるこの行為を正当化するために、

 「本土決戦になるよりは被害が少ない」といった理由を後付けしたといいます。

 しかし、そうした理屈は、すべて言い訳に過ぎない、という言葉が深く刺さりました。

 私は、「原爆は日本が戦争を続けたから」とする理論に長年もやもやしていました。

 でもこの映画を見て「アメリカの汚点を隠すためだった」という視点に、強く納得したのです。

 過ちを認めるほうが、ずっと誠実ではないかーーそう思いました。


 また、ポツダム宣言の受諾をめぐって、政府内が真っ二つに割れた時。

 最終的には、天皇の御聖断が下された。

 「これ以上の犠牲が出れば、日本民族の再起も難しくなる。早く受け入れるべきだ」(大意)

 この発言を聞いた時、私は思いました。

 天皇陛下のご判断で、分裂した日本はひとつにまとまり、民族としての存続が第一の使命となったこと。

 その強さと、責任感に、圧倒される思いがありました。

 開戦時はおとなしい印象だった陛下が、終戦では迷いなく舵を取った姿に、深い感動を覚えました。


 さらに、戦犯として巣鴨プリズン収容されたある軍人の話。

 彼は出所後、自宅に独房と同じ3畳を造らせ、死ぬまでそこで暮らしたそうです。

 自戒のためだったのでしょう。簡単に真似できることではないと感じました。


 また、沖縄戦では、ある日本兵たちが身を潜めていた壕から、看護婦の女性が米兵に囲まれた瞬間に飛び出し、日本刀で戦い、拳銃で次々と撃たれていく場面も。

 その姿には、惨めさ、切なさ、悲しさ、複雑な感情が入り混じって、胸が締め付けられました。


 ・個人的な考察

 先日、紀伊國屋書店で、子供向けに戦争を伝える教育書が売られていました。

 そこには、はっきりとこう書かれていたのです。

 「日本は侵略戦争を行なった」

 地図には、日本が支配しようとした地域が広く囲まれており、

 特に大国の中国や東南アジア諸国の広範囲に及んでいることが視覚的に示されていました。

 そう書かれても仕方がない部分はあるのかもしれない。

 しかし、あの本を読んだとき、私は少なからずショックを受けました。

 当時の日本には、白人の支配を打破し、アジア人による理想の国を作ろうとする信念があったはずです。

 けれど結果的には、各地で強制労働や略奪など、多くの加害行為もしてしまった。

 それが事実ならばーー報われないというか、悲しい孤独感を感じずにはいられませんでした。

 「もし、アジアに日本と同じ理想を掲げる国がもうひとつあったなら・・」

 そうすれば、協力して欧米列強に向き合うこともできたのではないか。

 でも、日本は孤立していた。

 ドイツも日本を顧みず先に降伏し、

 ソ連は和平交渉を依頼していた最中に裏切り、宣戦布告をし、さらには連絡を妨害し、

 終戦後には多くの日本兵をシベリアのラーゲリに連行した。

 「味方だと思っていた国に裏切られる」

 ーーそれが、当時の日本の立場だったのだと思います。 


 ・そして今、私たちは

 ふと、現代の日本も、どこか孤立しているように感じることがあります。

 欧米の列強は、日本が味方を作らないように、揉め事の種を各地に残したという話もあるのだとか。

 領土問題や歴史認識の摩擦・・・

 まるで、今も日本に楔を打たれたままのように思えてしまうのです。

 

 どうか、過去過ちを二度と繰り返さないように。

 そして、もっと素直に仲良く、平和な国際関係が築けるようにと願っています。


 平和でありますように。



 今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 そして、終戦の日に、こうして平和について、考えられる日があることに感謝して。


 どうか今日も、心あたたまる一日となりますように。

 願いを込めて。




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