「鬼滅の刃」無限城編 第一章 〜人間であり続けるということ〜
こんにちは、ららです。
鬼滅の刃、無限城編がついに始まりました。
映画館は軒並み20回以上の上映、ポップコーンの列は30分待ち、と聞いてはいましたが、私も近場の映画館に実際に行って、その熱狂ぶりに驚かされました。
ぐるりと続く長蛇の列。ポップコーンを抱えた人々、満席の劇場・・・コロナ以来、こんなに前後両隣がぎっしり埋まった映画館に出会ったのは久しぶりで、とても新鮮でした。
鬼滅ブームなんてとっくに終わってしまったと寂しく思っていたので、日本人の鬼滅の刃好きに感動してしまいました。
こうよ、こうこなくちゃね。
ラストまで、日本のアニメ界のみならず、日本中を熱狂させて、駆け抜けてくれなくちゃ。
そして肝心の物語の方はどうだったのかというと・・・
※ここからはネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。
劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来
監督:外崎 春雄
原作:吾峠呼世晴
脚本製作:ufotable
【あらすじ】
集英社「週刊少年ジャンプ」で連載された吾峠呼世晴のコミックを原作とする大ヒットアニメ「鬼滅の刃」シリーズのクライマックスとなる、「無限城編」3部作の第1章。
鬼になってしまった妹・禰󠄀豆子を人間に戻すため、鬼狩りの組織・鬼殺隊に入った竈門炭治郎は、同期の仲間である我妻善逸や嘴平伊之助とともに数々の鬼と戦いながら成長し絆を深めていく。炭治郎たちは鬼殺隊最高位の剣士である「柱」たちと共闘し、無限列車では炎柱・煉獄杏寿郎、遊郭では音柱・宇髄天元、刀鍛冶の里では霞柱・時透無一郎や恋柱・甘露寺蜜璃とともに死闘を繰り広げた。その後、来たる鬼との決戦に備えて、柱による合同強化訓練・柱稽古に挑んでいる最中、鬼殺隊の本部である産屋敷邸に鬼舞辻󠄀無惨が姿を現す。お館様の危機に駆けつけた炭治郎や柱たちは無惨によって謎の空間へと落とされ、鬼の根城である無限城での最終決戦に身を投じていく。 (映画.comより)
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・感想は・・・ 絵が良かった!!
オープニングから絵が綺麗で驚かされました。
鬼滅といえばこうだったけれど、前より凄くなっている!
アニメの背景というよりは芸術写真のようなリアルな絵が美しい!
その美しさで何を描いているとかといえば、ずらりと並んだ鬼殺隊の子供たちのお墓なのです。そしてお館様の最後の言葉が・・・
もう開始直後からウルウルしてしまい、鬼への憎さが増していきます。
その後、戦の舞台、無限城が明らかになるのですが、この無限城の表現がまた美しい。私は原作の大ファンですが、この空間演出の映像美は漫画では到底表現できないとつい思わされました。
それほど、立体感が素晴らしく、酔いそうになる程リアルです。
また、赤く染まった無限城の空間を鎹鴉(かすがいがらす)が飛翔していくところなんて、もう美しくて、ため息が出ましたね・・。
戦闘シーンのアニメーションも良かったのですが、もう映像美のイメージ戦略で勝利している気がして、日本を代表するアニメ作品として誇らしい気持ちがいたしました。
・そしてストーリーも良かった!
そして、ストーリーがまた泣ける!
今回は、猗窩座の話がメインでしたが、敵の哀しみにスポットを当てる漫画なんて、いやいや、漫画ではなくても勧善懲悪のヒーローものの物語でこういうものはそうそうないと思います。
誰でも好きで鬼になるものなんていません。
弱い人間が、不条理な試練や哀しみに襲われて、つい闇堕ちしてしまうのです。
吾峠さんは一貫してこの人間の弱さを描いている。
今回も鬼滅ワールド全開で、不条理エピソードがたくさんあり、弱い人間はどうやって強きものと戦えというのかと切なくなるほどでした。世の中は平等じゃない、弱いものは弱い故に虐げられる。そして、努力しても真面目に生きていても、さらに不条理な試練や困難が襲いかかってくる。
それでも、絶対に、闇堕ちして、鬼になっちゃいけないんだ。
人間であることをやめてはいけないんだ。
何があっても、人間らしくあろうとすること。そういう吾峠さんの強いメッセージが、アニメにも正しく継承されていて、映像も見事なこのアニメ化にはもう大満足の私でした。
最後に猗窩座が自分が弱い存在であることを受け入れて(思い出して)、(心が)人間に戻るのですが、ここがもう涙なしには見れませんでした。
人間であることをやめた彼が、人間に戻って死んでいく。
不思議なんですが、憎い鬼の敵に、感謝の想いさえ湧いてきてしまいました。
この敵にさえ同情したり、感謝したり、人間に戻ったことを心の底から良かったと思わせる鬼滅の刃という作品はもう何なんだろうかと思ってしまいます。
このような物語はかつてなかったのではないかとさえ・・・
生きていく上で、弱い人間である私は、これからも不条理な苦しみや試練がたくさん襲ってくることでしょう。
それでも、絶対鬼になっちゃいけない。
闇堕ちしてはいけない。
人間であることをやめないで生きていくこと。
そして、私を叩きのめした敵の背景に、少しでも、思いを寄せること。
そんなことを、鬼滅の刃を見て、意識して生きていかなくてはいけないような気がしてしまいました。
ちょっと勢いで書いてしまいましたが、心のままに残したかったので、そのままアップします。
誰かを憎む前に、その人にも闇と喪失があったかもしれないと想像してみる。
それが、鬼にならないための最初の呼吸かもしれませんね。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
どうか心あたたまる夜となりますように。
願いを込めて。