もし自分がガン宣告されたら?「グッバイ、リチャード」。

 

 こんばんはー

 前から言っていますが、最近体の調子が本当に悪い。今日病院に行ったら、火曜日に緊急検査することになりました。

 う〜ん、本当にガンか何かだったらどうしよう、と思わず不安になる矢先、アマゾンプライムビデオで、ガンで死を迎えるジョニーデップの映画を見つけたので、つい見てしまいました。

 今日はその映画、さよなら、リチャードの感想です!そして、ブログの更新がここでパタリと終わったら、作者がガンか何かで死んだと思ってくださいませ。

 なぁんて、また何事もなかったように書いているとは思いますが、「死を身近な友とするんだ!」(映画のセリフ)ということなので、念のため。

 (失礼しました)



 「グッバイ、リチャード」

  ウェイン・ロバーツ監督。ジョニー・デップ、ローズマリー・デウィット、ダニー・ヒューストン出演。


 【あらすじ】(アマゾンプライムビエオより引用)

 「余命180日です」。大学教授・リチャードに告げられた突然のがん宣告。博学でエレガント、真面目な夫として美しい妻と素直な娘との何不自由ない暮らしを送っていたはずのリチャードの人生は一変。追い討ちを掛けるかのように妻に上司との不倫を告白された彼の日々は予期せぬ展開を迎える。死を前に怖いものなしになったリチャードは残りの人生を自分のために謳歌しようと決心。あけすけにものを言い、授業中に酒やマリファナを楽しむ。ルールや立場に縛られない新しい生き方はリチャードにこれまでにない喜びを与え、人の目を気にも留めない彼の破天荒な言動は次第に周囲にも影響を与えてゆく。しかし、リチャードの“終わりの日”は着実に近づいていて…。

 



 まさかまさかこんなに早く、自分に死が訪れるとは思ってもいなかったリチャード、今まで慎ましくそつなく平凡平和に生きて来たというのに、ガン宣告をされて人生が一変。今まで、人生を無駄にしていたことを悟り、これからの半年は、自分のために、自分に正直に、自分の思うがままに生きていこうと決心します。 

 彼は大学教授なんでね、やる気のない生徒や、嫌いな生徒に教えることも時間の無駄と切り捨てて、本当に学びたいもの、教えたいものだけに講義をすることにします。

 この辺りの、残りの人生を悔いなく生きようと180度方向転換する様子が小気味いいというか、感心してしまいましたね〜 頭のいい人は切り替えが早い。
 ガンだと知ってひとしきり悔しがったら、すぐに次の人生設計を考えている。




 で、次の一手として、ガンであることを家族に言おうと思ったら、娘がレズビアンであることをカミングアウト、おまけに妻が不倫していることをカミングアウト。
 なので、ついつい家族に言えなくなっちゃうんですよね。親友だけにそっと打ち明けます。

 この辺りも面白いですね、ガンで死ぬ人を描いた作品なのに、ちょいちょいコメディなんです。物語は5つ程のパートに分かれていて、予期せぬ死期が近づいた人のフェーズというか各段階をそれぞれわかりやすく描いているんですが、どの局面もその潔さに感心する反面、重くなりすぎず、コメディの要素にかな〜り救われています。
 ジョニーデップがうまいですよね。真面目かつ深刻な顔して、笑かしてくれるというんですか。存在そのものが重鎮なギャグのように思えてくる。




 リチャードは形式的な講義もやめてしまいます。生徒と心や魂で触れ合えるような本当の「人生の授業」を始めるんですね。
 だからと言ってバーに連れて行ったり、授業中にマリファナを吸うのを許したりするのはどうかと思いますが、それでもこんな教授がいたらいいなぁ、とやっぱり思ってしまいます。
 きっと生徒たち、一生忘れないでしょうね、こんな先生のこと。




 リチャードは治療を受けるのもやめたものだから、病気の痛みを和らげるために、薬とお酒の力を最大限活用します。もう映画中でとにかく飲んでるの。またかよ、と思う程、飲んでるシーンばっかりです、笑 いやぁ、お酒を飲める人っていいですよね、これ飲めない人はどうやってガンと戦うんだろう、とふと疑問に思ったほど(私は下戸です)・・




 最後の授業の際に、リチャードが生徒たちに言うんです。
 ふるい落としてふるい落としてそれでも彼の講義を受けたいと望んだ学生たちは、とても凡庸ではない、間違いなくこれから滅びゆく種類の、それでいて社会にとって必要な逸材であると。
 こんな感じで・・

 
 世界には君たちのような人間が必要だ。
 君らが住むような世界は消えかけてる。
 その責任を背負って行動しろ。
 一人で闘うことになるだろうが、強く生きるんだ。
 お願いだから、凡庸さに屈するな。
 (中略しています)

 このリチャードから生徒たちへの言葉が一番ググッときましたね。
 自分が変わっている、この世界にどこか馴染めず、違和感を感じている方がいたら、このリチャードの授業にかなり魂が震えるのではないかと思います。
 この映画の一番の見所ではないかと思うので、是非ここを見ていただきたいと思いました。

 


 最後に妻と娘に死を打ち明けるところも感動的ではあるんですが、もうそのフェーズになると笑えなくなってきて、最後にワンコと一緒に旅に出るあたりで抑えようのない激しい哀しさが襲ってきます。


 
 なんでワンコを連れて行くかなぁ。死の旅路ですよ。途中で死んじゃったらワンコどうするんだろう、なんて思いましたけどね。でも、そこがまた泣けるんですね。

 だって、娘と妻のために、彼女たちを置いて死のドライブに出るというのに、まだワンコの温もりは必要なんですよ。なんて人間って哀しい弱い生き物なんだろう、ってね。




 ラストに、リチャードが笑いながら道無き道を行くところはちょっとだけ希望を感じさせてくれましたが、それでもつらいよね〜

 やっぱり死は恐ろしいものだなぁ、とふと思いました。

 もういつ死んでもいいかな、と思っていましたが、まだまだ死に直面するには、深い深淵を覗かなくてはいけないようです。

 いつか必ず来るであろう死について、考えてみたい方は、見てみるのもいいのではないでしょうか。死を身近に感じることで、人生を無駄なく生きることができる、という教えの通りに、必ず、何かしら思うところがあると思うので、是非お勧めしたい一作です。


 というわけでまとめです!

 ジョニーデップが久々に「普通の人間」を演じた映画を見たら、やっぱりジョニーらしい「かぶりものの怪物」感が出ていたので面白かった!
 やはりジョニーデップが演じると、凡人なるガン患者も並々ならぬキャラクターに見えてしまう。演技派俳優の真髄を堪能させいただいた。
 コメディ的な要素も、オムニバス的な展開も面白かったので、GWに見てみるのもいいのではないかと思う。人生において一番大切なことは・・・ということも書いてくれているので、その辺りも見ていただきたいと思う。

 ではでは、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。

 素敵な時間を過ごされますよう。
 願いを込めて。




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