晩年をどう生きるのか? ライフイズプライスレスの「運び屋」。

 

 こんにちはー

 晩年をどう生きるのか? って今からすごく興味があります。ありません? 晩年ってなんか自分の人生の集大成ですよね。今までどう生きてきたのか? 何に重きを置いてきたのか? それは正しかったのか? その答えが全て晩年の生活に出てくるような気がします。

 定年した後の話ですよ。老後から死ぬ直前まで、私が何をしてどう思いながら、周りからどう思われながら生きていくのか? どう生きてるでしょうねぇ・・

 まぁ、家庭を持っていない時点で大したアレではないでしょうがね。期待するほどの生き方はしていないんでしょうけど。それでも、後悔しない人生だといいな、と思ったりはします。正しい人でありたいな、とかね。

 今日見たおうちmovieは、そんな自分の人生のツケが晩年にどどん、とやってきたおじいちゃん(名優名監督クリント・イーストウッドです!)のお話。

 いやー なんでも買えるけど、時間だけは買えなかったという最後の言葉がハートに突き刺さりました。

 後悔しない時間の使い方していきたいですねぇ、今からね。




 「運び屋」

 クリント・イーストウッド監督。クリント・イーストウッド、ブラッドリー・クーパー、ローレンス・フィッシュバーン、アンディ・ガルシア、アリソン・イーストウッド出演。

 【あらすじ】
 退役軍人のアールは仕事一筋。家族と過ごす時間を全て犠牲にして(ないがしろにして)、百合を育てる仕事と外の世界で認められる生き方に力を注いできた。が、インターネットの普及の時勢により、農場は閉鎖。一文無しとなり追い出される。アールが戻れる家族の居場所はすでになかった。そんな時、車を運転するだけでいいと運び屋の仕事を依頼される。長年、無事故無違反のアールはそれなら自分もできそうだと引き受ける。肝の据わった自由人の適職のようなその仕事、彼が運ぶのはマフィアの麻薬だった・・




 なんですかねぇ。テーマとして、家庭が一番大事だ、って言いたいようなんですが、これ嘘ですね。アールの生き様がこの運び屋の仕事に現れているんですよ。90歳のおじいちゃんなのに、怖いもの知らずでのんきに麻薬を運んでですね、その運んだ量がついに新記録を打ち叩くという・・マフィアもびっくりの剛腕ぶりです。麻薬取締局には大物として要注意人物にされちゃうくらいなんです。
 自由人としていきてこなかったらできますか? という、アールが機転を利かせて危機を回避するシーンがいくつも描かれます。
 




 警察犬に痛め止めの薬を嗅がせたり、呼び止めてきた警官を煙に巻いたり、途中で予想外の行動をして待ち伏せする取締局の捜査官等をやりすごしたり・・・

 すごいなぁ、と思いましたよ。90歳の老人がこんなロングドライブをするだけで驚きなのに、麻薬を運んで、プロのマフィア顔負けの機転を利かすんですからね。
 また随所に軍人やプロフェッショナルとして生き抜いてきた才覚というんでしょうかねぇ、肝の据わったところや遊び心・・こう一本芯の通った生き様が小気味好く描かれる。

 これをヨボヨボのクリント・イーストウッドが演じるんですよ。
 彼が演じるだけで、もう言わずもがなですよね。生き様が存在に出るという。




 だからね、全然家庭を大事にしよう、というテーマじゃないんですよ。
 今までの生き様が、彼の老後の危機を救っている、しかもマフィアや捜査官や若者にも負けぬというものすごいタフさというのか、精神性が手に取るように伝わってくるわけです。どれだけ矜持を持って生きてきたのか、誰でもわかるようにね。

 たとえ家族を犠牲にした遊び人であったとしても・・
 こうした人格を手にするためならば・・ いや、こうした精神や叡智を得るために必要ならば仕方ないかなぁ、なんて思ってしまいました。




 マフィアもね、最初は生意気なアールを殺そうとしたりするんですが、誰も最後は彼の友達のようになってしまう。尊敬が生まれるわけですね。なので、殺そうとしていたのに庇ったりします。捜査官もアールに一目置いてしまう。わかるなぁ、わかるわかる。
 私だって、こんなクリント・イーストウッドを見たら、敬意しか湧きません。

 どうやって生きてきたか、って本当に大事ですよね。
 危険な運び屋を11回成功させたのも、全て彼の生き様。

 「お前は遊びすぎだ、だからこの歳になって運び屋をしてるんだ」
 とマフィアの若造にアールは言われます。
 その言葉は確かにどきっとさせれられました。
 それでもね、たとえ運び屋になっても、友達の潰れそうな店に出費したりね、孫娘の大学の費用を出したりしてね、結局は現役の時と同じ生き様で誰かのために尽くすわけです。
 そして、全力で運び屋という仕事と向き合うんです。そんな自分の人生を楽しみながらね。




 結局最後は警察に捕まってしまうんですが、刑務所の中でも百合を育てるというマイペースぶり。もうすごい。運び屋になろうが、刑務所に入ろうが、彼の人生は一歩も他人に譲りません。こんな人生いきたいなぁ、と思ってしまうような、「罪人の生き様」でした。


 この映画、クリント・イーストウッドの映画だというから見たんです。彼が監督なら絶対ハズレはないな、と思って。
 本当大正解でしたよ。こんな晩年をいきたいなぁ、と心の底から思いました。いえ、運び屋になりたいわけではありませんが、晩年にこういう霊魂を持っていたいものだ、とね。

 家庭人としては失敗してしまいましたが、最後には妻と娘とも和解をします。
 なんとアールは命のかかった最後のロングラン(運び屋)を放棄して、病床の妻の元へと駆け付けるのです。絶対マフィアに殺されるやつね、笑 そんな時になって家族を選択する。なら今までもできたじゃん、と言いたくなりますが、あれは命のかかった最後の機会だからこそできたことなんじゃないかな、とは思いますが。
 とりあえず、自らを貫いて生きて、家族の愛も最後に確認できて本当に良かった。
 なんとも後味の良いハッピーエンドでした。大団円ですよ。
 
 こんな晩年っていいですよねぇ。いや、くれぐれも運び屋がいいと言っているわけではありませんが、こういう自分になっていると本当にいいな、ということです。

 そろそろ晩年が気になる方は、是非見てみてくださいね。
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 というわけで、まとめです。
 ヨボヨボのおじいちゃんがお金に困って危険な運び屋になる映画を見たら、お金より価値のあるものをおじいちゃんがたくさん持っていたのを知って驚かされた!
 ライフイズプライスレス。時間だけは買えなかったが、それでもたくさんの財産を持って、自分の人生を肯定できる晩年は最高だと思った。
 クリント・イーストウッドの演技も最高です!
 是非是非見てみてくださいませ。


 今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。
 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。
 願いを込めて。






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