ありえないんだかありえるんだか? の新説・ノアの方舟、「ノア 約束の舟」

 

 こんにちはー

 暖かくなってきましたね。洋服もすっかり春物に入れ替えました!

 さて、今日のおうちmovieは、聖書を題材にしたスペクタクル歴史ドラマ、「ノア 約束の舟」です。

 中学生の頃だったか、無性に聖書が読みたくなった時期がありました。(内容に興味がありました!)本屋で立ち読みを繰り返した後、意を決して、お小遣いで分厚い旧約新約聖書を買って熱心に読みました。読んだことあります? まだだったら今度ぜひ読んでみてください。歴史書としても面白いんです。

 ちなみに、聖書を読んだ私が、まぁ、不思議に思ったのは、神様やアダムの血を引く登場人物たちがスーパーマンぶりに「仕事」をこなしてしまうこと。

 神様は超人クリエイターだからいいとしても、例えばノアは60m四方の方舟をたった7日で作ってしまうんですね。こういう超人的な例がいろいろ出てくるのです。

 現代とはちがう力を持った人類だったのかな? なんて思っていました。その謎が解けたのが、今日見たおうちmovie、「新説・ノアの方舟」。あ、そうかー、なるほどね、と昔の疑問が一気に解けて大納得させられてしまった作品でした。



「ノア 約束の舟」

 

 ダーレン・アロノフスキー監督。ラッセル・クロウ、レイ・ウィンストン、ジェニファー・コネリー、アンソニー・ホプキンス出演。

 【あらすじ】
 創世記、アダムとイヴの息子カインとアベルとセトの末裔のお話。カインはアベルを殺し、番人と呼ばれる堕天使に導かれながら文明を築いた。が、いつしか番人を裏切り、悪の限りをつくすようになる。セトの末裔だけが堕天使のためにカインの種族と戦うのだった。時が流れ、セトの末裔ノアは、父親をカインの末裔トバル・カインに殺される。そして成人したノアは妻と3人の息子と一緒にトバルの支配する社会から逃れて暮らしていた。そんなある日、ノアは啓示を受け、罪深き人類が(神からの罰を受けて)間も無く滅びること、罪のない動物たちを救うために方舟を作るべきことを夢に見る。しかし、ノアの方舟を乗っ取ろうと考えた因縁のトバル・カインと兵隊たちが襲ってきて・・・




 はい、ノアの方舟の話ですね。旧約聖書で有名な。
 ノアは神からの設計の指示通りに、大きな方舟を作るんですが、この映画「新説・ノアの方舟」では、方舟を作ってくれる力強い味方が現れるんです。
 それが番人(ウォッチャーズ)さんたちです。楽園を追放されたアダムを守り、神に背いた罪で堕天使にされた岩の怪物(元・光の天使)なんですけどね。
 もう、これに私的には大納得。ノアが一人で方舟を作れるはずがないし、神から楽園を追放された人類が、無事に生き残れてこれたのは何かしらの力(の支え)があったのではないかという仮説を裏打ちしてくれました。



 (写真上・ラッセルクロウ、渋いですよねー ナイスなノアでした)




 (なんとおじいさん役でアンソニーホプキンスが登場します。いいわぁ、大好きな役者さんです)



 カインの文明から粛清をくらった番人さんたち、ですが、セトの末裔に助けられ、唯一の生き残りたちが総出でノアの方舟作りに加担します。
 岩の怪物だから大きくて力もあるのです。これならあの全種類の動物のつがいを乗せたという大きな方舟も難なく作れますよね。
 聖書の(現代の感覚からすると)「ありえないわ・・・」つい思ってしまうくだりを、わかりやすい設定にしてくれた映画の新解釈に共感してしまいました。
 またこの岩の堕天使たちが健気でして、方舟は作るわ、そのあと襲ってきたカインらの兵隊と戦って、方舟は守るわ・・・ おかげで、ノアたちは無事に嵐の中出航(?)できるのです。



 (写真上、舟を乗っ取るために襲ってきた人類たちと戦う堕天使)

 人類たちは絶滅するか生き残るかの瀬戸際なので、そりゃーものすごいパワーで襲いかかってくるわけです。おかげで、番人たちは一人、また一人とやられて、天へと召されていきます。
 ノアの使命を守るために必死に、身を挺して、自らを犠牲にして戦うのです。

 いいなぁ。こんな番人。神から見放された人類が生きてこれたのは本当にこんな番人が居たからではないかと思ってしまいます。(聖書の物語的につじつまが合うだけではなくて、この世の真実ではないかと・・)




 番人(ウォッチャーズ)の存在に心奪われて、この映画が「聖書を冒涜する駄作!」と批判されていることもつい忘れてしまいました。前半はありだと思います。

 問題は後半。番人に助けられて、嵐の中を出港したノアの方舟。7日と6夜、嵐の中を彷徨います。なんとそこに、出港直前にこっそり乗り込んできたカインの王、トバルがいるんですよね。しかも、そのトバルに協力するノアの息子ハム・・・

 ありえないわ・・・ハムは聖書と違い、妻がおらず、唯一妻にしようとした娘(しかも知り合って数時間の娘です)をノアが見殺しにしたからと言って、父親を恨んでいるんですね。ありえないわ・・ 聖書よりありえない展開になってきましたが、まぁ、まぁ、物語的にはドキドキハラハラの面白い展開ではありましたけれど・・・なんせノアの方舟に敵のカインの王が乗り込んでいるんですよ。こんな斬新な新説ありますか。

 あと聖書と違うのは、ノアは人類は生き残るべきものではなくて、自分の使命を動物を助けるためのものだと思い込んでいる。だから、映画の設定上も、長男セムの嫁は子が産めない体であり、次男ハムには彼女すらおらず、三男ヤフェトはまだ子供という・・いやいや、新説すぎるじゃないですか。方舟って、正しい人類(と動物)だけを救う話じゃなかったの。



 という感じで、後半はもう驚かされっぱなしだったんですが、ラストの締めがとても良かった。なぜ、人類が生き残ることを許されたのか、ノアの意思に反して、動物たちとともに生きていくことを神から認められたのかという答えが、ノアの奥さんの言葉を通して知らされます。ちょっと感動ものでした。人の慈悲というのは素晴らしいですね。

 と、あまり書くとまたネタバレになってしまうので、興味のある方、良かったら見てみてくださいませ。

 聖書との違いに納得したり、驚かされたり、映像的なスペクタクルも迫力満点ですし、楽しい映画ですよ。


 というわけでまとめです。

 聖書を題材にした「ノア、約束の舟」を見たら、やけに斬新で面白かった! こんな聖書の解釈あるの?? と驚かされる一面、これならば聖書のいうことも納得できるというエピソードもあり、特に堕天使の存在は感動すらしてしまった!

 ラッセルクロウに、ジェニファーコネリー、アンソニーホプキンスらの役者陣も最高です。

 お時間ある方是非お試しくださいませ。



 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。




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