陽だまりの中のセンシティブ。亡き三浦春馬さん主演の「東京公園」。


 こんばんはー。

 私は土日がお休みなので、明日からまた一週間の仕事が始まる身です。なので、日曜の夜はちょっとセンチメンタルなんですよね。(鬱ともいう)あー、また明日から仕事かぁ、みたいな。土日休めるだけ幸せ者だと思ってはみるんですが。

 そんな時、月曜日の朝に人身事故なんかあるともっと鬱になるんですね。

 まぁ、人生いろいろありますよね。突然死んでしまった三浦春馬さんなんかも、かなり驚かされましたが、彼の死のような、まじかよ的な映画が今日のおうちmovie、「東京公園」です。 


 「東京公園」

 青山真治監督。三浦春馬、榮倉奈々、小西真奈美、染谷将太、井川遥出演。


 【あらすじ】

 東京とは? それは巨大な公園のような場所ですー 写真家志望の志田光司はいつも公園で写真を撮っている。ある日、美しい子連れの女性と出会った日、歯科医の初島という男から、その女性を尾行して写真を撮って欲しいと依頼される。彼女の行く場所はいつも公園であり、その場所は当日知らせるという。報酬につられて引き受けた志田だが、謎の女性の写真を撮ることが、彼の周りの女性たち(亡き母、義妹、友人)のことを見つめ直す機会となり・・・




 ずいぶん前に見たのですが、感想を書けずにいました。特にこれといった大きな事件のない物語なのですが、設定はぶっ飛んでいます。
 まず主人公(写真家志望)は、幽霊と暮らしている。幽霊は、友人(女)の元カレで、友人は彼を忘れられずにゾンビ映画にハマっている。(しかし友人には幽霊が見えない)
 そして、友人は主人公に愛の啓示をする存在である。いささか鈍感な主人公に、義姉の彼に対する深い恋心を教え諭す。
 一方、主人公は謎の女性(子連れの人妻)に惹かれていく。彼女は毎回違う東京の公園を訪れては、彼を振り回すように、悠然と散歩を楽しんでいる。

 ラストに、彼女がなぜ東京中の公園をぐるぐる歩くのかが、観客に知らせれます。それと、鈍いと思っていた主人公の子供の頃からの恋心も知らされます。(これが意外)

 主人公と義姉が相思相愛だと分かった時点で、恋が終わるという、なんとも儚い(切ない?)結末になっています。


 小西真奈美さんが、義姉の役で、どうもても大人の女性、三浦春馬さんを恋するようには見えないのですが、深く愛しているという設定。

 終盤に無言の演技があり、カメラのレンズを通して、(心を)裸にされた義姉の小西さんが艶っぽく弟に迫ります。そして、二人は初めて、男と女として、向き合います。




 なんかほんとぶっ飛んでいる映画でしたね。すごく退屈そうに、静かな時間が流れていくのですが、なんでもないように見せて、「まじかよ・・・」の連続というのか。

 こういうこと世間でもあるなぁ。すごく当たり前の日常なのに、内心ギョッとさせられるということが。(しかもギョッとしていることは誰にも言えないのね・・)



 あと、榮倉奈々の元カレの幽霊、染谷くんですが、この人小さいのねー そのせいか、座敷童子に見えて仕方がないです。人形のような可愛い幽霊さん。

 その幸福の置物みたいな彼が、最後に「けじめをつけなきゃ」と言って、消えてしまうんです。榮倉奈々の哀傷を受け入れて、天国へ旅立つんですね。

 この旅立ちも切なかったですね。ずっと座敷童子的な幽霊として、と三浦春馬のそばにいてあげて欲しかった。榮倉奈々のそばにもね、でも旅立つことが彼の愛なんだうなぁ、と。


 それから、三浦春馬さんの撮る写真が本当に、うまかったなぁ。プロの方が撮っていたんだろうけれど。写真家志望だけあって、いい絵をとるなぁ、と。

 三浦春馬さんの東京の公園のような存在感もとても良かったです。癒されますね。ああ、本当に惜しい役者さんを亡くしてしまったものだと思います。残念でたまりませんね。このブログで、何度も言っているのですが・・・ 年を取った三浦さんの姿も見たかったです。

 三浦春馬さんのご冥福を心より御祈り申し上げます。


 公園の陽だまりにでも喩えられるような、本当に、穏やかな時間の流れる映画でしたが、しかし本当に、ぶっ飛んだ映画でした。際立った事件は起きないのに、心はすごく波うたれるというのか。繊細な方ほど感じやすいかもしれません。よかったら見てみて、まじかよ、度をチェックしてみていただくと面白いかと思います。


 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。

 




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