コーヒーから地球の愛に目覚める「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」


 こんばんはー

 最近、職場のコーヒーメーカーのコーヒーがまずいんですよね。そう、職場でタダでコーヒーを飲めるんですけど、それ自体はありがたい話なんですが、それがすこぶるまずくて、コーヒーだかなんだかわからない酷い味なんです。

 特に最近ですよ、安い豆に変えたみたいで、一口飲んで、ぎょっとして、我慢して飲んで、やっぱり辟易して、それを3回くらい繰り返してから、我慢の限界となり、失礼ながらあとは捨ててしまいます。

 まずいコーヒーというのが、微妙にストレスがたまるんですね。仕事中に、癒される隙間がなく、イラっとするのを繰り返している。なので、ドリップパックタイプのコーヒーを買ってきて、最近ではそれを飲むようにしています。

 コーヒーにイラっとすることから始まったのか、最近仕事が嫌で仕方ありません。早く定年退職したくて仕方がない。なんでこんな因果な仕事を選んでしまったのか、自分の運命を呪いたくなります。ルーチンワークが一切なくて、毎日他人に左右される仕事をするしかない。自主的に働けない。絶えず何が起こるかわからない。状況に合わせて対応するのみの仕事です。年を取るとこれが疲れるんだなぁ・・

 そんなわけで、コーヒーと仕事に嫌気がさしているときに見たのが今日のおうちmovie、「セバスチャン・サルガド地球へのラブレター」です。



 「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」

 ヴィム・ヴェンダース、ジュリアーノ・リベイロ・サルガド監督。セバスチャン・サルガド出演。

 ブラジル出身の写真家のドキュメンタリー映画です。

 



 セバスチャン・サルガドさん、この映画を見るまで知らなかったんですが、いやーとてもいい写真を撮ります。一枚一枚の絵が素晴らしいです。映画・・というより彼の写真集を見ているようでした。

 初めは報道写真家、ドキュメンタリー写真家として有名になるんですが、精神を病んでから、地球をオマージュする絵を撮り始めるんですね。
 分野違いだ、失敗するからやめておけ、と忠告されるんですが聞かずに地球を撮る旅に出てしまう。






 それが大成功というのか、写真を見る限りでは、人間の救いのなさを告発した報道写真に負けず劣らず、いや、ひょっとしてそれ以上に、素晴らしいものだと思ってしまいました。
 才能のある人は何をしてもすごいのね・・・

 劇中に、彼の撮る写真から感じる人間への愛が好きだ、というようなセリフがありました。本当にね、すごい愛情を感じました。ただ人を撮るだけで、こうも違うのね、凡人とは。そして、人々への愛は地球への愛へと変わり、より壮大なものになっていきます。

 この方、何がすごいかって(思ったかと)いうと、ほとんど定住せずに、精力的に全国を旅して回ったところでしょうか。何ヶ月も被写体と一緒に行動する。ヨーロッパや、南米やアフリカに行って、その土地の民族や、働く人々、そして、難民キャンプにルワンダ大虐殺、湾岸戦争後の油井爆発などを撮り続けます。その度に、被写体の方々と同一化してしまうようでした。
 すごいですよね。食事とか、どうしていたのでしょう。







 飢えや病気で死んていく人々と一緒にいて、自分だけは食べるというわけにはいかないでしょうし・・ あれだけ愛情深い絵を撮り、世界中を旅して、救いのない現実を目の当たりにしていたら、精神が病んできたというのも、うなずけます。

 そして、もうだめだ、となったときに、次は何を撮ろうかとなったときに、地球への愛を思い出すんですね。世界には、人間の経済活動に塗れずに、まだまだ変わらず存在し続けるところがたくさんある、それを撮ろうと。
 そして、生まれ故郷の枯れた土地に植林を始めて、森を復活させたりするんです。

 人間って落ち着くところに落ち着くんだなぁ、というのが率直な感想でした。やはり最後は自然環境を憂いての地球への愛ですよね・・・





 
 とても美しい地球の絵の数々。地球って素晴らしい。動物と共存している姿がなんとも言えません。(人間は共存できているのかな??)

 地獄絵のような人間社会の現実もありましたが、どの写真も、胸を突かれる印象深いものでした。
 人間って恐ろしいですね。(能天気なことを言っている自分も含めて)
 写真家としてスタートしてから現在までの膨大な写真が映画の中に登場しますので、写真が好きな方は写真集を見るように楽しめる映画だと思います。


 この映画を見ていたら、なんとなく自分の仕事の悩みは「ない」よなぁと思ってしまいました。
 あのルワンダやいろんな国の方々から見たら、私のいやな嫌な仕事の1日なんて、喉から手が出るほど過ごしたい夢のような1日でしょうし。先進国(日本)が歪みを生み出している張本人であるかもしれません。
 
 明日も頑張ろう・・・贅沢言わずに、コーヒーが・・なんて言わずに。


 そして、今朝はドトールのコーヒーを飲みました。
 モーニングセットで、本日のコーヒー、キリマンジャロです。





 うーん、休日のささやかな贅沢。ドトールだけど、笑
 
 でも、美味しかったですよ。キリマンジャロ、ドトールなのにこんなに美味しかったんだなぁ、と感動しました。コーヒー豆を作ってくれるアフリカの方々に感謝です。

 コーヒーが貴重で希少なものになりつつある現代。

 どうか彼らが、あの写真の地獄絵のような現実と戦っていませんように。
 そして、アフリカの森林が護られ、熱帯雨林が復活しますように。



 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。
 願いを込めて。


 



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