羊の群れ=人間社会を揶揄した感動映画で涙腺崩壊。「ひつじ探偵団」
こんにちは!
来週辺り、遅めの夏休みをいただこうと思っています。
みなさま、お元気でお過ごしでしょうか。
週に一度のアマプラ鑑賞会。
今回はヒュー・ジャックマン主演のアマプラオリジナル作品、
「ひつじ探偵団」を観ました。
動物ものなので「ほのぼの癒し系かな?」と軽い気持ちで見始めたら、
人間社会の比喩やシリアスなテーマを描いた、思いがけない感動巨編でした!
やっぱりヒュー・ジャックマンが出る映画は大正解ですね。
「ひつじ探偵団」
監督:カイル・バルダ
出演:ヒュー・ジャックマン、ニコラス・ブラウン、モリー・ゴードン
【あらすじ】
ヒュー・ジャックマンが主演を務め、大好きな飼い主を殺された羊たちがその犯人を見つけ出すべく奮闘する姿を描いた異色のミステリー映画。
イギリスののどかな田舎町。羊飼いのジョージは、愛する羊たちに囲まれながらひとりで暮らしている。彼は毎晩羊たちに探偵小説を読み聞かせているが、実は羊たちは物語を理解しており、その時間を楽しみにしていた。そんなある日、ジョージが死体となって発見される。羊たちはこれが事故だと信じようとせず、最も賢いリーダーのリリーを先頭に調査に乗り出す。手がかりを追ううちに、ジョージには巨額の遺産があったことが判明。愛するジョージの無念を晴らすべく、犯人捜しに奔走する羊たちだったが……。
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羊たちが主人公という本作ですが、
実は「羊の群れ=人間社会」という強い比喩が込められています。
羊飼いであり、神のような存在でもあるジョージ(ヒュー・ジャックマン)
が本当に素晴らしいんです。
個性豊かな羊たちを温かい目で見つめ、
不当な差別を受けて群れから排斥される「冬生まれの羊」さえも、
分け隔てなく深い愛で包み込みます。
そして、自分の存在のすべてをかけて羊たちの尊厳を守ろうとします。
夜のとばりの降りる牧場で、
ジョージが羊たちにミステリーを読み聴かせる平和な日常。
そのワンシーンがあまりにも美しく、
「この穏やかな時間がいつまでも続いてほしい」と願わずにはいられませんでした。
だからこそ、そんな愛情深いジョージの死は切なすぎました。
羊たちの動揺と悲しみが直に伝わってくるようでした。
事件の後、羊たちは犯人探しを始めます。
頼りなく「間抜け」と呼ばれる警官を真相に導いていく羊たちの姿など、
ミステリーとしてもかなり見応えがありました。
しかし途中で、群れの「冬生まれ」に対する偏見から、
警官に間違った犯人を示してしまうハラハラする展開に・・
現実社会で「群れ」から排斥されり傷ついたりした経験がある人なら誰でも、
この群れの理不尽さに胸が締めつけられ、一気に物語に引き込まれてしまうはずです。
さらにこの群れたちは、辛いことが起きると現実を忘れ去ろうとする弱さを持っています。
悲しみから学んだり、自ら乗り越えようとしない姿も、
どこか人間の本質に似ているように感じました。
その身勝手さゆえに、羊たちはあと一歩で絶体絶命の危機に陥ってしまいます。
そんな群れを土壇場で救ったのは、
かつて散々爪弾きにされ、辛い過去を背負った「冬生まれの孤高の羊」、
セバスチャンでした。
「群れの仲間だろ・・」
そう呟いて命を落としていくセバスチャンの美しく気高き姿には、
思わず涙が溢れました。
このセバスチャンの尊い自己犠牲を受け、
羊たちは初めてジョージの死という悲しみから逃げずに向き合い、
乗り越えていくことを学ぶのです。
そしてラストシーンも圧巻でした。
ずっと排除されていた「冬生まれの子羊」が「ジョージ」という大切な名を受け継ぎ、
群れの全員が彼を「希望の象徴」として受け入れます。
子羊が嬉しそうにとび跳ね回り、群れ全体が苦しみや哀しみを乗り越えて
光に向かう場面は、涙腺崩壊必至です。
羊飼いジョージの愛が、最後まで深く貫かれた物語でした。
最初はほのぼの動物ものかと思いきや、それを遥かに超えた「人間愛」と
「生きとし生けるものへの愛」に溢れた大傑作でした。
原作の切ない展開からストーリーを見事に昇華させ、
映画として大成功を収めた作品だと思います。
ミステリーとしてのどんでん返しも秀逸でとても面白いので、
良質な映画に触れたい時はもちろん、
「人間社会の理不尽さに少し疲れてしまった時」にこそ、
ぜひ観ていただきたい一作です。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
今日もみなさまにとって、心穏やかで素晴らしい一日となりますように。
願いを込めて。



