最果ての「カミハテ商店」で見送るひと。〜死生観を問われる問題作〜
こんにちは!
やっと梅雨が明けたようですが、みなさまお元気でしょうか。
私は今日は、「自殺は良いか悪いか」を真正面から問う問題作を観ました。
2012年の映画、「カミハテ商店」です。
思春期は人並みに悩み、生きていたくない、と思ったこともあるので、
気持ちはわからなくはないのですが、
ちょっと自殺を肯定的に捉えすぎのように感じた映画でした。
「こんな作品を作っても良いのかなぁ・・・」
と、色々考えさせられてしまいます。
「カミハテ商店」(2012)
監督:山本起也
出演:高橋恵子、寺島進、あがた森魚、水上竜士
【あらすじ】
京都造形芸術大学の学生とプロのスタッフ・キャストがタッグを組む北白川派映画の第3弾作品で、自殺の名所となった崖の近くで商店を営む初老女性の目を通し、死生観への真意をなげかける人間ドラマ。山陰の小さな港町・上終(カミハテ)で、母の残した店を引き継ぎ、パンを焼いては細々とそれを売って生活している初老の女性・千代。いつの頃からか、店のそばにある断崖絶壁が自殺の名所となり、店に見知らぬ訪問客が現れるようになる。彼らは人生の最後に千代が焼いたパンを食べ、千代も彼らが自殺するであろうと気づいても止めることはせず、ただ見送った人々が崖に残していった靴を持ちかえる日々を送っていた。千代役は「花物語」(1986)以来23年ぶりの映画主演となる高橋惠子。千代の弟役に寺島進。(映画.comより)
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主人公千代(高橋恵子)が幼い頃、父親が上終(カミハテ)断崖で自殺した。
父の死を止められず、父の靴を一人で持って帰った少女千代は、
老女になっても、断崖絶壁で死ぬ人々の靴を持って帰る日々を送っている。
自殺の名所となったカミハテの断崖絶壁には、いろんな人々がやって来ては、
千代の作ったコッペパンと牛乳をカミハテ商店で最後に食べてから死ぬことが
慣わし(ネット上でのジンクス)となっていた。
この千代という孤独な老女は、ものすごく「死に近い場所」にいます。
毎日のように人々の死を受け入れて、見送っている。
そして、他人の死を自分の罪のようにも感じているのです。
初めは、映像とストーリーがとても暗くて驚かされました。
でも不思議と嫌悪感はなく、淡々とした死生観が心地よく感じられてきます。
死にゆく人が最後に食するものを作る、
死にゆく人を最後に見送る人ーー。
そんな役割にもある種の需要があって、
千代が一度その役目を投げ出した時に、
それがどれほど「生」のための大切な役割だったのかが明かされます。
また、千代がパンを作っても、作らなくても、
死にたい人は崖から堕ち、生きたい人はバスに乗って帰って行く。
千代の役割が判明するあたりから、それまでの暗い映像から一転して、
「自然光が美しくなる」という指摘を読みましたが、
私はちょっと見逃してしまいました・・
私的にはそこよりも、やはりラストが印象的でした。
千代と同じくらい死に近い場所にいた弟(寺島進)。
その彼の身代わりとなるような若い女性が、カミハテ商店に現れる・・
これは、千代と弟の「救済の物語」なのだと感じました。
そして同時に、自ら死を選択するという意思を、
真っ向から容認した問題作ではないかとも思いました。
確かに、観る人の死生観が問われる物語だとは思います。
でも映画の結末はどうあれ、私はやはり
「自殺は絶対にしてはいけないんだ」というメッセージに、
寄り添うものであってほしい、と切に願わずにはいられません。
いかに優れた芸術作品であっても、だめなものはだめです。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今日も心穏やかな素晴らしい一日となりますように。
願いを込めて。



