昔の日本は心も景色も美しい。映画「青い山脈」を見て。
こんにちは。
最近、昔の映画をよく見ています。
小津安二郎監督の映画だったり、溝口健二監督の映画だったり、
時代劇や昭和初期の物語、モノクロの古い古い映画です。
今回見たのは、1949年の「青い山脈」です。
歌が有名なのでなんとなくは知っていましたが、
想像していたのは、青春群像劇というのか、
若者たちの明るい恋愛物語だろうと思い込んでいました。
ところが見たら全く違った、かなり思想的な物語で驚かされました。
「青い山脈」(1949年)
監督・今井正
出演・原節子、池部良、杉葉子、龍崎一郎
【あらすじ】
ある片田舎町の駅前。金物商丸十商店の店先に一人の女学生が「母が手元に現金がないからこれを町へ持って行って学用品を買いなさいって……」と小さく海光女学校五年生寺沢新子と書かれたリュックの米をつき出した。留守番の六助はドイツ語の教科書を放り出して大儀のついでに御飯を炊いてもらう。だんだん事情を聞いてみると母を二人もつ新子だった。
一方英語教師島崎雪子は新子あてにきたラヴレターを見せられて、友達のいたずらだという彼女の言分に、何かしら尋常でない性格をつかみ、まして前の学校で転校を余儀なくされたこの娘に力になってやりたい衝動にかられる。そしてライ落な校医の沼田にこの問題を相談するが意外な答えだったのでついなぐってしまう。雪子は恋愛の問題を講義しつつ偽のラヴレター事件を直接生徒達に説いてゆく。しかし生徒達は「学校のために」やったといい、その理由として新子の行動を六助と結びつけて曲解した例をあげた。雪子は生徒達の旧い男女間の交際の考え方を是正しようと努力するが、それはますます生徒達の反感を買うばかりだった。教員仲間でも雪子の行動を苦々しく思い民主主義のはき違いなどといいつつ問題は次第に大きくなっていった。新子はそのうづ巻の中にあっても、高校生の六助や富永たちとつき合って行く。ついに学園の民主化を叫ぶ名目で新聞にまで拡がり、沼田も黙っていられず、雪子の協力者となるが、暴漢に襲われる。(映画.comより)
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女教師を演じる原節子さんが、とにかくすごいんです。
生徒たちが間違った方向へ行こうとしているのを、必死で止める。
たとえ生徒に憎まれても、学校や保護者から睨まれても、
体を張って「正しさ」を貫く姿は、
今の時代にはなかなか見られない本物の「教師」だと感じました。
特に印象的だったのは、多勢で一人の生徒を攻撃する集団に対し、
「それは学校愛ではなくて、ただの嫉妬よ」と断罪するシーン。
生徒たちは「先生はひどい」と泣き出し、学校を辞めると言い出してしまう。
問題が大きくなり、先生は他の先生たちに世間知らずだと非難されてしまいます。
これって、現代のいじめと重なるなぁと感じてしまいました。
これは「封建的な時代だから」という前提ですが、
大義名分を盾にして、
「他勢で異質な存在を叩く」という構造は同じです。
今なら先生も一緒なっていじめるかもしれない状況で、彼女は絶対に屈しません。
また、映像に映し出される日本の景色が、
息を呑むほど美しいことにも感動しました。
モノクロなのに、光の加減や自然の豊かさがダイレクトに伝わってきて、
今の景色とは違う「清らかさ」を感じるんです。
思想的に正しくあろうとする人々の真っ直ぐな姿と相まって、
心洗われるような時間でした。
昔の映画は、本当にいろいろなことを教わるような気がします。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
今日も心穏やかな一日となりますように。
願いを込めて。

