「光のとこにいてね」を読んでーー 欠けた心を埋め合う少女たちの物語。
こんばんはー!
石破首相の商品券問題。そんなお金があったら国民にばら撒け、と思ってしまった著者です。お元気でお過ごしでしょうか。
このニュースを聞いて、なんだか感覚のズレを感じました。
そんな今日は、社会の普通から少しはみ出た少女たちのお話を読みました。
【あらすじ】
――ほんの数回会った彼女が、人生の全部だった―― 古びた団地の片隅で、彼女と出会った。彼女と私は、なにもかもが違った。着るものも食べるものも住む世界も。でもなぜか、彼女が笑うと、私も笑顔になれた。彼女が泣くと、私も悲しくなった。
彼女に惹かれたその日から、残酷な現実も平気だと思えた。ずっと一緒にはいられないと分かっていながら、一瞬の幸せが、永遠となることを祈った。
どうして彼女しかダメなんだろう。どうして彼女とじゃないと、私は幸せじゃないんだろう……。
――二人が出会った、たった一つの運命
切なくも美しい、四半世紀の物語――(Amazonより)
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切ない物語でした。
親に愛されずに育った二人の少女の、四半世紀にわたる恋の物語です。
恋の、と言ってしまっていいのかわからない。正確には、愛とも恋とも呼べない深い絆で結ばれた少女たちの物語かも知れませんが、やはり恋と呼びたくなってしまいます。
この物語を読むと、自分の子供時代は幸せだったと痛感します。親に愛されずに育つということがどれだけ人生に影を落とすのか、思い知るような気がしました。
それでも二人は「光のとこ」にいることを約束をして、細い縁を絶やさずに決してお互いを忘れずに生きていきます。
「お互いがお互いのお守りだった」ーー。
おそらく親からの愛が欠けた分、その穴を埋め合うように、寄り添ったのではないでしょうか。
人はかけたままでは生きていけない。欠けたら最後、その分、尚更大きな誰かとの絆が必要になるのかも知れない、なんて思いました。
あと印象的だったのは、「捨てるのはいつだって弱い方なんだ」という言葉でしょうか。胸を抉られるようでした。何度も人から捨てられたことがある人には、これは救いとなるような言葉だと思いました。
ラストに二人は別れようとして、また引きつけ合います。どう考えても、二人の未来を思うと、ハッピーエンドとは思えません。暗い影が萌しているのが分かります。それなのに、最後の最後、彼女たちは「光に包まれて」ジ・エンドとなる。そこもまた切なかったですね。
少女たちの四半世紀の恋物語ですが、ミステリー風にも描かれていますので、最後まで楽しく読めると思います。ピュアな物語を楽しみたい時にぜひお勧めしたいと思います。
最後に商品券の話に戻りますが・・
国民の生活感覚とズレないでほしいですね、石破さん。
少なくとも、今日読んだ二人の少女たちは、商品券より心の居場所を必要としていました。
石破さんは「太田光の私が総理大臣になったら」の頃から応援しています。夢を叶えて本当の総理になった石破さんなのですから、政治の世界で生きづらい新人議員たちの居場所をぜひ作ってあげていただきたいと願います。
今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。
素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。