自分に絶望した時に見る映画「すばらしき世界」

 

 こんにちはー

 明日雪だそうですが、もう梅が咲き誇っているという暖冬の昨今、皆様、お元気でお過ごしでしょうか。

 私は元気でやっております。


 昨日は久しぶりにAmazonで映画を見ましたよ。

 佐木隆三さんの事実に基づいた小説「身分帳」を元に作られた、西川美和監督の映画「すばらしき世界」です。 




 上の写真。これずっと、Amazonがおすすめの映画として画像を見せてくるわけですよ。そして、私はずっとこの写真の男性が、ソン・ガンホさんだと思い込んでおりました。


 やだなぁ、また韓国映画推してくるよ、Amazonのやつは・・・と思っていたら、

 なんと。

 役所広司さんじゃないですか!


 びっくりしましたよ。(最近ダメダメな)日本映画かい!


 役所広司さんといえば、評価の高い役者ですが、直近ではVIVANTで、荒唐無稽と感じた脚本を(演技力の力で)リアルに変えてしまい、更に感動まで与えてくれたという・・・私的にはものものすごい怪演著しい役者さんではありますが。

 そっか、写真一枚でね、もうソン・ガンホになってしまうのか、日本映画を韓国映画のラインに押し上げてしまうのか、とその存在感にまたしてもビビるというね。

 これはもう見ないと、と、昨日3回くらいに分けて見たわけですが。



 いやぁ、怖かったですね。途中で、ジムに行ったり、散歩に行ったりしたのですが、ずっと映画の役所広司演じる主人公三上のことが頭から離れないという・・・


 何やらかすかわからないような空恐ろしい人物として描かれているわけですよ。

 それを役所広司が「そのもの」に演じるわけです。「得体の知れない怪物感」と下のブログに書かれていましたが、まさにそれです。


 映画『すばらしき世界』と原作『行路病死人』と、そのラストと。 ~映画イラスト~


 この映画は役所さんじゃないとダメだったでしょうね。あり得ない人物像を身近に感じさせてくれるというのか・・役所さんって本当にすごい俳優ですよね。


 三上の何が怖いかって、もう冒頭からね、刑務所のルールを懸命に守って地道に生きる様が描かれているのに、その心の中に罪悪感が全くない、罪の意識が全くない怪物的な人物として出てくるわけです。なのに、物語が進む毎に、正義感があり、子供のように純真な心を持ち、チャーミングである一人の人物が浮かび上がってくる。

 こりゃどうしたわけなんだと、少し頭が混乱しました。

 脳の一部がおそらく欠損しているんだと思いましたね・・ もしくは子供の頃のトラウマか何かで心のどこかが壊れている・・

 とても綺麗な人物として描かれているのですが、これが社会のどこにもいない、いてはならない存在としても描かれていて、もうそのギャップが空恐ろしいわけです。

 自分と重なるところもありましたが、私はもう既に自分に絶望しているので、あんなに美しい心は持っておりません。

 それで、尚更怖かったのかも知れませんね。

 嫉妬や羨望のような気持ちが湧き起こると同時に、こうでなくて良かったと安堵するというね。複雑なんですけれど、で、私は映画のラストでこの主人公が殺されるのだと思い込んでいて、なんとまぁ、それは「薄汚い世界」だろう、リアルというのは、とね。映画のタイトルと裏腹に・・と思っておりましたら、いやぁ、実はそうではなかったわけで。


 まさに、「すばらしい世界」を選んで生き抜いた男の物語となっております。


 不思議ですよねぇ。生きるということは我慢の連続であり、社会的な中で去勢されるということが、人生を全うする唯一の手段であるというのに、そうはならなかった、どうしても出来なかった三上正夫という人物が、こうもイキイキと描かれるというのは。

 人生で躓いた時、日々同じまるで刑務所のような生活に嫌気がさした時に、この映画を見ると、救われるんじゃないでしょうかね。反面教師的なね。

 ああ、この人生で良かった、この俺で良かった、なんてホッとするかも知れません。

 早く天国行きたくなっちゃうかも知れませんがね、笑

 良かったら、ぜひ見てみてください。


 ちなみに、この映画の真逆・・もしくは似たようなことを言っていると思ったのが、こちらの映画です。

 役所広司さんは出て来ませんが、コチラもおすすめです。


 同じ日常を繰り返すことって、意外と戦いの末に手に入れた幸福だったんだなぁ。映画「希望の灯り



 ではでは、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。


 素晴らしい1日となりますように!

 願いを込めて。



 

 

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