ひとりぼっちの自分を好きになる。「居場所」を読んで思ったこと。
夏休み初日、本を読みました。
吉本興業の会長で、元ダウンタウンのマネージャーの大﨑洋氏の著書。
タイトルが穿っている。「居場所」というの。
居場所を見つけられなくてもがいている現代人にはグッとくるな、なんて思いました。
いや、現代人だけじゃないかも、ドストエフスキーの遥か昔の時代から、居場所作りというのは人間にとってとても大きな問題かもしれませんよね。
個人的にグッときたのは、三つですかね。
まず一つ目に、ありがちな自己啓発本(もれなくベストセラー)の真逆を行っている本だということ。これ、すごい。これで売れてるんですものね。
コンプライアンスとか、合理化とか、AI化とかね、現代が進もうとしている道をバッサリ切ってしまうの。過去に逆行することをお勧めするかのような古臭い思想なんです。まぁ、そう言っちゃうと身も蓋もないけれど、古臭いというよりは、人間臭いというのかな、現代が忘れかけている不器用さや温もりに溢れているんです。
二つ目に青春小説だということ。ダウンタウンとのエピソードが随所に切れ切れに登場するんですが、その不器用な爽やかさというのか清々しさというのか、もう風が吹くようでしたよ。プロローグとエピローグが対比になっていましてね。松本人志さんとの約束に対しての物語で始まって、物語で締めているんですが、もうたまりませんね。つまり、ダウンタウンの成功物語を、自分たちの青春小説として書いているという点が素晴らしかったです。
どんな人なんだろう、と少し画像検索してみました。ほうほう、こういう方なんですね。
名を残す方はいい顔をしていらっしゃいますね。
そして、最後の三つ目なんですけれど、冒頭にも言いましたが、「居場所」作りの理論ですね。一つ目と被りますけれどね、笑
こんなことをおっしゃっている。今いる場所で咲こうとしなくていい。ここで咲けないのなら他の場所を探そう、としなくてもいい。居場所無理して作らなくていいんだそうですよ。場所に居場所を求めるな、とね。ではどこに求めるのか、ということが書いてあるんですけれど、なかなか・・特にお母さんのくだりは涙なくしては読めませんでしたね。
居場所というのは、形のないものであり、「身一つ」で造り出すものものだと言われたような気がしました。
自分が何者であるかということまでね、居場所・・会社とか家族とかサークルとか、階級を含めた社会的なものに求めてしまうことが多いのですけれど、そうではないんだな、とね。自分の根拠を外に求めるな、と言われたような気がしましたね。
かなり組織に依存していたな、と思ったというかね。
まぁ、そういう大﨑さんもよしもとという組織の頭なわけですから、なんだかんだ言っても組織は大事なんでしょうけれどね、依存するほど思い詰めてしまうのも良くないですよね。
結局は身一つ。形のないものにどれだけ信を置けるか。
自身が問われているような気がしました。
まぁ、全部書いちゃうのもなんなんで、興味のある方、ぜひ読んでみてください。
こう言った現代の風潮とは真逆の本は、なかなか貴重だと思いますね。
あとね、帯で、松本人志さんが「一気に八回読んだ」と書いているのですが、いやいや、8回は読まないだろ! とか突っ込みながら、いや、本当にあの松ちゃんなら8回読んだのかもしれないな、とゾッとしたりして。この本を読むとね、松本さんの几帳面さというのか、人格障害的な病的な感じも、少なからず青春小説風に描かれているんですよね。
そんなこんなで、どういう読み方をしても面白い本です。
『ひとりぼっちの自分を 好きになる 12の「しないこと」』を紹介した本、「居場所」。オススメです!
ではでは、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございました。
素敵な夏休みをお過ごしくださいませ。
願いを込めて。