こんばんはー
今日は美容院に行ってきました。ここ最近、2ヶ月に一回、定期的にきちんと通っています。あれって、一回行かなくなると、とことんどうでもよくなってしまいますが、定期的に行っていると、なんとなく、クセになるというのか、小綺麗になるのが気持ちよくなりますね。きちんとしている自分が好きになってくるから不思議です。
さて、緊急事態宣言・・ということで、今日もお家movie。
今日は難しい映画を見ましたよ、アメリカ、サブプライム住宅ローンの崩壊から始まった経済破綻の、内幕を描いた物語、マネーショート。
あれって、銀行や会社は倒産、失業者や家を失った人をゴマンと生み出した世紀の悲劇かと思っていましたが、危機をいち早く予知して儲けた人もいたわけですね。なんとまぁ、賢いのでしょうか。どんな人がそんなクレバーなのかと思ったら、なんと、奇人変人の類ですよ。社会的弱者、異端児、マイノリティの方々だったという・・・
経済破綻で最悪の目にあった多くの方々には申し訳ないのですが、(あんなアブナイ金融商品を生み出した)クソのような銀行、証券会社を出し抜いたのが社会的マイノリティだったということに、かな〜り溜飲を下げた物語でした。
「マネーショート」
アダム・マッケイ監督。クリスチャン・ベイル、スティーヴ カレル、ライアン ゴズリング、ブラット・ピット出演。
【あらすじ】
片目が義眼で人と関わるのが苦手なマイケルは、医者から転職をして金融トレーダーとして成功している。住宅ローン債権が高利回りの金融商品としてもてはやされている頃、マイケルだけは、市場の破綻を予測するのだった。彼はデフォルトしそうな銘柄の債権に保険をかけることを思いつく。経済破綻の被害を回避することで、顧客を守ろうとするが、彼の予見は誰にも信じてもらえず、顧客からは逆に訴えられる始末なのだった。また一方、フロントポイント・パートナーズのリーダーマークは、その正義感から些細な欺瞞や不正をも許せない神経症を患っていて、そんな折に銀行や証券会社の恐るべく汚い内幕を目の当たりにしてしまうのだったが・・・
なんだか難しい映画なんですけどね、金融商品とか、わけのわからないところもありますが、思ったよりとても面白かったです。
安全神話が世界経済を支えているわけですよ。しかも、クソみたいな詐欺や不正がそれを支えているわけです。そんな間違いだらけの世界をマイノリティの金融トレーダーや、三枚目の個人投資家(同級生の成功者からバカにされていたりします)たち主人公が、いち早く見抜いて、デフォルトする方に全財産をつぎ込む、「間違った世界は続かない」という正義を信じて、一世一代の賭けに出るわけです。
そりゃーバカにされますよ、誰があの大きな銀行が潰れるとか予見しますか。リーマンショックなんて起こるとは信じられないですものね。
異端児たちは、さらにバカにされて、暴走だと言われたり、笑われたり、それでも絶対引き下がらない。自ら調べて、足を使い、頭を使って、何も考えずに安全神話に頼りきっているマジョリティーの世界を逆にコケにしてやるわけです。すごいものだなぁ・・
まぁ、キャストも豪華で、映画の途中の所々で、マーゴット・ロビーやセリーナ・ゴメスなど、大御所や綺麗所が、わかりやすく業界のしたこと(まるで詐欺のような金融取引)を解説してくれます。ストーリーとは関係なく、まるで映画を見ている観客に語りかけるような目線でのセリフなんですね。例えもわかりやすいし、映画の手法的にも斬新に感じられ、こちらもとても面白かったです。
個人的には大音量でヘビメタを聞いているマイケルがなんとも言えずに良かったですね。なんてクレバーで優しい人なんだろうと思いました。(なのに世間には理解されず!)異端者でも身内を救えるんだなぁ。
そして、腐った魂が大嫌いで、最後の最後まで、賭けに勝っておきながら、自分も同じ穴のムジナになってしまうとCDS(クレジットデフォルトスワップ)を売ろうとしないマークも最高でした。
なんとまぁ、綺麗な心の、まともな人々が、最後に勝つことか。
歪んだ世界が最後に負けることに、なんとまぁ、救われることか。
それだけで、見ていてスカッとする映画でした。
あと、映画を見終わってから気がついたんですが、ブラピが出ているんですよね。元金融トレーダーの役で、個人投資家のおバカ二人組・・(最後に勝った組なのでバカではないですが、物語的にバカ的な描かれ方をしています)二人組を助けるんですが、こちら目立たないなぁ。全然有名俳優のオーラなし。オーラを消すのが役所の使命だったのならば大成功といったところでしょうか・・・隠遁者をうまく演じていらっしゃいます。
破綻したリーマンブラザーズも圧巻でしたね。最後に難民キャンプのような荒れ果てた社内が出てくるんですが、不正や詐欺の終焉・・・といった世紀の終わりのような描かれ方です。
まぁ、最後には、だがしかし・・・とまた新たなCDO(詐欺の芽)が出てきたことが告げられて、これで終わりじゃない、まだまだ続くよ的なホラー映画のようなラストなんですけどね。まぁ、経済ってそんなものですよね。
というわけで、まとめです。
安全神話に貫かれた確固とした世界がまがい物である、そして、異端児たちがまともである、という逆説(真実??)をうまく表現している面白い映画でした。
サブプライム住宅ローン危機の詳細や、リーマンショックはなぜ起こったのかを知るにもなかなか興味深い内容だと思います。
金融の専門用語など難しい面も多々ありますが、親しみの持てる、いわゆる負け組の主人公たちが、頭を使って真実を暴く(貫く)姿にも共感できますし、ストーリーが面白い、斬新な映画の手法も楽しめます。
お時間あるときに、ぜひご覧になってみてくださいまし。
(アマゾンプライムで無料です)
ではでは、素敵な時間をお過ごしください。
願いを込めて。