レット・イット・ビー 〜人生における東北旅行を総括する2日間の旅〜
1年以上前に書いてお蔵入りになっていた記事です。 お時間のある方だけ、お立ち寄りください。
大好きな東北に旅行してきました。アンパンマンのパンを食べて、気分だけはヒーローでした。楽しい旅でした。が、同時に大切なことを諦めなくてはならない辛い旅路となりました。
(この旅で私は東北に戻らないことを決意することになったのです)
・・・・・・・・・・
地球温暖化の影響により、命に関わるレベルで、夏が暑いらしい。
涼しかった東北の夏が恋しい。
・・・・・・・
ということで、今日は2018年の6月に岩手に旅した話をしたいと思います。
仕事の都合で2日だけ岩手県下閉伊郡の山田町に行くことになりました。山田町はあのAKB48らが懇意にしている有名な被災地でです。
本当はこの短期滞在をきっかけに、もっともっとずっと長く滞在できるはずだったのですが、
なので長期滞在は、泣く泣く断念せざるを得ませんでした。
山田町にいた時、
そのせいか、
地元のソウルマウンテンの大山に登っては見たものの、
大山は小さい。その割に、
東北に2日だけ行くことにあたり、
ウォーキングが楽しい魹ヶ埼にはまず行きたい。
それから山田町の名峰、鯨山と霞露嶽はやはり外せない。
本当なら、五葉山や姫神山にも行きたいんですが・・・
今回は見送りで・・今回は山田町メインです。
旅行前、私は最小時間で山田町の山を最大限を満喫できる計画を立てました。
しかも二日間同じものを着ていても問題にならない服を考えること
しかし、その甲斐あって、トレイルランニングのアスリートが身につける、小さなリュック1つにまとめ
その1、魹ヶ埼
始発で自宅の駅を出発して、
山田町で仕事の要件を終え、すぐさま向こうの知人と合流します。
ところで今回一緒に魹ヶ埼に行ってくださることになった元同僚は
険しい道のりではないから、初めてでも問題はないと思います。ただ、
さて、スタートです。
「夏至も近くて良かったねー!」
友人は無邪気に笑いながら歩いていました。その笑顔とのほほんムードに救われました。(結構私はビビっていたようです)
それにしても、自然というのは不思議なものです。懐が深いというのか。
自然に甘え、自然を満喫しながら、愚痴マシンガントークの私たちが灯台に着いたのは夕方の6時近くでした。
灯台で記念撮影をしました。友人がくれたアンパンマンのパンを持って、にっこり。
これは山田町にある山田湾ベーカリーさんのパンで、 生地と餡がとても美味しいのです。山田湾ベーカリーさんのパンが、 私は大好なのでした。
そのことを覚えてくれていたのが嬉しい・・・
「しかしなぜアンパンマン?」
「しかしなぜアンパンマン?」
食べる時間がない、と言いつつゲームもしました。
灯台で別チームのポケモンが、1人灯台を死守していました。さっと倒して自分のポケモンを配置しました。この地を守るんだよ!と言い聞かせました。余談ですが、
そろそろ帰り道。日暮れは容赦なく進み・・・ この時間帯頃になると天然ハイになっていて、 愚痴を言っていても聞いていてもやたらと楽しくなっていました。灯台の下から太平洋をじっくり眺めて、 風に吹かれて、東北にいることを実感しました。
駐車場に着いたときは7時を回っていましたが、 空はまだかろうじて明るかった! 残照のお陰でギリギリセーフでした。 熊にも会わず、怪我もせず、 闇に包まれる前に無事帰ってくることができました。本当に、無事で良かった。
が、友人は後で聞いたところやはりかなりきつかったようで、 大変だったよ!と少なからず怒っていました。無事じゃないよ。
が、友人は後で聞いたところやはりかなりきつかったようで、
「え?全然大変そうに見えなかったよ」
「休憩してたじゃん!」
そうだったのか。あれは疲れて休憩していたのか。話の流れから落ち込んで突然座り込んだようにも見えていたので・・・息も切れてなかったし。
「ごめんね。申し訳ないことをした」
初めての魹ヶ崎。往復4キロもあったんだもの。大変だったよね・・・
それでも最後に言ってくれた言葉が嬉しかったです。
「(私たち)
少し涙ぐみそうになりました。
その2、霞露嶽
翌日は朝の3時に起きてホテルを出ました。
山田町の船越半島に鎮座する霞露嶽に向かいました。 この時間ではさすがにお付き合いしてくれる方もおらず、 お一人様登山です。まあ、単独登山というのが私は好きで、人生も単独登山と洒落込んでいるわけですが、たまに、そんな本人の気も知らず、寂しいでしょう、とか、失恋したんですかーとか。変な気遣いをする方がいて、困ります。
翌日は朝の3時に起きてホテルを出ました。
山田町の船越半島に鎮座する霞露嶽に向かいました。
標高500ほどの小さな霞露嶽は、私にとって、とても特別な、
この日もブナを楽しみながら軽快に登り、山頂には朝の6時前に着きました。
霞露嶽の御神体は岩なのです。ここも好きなところです。大好きな巨岩が鳥居の先の、
御神体の岩には、 神々からの「サイン」のような、片目があり、 鳥居の間から訪れたものを凝視する。ブナの景色と相まって、 またそれも神秘的なのです。
さて、山頂で神秘を感じながらポケモンGOをしました。 先程まで晴れていたのに霞露嶽だけに、霧の中からしっとりした雨が降ってきました。霧は神秘ですが、雨の中のポケモンGOは現実的で、私は味方チームが作っていたジムのポケモンたちに、栄養補給の( ポケモンの好物の)実をたくさんあげました。 そして戦士の彼らを励ましたような自己満足に浸って、神秘の山を後にしたのでした。
そして次に向かった鯨山、するとすぐに霧は嘘のように晴れ、辺りは良い天気になるのでした。やはり霞露嶽はちょっと不思議な山。あの自然のミストが恋しいです。
霞露嶽は私にとってはスペシャルな、小さな小さな山です。
いつか地球温暖化が進んで、世紀末が訪れたそのときには、私はぜひ この山に住みたいと思っていたりします。
さて、山頂で神秘を感じながらポケモンGOをしました。
そして次に向かった鯨山、するとすぐに霧は嘘のように晴れ、辺りは良い天気になるのでした。やはり霞露嶽はちょっと不思議な山。あの自然のミストが恋しいです。
霞露嶽は私にとってはスペシャルな、小さな小さな山です。
いつか地球温暖化が進んで、世紀末が訪れたそのときには、私はぜひ
その3、鯨山
新幹線の時間は4時半でした。今は朝の7時半を回ったところ、
鯨山は山田町と大槌町の境にあり、
鯨山は普通なら4時間から5時間はかかる行程です。
ところがこの日はいつもと違いました。豪雨の影響なのか、道がパックリと割れていました。大きな溝が出来ていて、車が通れそうもありません。
どうやら山から流れ出した水が、道をえぐったようなのです。
すごいものだなぁ、私が神奈川に帰っていたわずか1年の間に、何があったのだろう。
なかなか参道コースの入り口は現れませんでした。時計とにらめっこをしながら、おかしい、おかしい、と思いながら歩いていきました。終いには、
そして、今度は、下りても下りてもなかなか登山道が見えません。
そういえば、さっきの土砂崩れのような箇所は、かつての登山コース入口によく似ていたが・・・
私は時計を見つめて考えました。タイムリミットがすぐそこまで来ていました。諦めるか? 上まで行くか? こうなったら一か八か賭けてみよう。
意を決したように登り始めました。登山道ではありません。土石流で流されたような崩れた斜面に飛び付いたのです。もう登山道を探す時間の余裕もありませんでした。ここがかつての登山道入り口と仮定して、道なき道から岩登りを始めたのです。たとえ違ってもやり直す時間はもうありません。
道なき道の崩れた山の斜面を、必死に食らいつく私。今日の服装が悔やまれます。パタゴニアかゴアテックスなら屁でもないのに、
それでも、登れど登れど正規の登山道には出くわしませんでした。そのうち、現れるだろう、と思っていたのに、甘かったのか。道なき道が続きます。スマホのGPSだけが頼りである。ゲームの青い光だけが頼りです。
急斜面を登っているので、岩登りみたいな状態でした。お恥ずかしい話ですが、姿勢的にだけみたら、流行りのアスリートにでもなったようでした。山に散々食らいついて、
鯨山の山頂は絶景です。この山の何が好きかといって、この山頂からの眺めほど良いものはありません。(※)遠野方面の山々に、
あまりゆったりする時間の余裕がなくて残念でした。手短に記念撮影をして、すぐにまた下山です。
(※)鯨山の景色はこちらをご覧ください。過去のブログ 「シングル・マンを聞きながら」の一人登山がなんとも言えず楽しかった!より。
(※)鯨山の景色はこちらをご覧ください。過去のブログ 「シングル・マンを聞きながら」の一人登山がなんとも言えず楽しかった!より。
ちなみに、帰りは正規の登山道を通りました。
なんだ、登山道は無事だったのか? 狐につままれた気分でした。あんなに苦労して上る必要は始めからなかったのです。登山道を見逃していただけでした。 見逃すわけがないほど、それ(参道コースの入り口) は分かりやすく、私にとっては見慣れたもの、であったはずだというのに!
私は本当にキツネにつままれていたのかもしれない。神様のおはからいであったのかもしれません。おかげで、最短コースで鯨山を登ることができて、新幹線の時間にもしっかり間に合うことができました。
そして、鯨山。ありがとう。
無茶な登り方をしてしまってごめん。
鯨山。でも、登れてとても楽しかった。
懐かしい山田町。そして私の東北巡り。石巻に大槌町。
思えば、偶然の計らい、というものが、 これらの町にはとても多かったような気がします。
偶然の出会いに。偶然のアクシデント。偶然の・・・
数え切れない楽しいことの数々。
数え切れない楽しいことの数々。
そのせいで、私は苦労したり、笑ったり、様々なことがありました。
幸せが短すぎたこともある。誰かを恨んだこともある。
けれど今になると、すべては終わったことです。結果的に、そうなるしかなかった。あれで良かったのだ。そう思うしか、今はありません。
すべてはレットイットビー。
終わったことです。すぐに終わりを迎える旅です。時間はもうなかった。ああしなければそもそもできませんでした。だからこそ、 感謝して終えるしかないのです。
・・・・・・・・・・
こうして私の、・・・まるで人生における東北巡りを総括するかのような、2日間の旅行は終わりました。
本当に残念ですが・・・
実は、余談がもうひとつあり、
私は花巻駅で4時間待って、新幹線に5時間半閉じ込められて、 終電がなくなって東京都からタクシーで神奈川の家に帰って、 経費をしこたま使い、親に負担をかけて、私の心のホームである猫に会えたのは、 夜中の3時半のことでした。会社にも親にも猫にも、 多大なる迷惑をかけてしまったのです。
泥だらけでヨレヨレの、汗で濡れたビジネススーツで、不快に過ごす一夜。 アンパンマン(気分)も形無しでした。疲れ果て、なんとも惨めな、東北旅行最後の一夜でしたよ・・・
実を言うと、まさにこの時に、私は東北行きを断念したのです。
遠すぎる。何かあったらすぐに帰れない、ということを実感しました。
私が東北にこだわると、会社に家族にも猫にも多大な迷惑をかける、いえ、かけてきたんだ、ということをはっきりと悟ったのです。本当に残念ですが・・・
実を言うと、まさにこの時に、私は東北行きを断念したのです。
遠すぎる。何かあったらすぐに帰れない、ということを実感しました。
私が東北にこだわると、会社に家族にも猫にも多大な迷惑をかける、いえ、かけてきたんだ、ということをはっきりと悟ったのです。本当に残念ですが・・・
それを悟らせてくれた今回の旅行でした。
なるようになるしかなかった・・
はぁ・・・ まさにレットイットビーでしたね。
仕方がないと諦めるならば、いっそのこと感謝をして終えるしかない。またいつかの未来の選択に、
「よく行ったよ。行って良かったよ」
友人の言葉が頭によぎります。
今となれば感謝するしかない。
道なき道の、すべてに向かって。
今となれば感謝するしかない。
道なき道の、すべてに向かって。
さようなら、東北。
この間テレビのニュースで釜石のラクビーを見ました!
とても嬉しかった。釜石が盛り上がっていました。もっとW杯を釜石でやってほしいと思いました。それにしても、良かった!