あの日を忘れない 〜どこか懐かしき退屈かつ平和な日常のあれこれ〜




 しとしとと雨の降りしきる神奈川より、今週の石巻での日常を振り返りながらお届けしたい。毎週冒頭にご紹介している石巻のおいしい店、通称、グルメコーナーは今週は最後に。また、同僚S氏が撮った女川の写真も最後に掲載した。

 さて、今週は、特にどこにいくでもなく、日和山と職場を行ったり来たり。退屈、かつ平和な一週間だが、・・そう言えば、イベントらしきいいベントが日曜日にあった! 石巻市の絆マラソンというものに出場した。生まれて初めてのマラソン大会だ!
 不思議なことに、やはり初めてのマラソン大会、初めての10キロコースを走る人たちと出会い、まるで導かれたように集まった人々と仲良くさせていただくことができた。
 (絆マラソンの写真はまだ追加でいただけることになっているので、すべて揃ってからぜひご紹介したいと思う)

 ゴールの瞬間、自分ではビデオをまわしているつもりで、iPhoneの画面を見ていた。先にゴールした彼女たちが、待っていてくれて、笑顔で出迎えてくれた姿、手を降って大きな声をかけてくれたその様子、それから駆け寄ってくれてハイタッチをしてくれた一人の手。その差し出された手のひら。それらをiPhoneの画面からすべて見ていた。まるで映画のスクリーンのようだった。すばらしく感動的な瞬間を、まるで映画を見るように味わっていた。
 残念ながら、撮っていると思っていたビデオは実は撮れていなくて、(雨が降っていたので、よく見えず操作を間違えたらしい)感動の瞬間は永遠に残ることにはならなかったが、私にとってはかけがえのない記憶となった。あの小さなiPhoneのスクリーンの中の景色を、いつまでも忘れることはないだろう。
 

 というわけで、日曜日は絆マラソンだった。絆マラソンが終わった、日曜の夕方から金曜日までの一週間をお届けしたい。繰り返すが、退屈な日常である。平和で、愛しい日常である。お時間が許す限りおつきあいいただければ幸いである。



ハードなことがあると、これを見て励まされるひまわりさん
神奈川から連れてきた いつもデスクの上に


 日曜日。この日は絆マラソンのため、久しぶりに毎朝恒例の日和山体操をお休みした。いつもは会社が休みでも、朝の日和山体操へ出かける。寝坊などしないのである。一度、ブログの締め切りに追われて休んだことがある。土日休みを二週間ほど続けた。そうしたら、まぁそれとは関係ないかもしれないが、日和山に住んでいるガチョウのがーこの具合が悪くなった。座り込んで、こちらの顔を見ても知らん顔。大好きだったタンポポの草も、見向きもしない。
 それで、少し懲りたのである。がーこは老齢のため、関節炎だった、だから歩けなくなっていた。市役所の方が病院に連れて行ってくれてことなきを得た、ということで終了した話であるが、私の中では終わっていない。放ったらしにしていたからバチが当たったのではないか、と思っているのである。
 
 だからそれからは、土日も休まないと決めた。帰省するときや、絆マラソンのようにどうしても出られない事情があるとき以外は、参加する。日和山に行く回数も増やして、朝晩タンポポの草を届けにいく。

 というわけで、日曜日。絆マラソンの後、日和山へ向かった所からスタートである。

 




 写真は日和山に行く途中のサルコヤさん。潰れたおもちゃ屋さんかと思ったら、店が開いているところを始めて目にした。しかも楽器屋だったのか。高級おもちゃとは楽器のことか。それともかつてはおもちゃ屋だったのか。
 どうもこのサルコヤさんの外観を見ると、子供の頃に通った「たまや」さんというおもちゃ屋さんを思い出して仕方がない。祖母の家、鶴見の本町通商店街にあった店で、日本の高度成長期を象徴するかのような立派なおもちゃ屋さんだった。私が通った時代は既に傾きかけていたが、それでもなかなかの外観と品揃え、お年玉を握りしめて、りかちゃん人形を買いに走ったものである。

 サルコヤさんはたまやさんと。いしのまきマンガロードは鶴見の本町通商店街と、かぶるのである。記憶がよみがえる。懐かしい外観も、(こういっちゃ申し訳ないが)少々廃墟のような町並みも、昭和の古き良き時代を思い出してしまって仕方がない。

 石巻は、私にとって何重にも懐かしい町である。


 ・いしのまきマンガロード



ここはいつもの定点撮影のスポット。日和山の30度近い勾配の坂道を上って、上がりきったところ辺りある日和山公園の見晴し台のようなスペースから。今日はさすが梅雨時だけあって、雲行きが怪しい。




 こちらは日和山南側、山頂に鎮座する鹿嶋御児神社の前から撮影。日和大橋とその向こうの田代島、網地島、太平洋が見える。





 こちらは日和山山頂から北側を見たところ。私の大好きな景色、旧北上川と中州(マンガッタン)の石ノ森萬画館が見渡せる。





 鹿嶋御児神社の狛犬。なぜか足にリボン(六本木のカフェのものだったかな?)を巻いている。何か神妙な理由があるのかもしれない。


 お参りを終えて、がーこのところへ。おや、今日はまたお客さんだ。仙台から来たというお父さんと娘さんがやって来た。

 娘さんはがーこの足を見て(関節炎のためびっこを引いている)、「どうしたの?」と気になる様子。片方の足が悪いことを教えてあげると、「どっちの足が病気なの?」「私と同じだね」。娘さんも片方の足に病気を抱えており、がーこに親しい気持ちを抱いたようだった。


 最後はがーこと見つめ合って? ぱちり。人気者のがーこは旅人を癒し、明るい笑顔にさせてくれる。少女の笑顔を見て、私も嬉しくなってしまった。

 
 夜は、撮影や写真の修整をお手伝いしている写真館の夫人と食事。この夜は夫人の写真館に初めてお会いするプロの写真家さんの仲間が集まって楽しい撮影会?に。お食事をご一緒したかったが、遅かったこともありまたの機会になった。なので、夫人と二人で近場でお腹に軽めのうどん屋さんへ。釜揚げうどんの丸亀製麺さん。ここ、会社の人から美味しいという評判を聞いて一度来てみたかった。




 カウンターで注文。サイドメニューを選びながらレジまで行く。
 最近増えているファーストフード風のうどん屋さんだ。







 打ちたて茹でたてのつやつやの釜揚げうどん、コシもあってとても美味しかった! リーズナブルで手軽に食べられるのも嬉しい。近いのでまたぜひ伺ってみようと思う。

丸亀製麺Facebookpage 



 翌朝は、また朝から微妙な天気。







 梅雨時の紫陽花。日和山の斜面にたくさん咲いて。土砂崩れを防止してくれているような気がしてくる。




 大好きな中瀬、マンガッタンの景色。

 よくテレビにも出演する石巻の不動産屋の社長S氏(朝の日和山体操仲間)とお友達。




 こちらは日和山体操の副隊長。がーことふれあい中。


 まるで催促しているように首をのばすがーこ。


 「前は鹿が一緒にいたんだけど、震災のときに、誰もそれどころじゃなくてさ。えさをあげる人がいなかったんだよね。鹿はしばらくして死んじゃったけど。こいつは生き残り。そんな中で生き残ったんだ」(副隊長談)


☆☆☆☆☆


 最近の日課は、体操→がーこのえさ→子猫を見るというコース。生まれたの4匹の猫とお母さんの睦まじい様子を見るのが癒しなのだが、この日はお父さん猫だけ。子猫とお母さんの代わりに、一人でのんびりお休み中のお父さん猫を鑑賞。

ちょっと太めでかわいいキジトラさんだ。お母さん猫とは野良同士、子猫のときに知り合って、仲良くなったのだとか。

 


 日和山の夕景。日が沈む西側の景色は見晴らしが悪く、あまり夕焼けが見えない。南側の海と、北側の北上川はよく見えるのだが・・ 




 夜見ると宇宙基地のようなマンガッタン、石ノ森萬画館。



 
 翌日火曜日はまた梅雨らしい天気。
 写真下は、日和山の坂の途中から来た道を振り返ったところ。




 定点撮影スポットから。


 朝から元気なS社長。 

「あんた写真撮るなら、あれを撮りなさいよ。世界人類が平和でありますように。これを背景に石巻の海を撮るのが通でしょう。え? 何、知らなかったの?」(社長談)





 今日は子猫日和。4匹揃って車の下でまったり中だ。ちょっと暗いが影の中にいるのが見えるかな?



 子猫はお父さん似のキジトラが二匹。黒猫、茶トラが一匹ずつ。




 石巻ブルーレジスタンスの前。う〜ん、もう少しゴミをどうにかしてほしいが。


 さて、今日は会社の飲み会。一眼レフ持参で張り切って出勤。美人事務員さんのS氏とN氏を撮らせていただいた。う〜ん、二人とも絵になる。ファインダーをのぞいていてため息が出るくらい。

 
 飲み会前に抜け出して、がーこと子猫のところへ。始まりが小一時間ほど遅れそうだというので、これはチャンスだ。職場から日和山は自転車で15分程度である。サクッと行ってこよう、 ・・と思ったら、意外と時間がかかってしまった。





 今日は午後から晴れて、夕焼けがきれいだ。
 定点撮影スポット、もう少し西ならいいんだが、それじゃ北上川ならぬ西上川になってしまうか。



 ちなみに西側はこんな感じ。



 足が悪いので、ぺったり座ることが多くなったがーこ。



 にゃんこ(子猫)は元気に出迎えてくれた。





 最近この子がお気に入り。優しそうな気性。うちの猫と合いそうだ。




 美人事務員S氏とN氏から、どうしたの?!とLINEあり。
 結局、飲み会は30分の遅れで始まり、私は大幅遅刻状態らしい。大急ぎで向かう。
 写真上は、坂を降りている途中。正面にこんもりしているのが羽黒山。



 (約2時間後)

 帰り道のミヤコーバス。左中央に小さく見えているのが今宵の三日月。


 翌日水曜日は一眼レフを忘れてしまった。下はiPhoneで撮った朝の定点スポット。



 朝もやがかかってきれいだった。iPhone写真だとわかりづらいかな。

 こちらは夜、夕方の様子。








 日和山からは夕焼け撮影は無理だと思っていたが、この日は西に沈む大きな夕日を発見。見晴らしは悪いが見えないこともないんだな・・


 さて、そろそろ帰ろうかな、と思っていたところに、小さな娘さんを抱いたお父さん、いやお孫さんとおじいさんだろうか、がやって来た。

 小さな子供は、がーこがタンポポを食べる様子を興味深そうにじっと見つめる。


 ふらり散歩中とのこと。がーことのふれあいで少しは癒されたかな。いや、子供に癒しはいらないだろうか。でも興味深そうに見つめていたので、もし気になったらまたぜひ日和山に来ていただきたい。がーこと遊びに!
 


 何かちょっと太って来たような気がする、がーこ。



 こちらはにゃんこ。今日は子猫四匹が元気に跳ね回っていた。




 お気に入りの茶トラがやって来た。かわゆす。



 
 翌日木曜日。日和山へ向かう商店街。唯一残ったポルノ映画館。その建物奥の駐車場で猫が鳴いていた。


 近づくとトタンの仕切りの向こうに消えていった。



 病気に効く。病が治るという紫明神社を参拝。ここも毎日の散歩コース。





 紫明神社のすぐ先の30度近い坂道を登っていく。
 写真上中央のもさもさしている緑が桜の木。定点撮影スポットの一本木だ。




 ここが定点撮影スポット。日和山公園の見晴らし台。引きで撮るとこんな感じだ。




 中瀬がばっちり見えるこちらは、日和山公園の川村(孫兵衛)重吉像のすぐ側から撮影。川開き祭りでも、花火がよく見渡せるという人気の場所だ。


 体操仲間のお二人。左はいつも猫の散歩コースにつきあってくれるN氏。何かと、実は一番お世話になっている。そのお隣はなんとN氏より年上の80代、最近参加された。


 隊長のS氏。NHKで放送されたこともあり。

 最近とてもいい感じ? の隊長と、いつもお食事をご一緒させていただいているT氏。





 「がーこちゃん、がーこちゃん」
 とがーこに大きな声をかけながら毎朝やって来る隊長。
 その声が聞こえると、がーこも嬉しそうに大きな声で鳴き始める。






 日和山から降りて、ホテルの食事へ。
 正面入り口を入ってすぐのところに、七夕の短冊が飾られている。私も参戦して、願いを書かせていただいた。




 夜も日和山へ。この日は遅くなったようだ、定点スポットから見る北上川の景色はもう夜に近い。

 がーこに会って、子猫を見て。毎朝毎晩通っていたら、なんだか以前よりもっともっと日和山が近しいものに感じられて来て。
 だんだんとここに住みたいような思いがして来てしまった。

 石巻の市民になりたいものだなぁ。




 日和山山頂に鎮座する賃貸アパート。今一室空きが予定されているらしい。




 うん、広い駐車場も真ん前でいい感じだ。なんて。
 
 で、すっかり夜になった中瀬の景色。


 
 真っ暗な中でタンポポを食べるがーこ。




 今日もお疲れさまでした。ゆっくりお休みね。

 また明日!



 とそんなこんなで、日和山のがーこと猫を巡る日常。
 今週も(出勤は)あと一日。ラストを目前にした木曜の夜、グルメコーナーと称して、スタミナを付けにホルモン焼きを食べに出かけた。


 場所は石巻駅から徒歩10分、石巻ブルーレジスタンス正面のホルモン食堂食楽さん(石巻中央店)だ。

 ・ホルモン食堂食楽石巻中央点 (食べログ)





 盛岡冷麺に釣られてふらりと。

 まずは名物のしろ(豚ホルモン)を注文。



女性一人でも気楽に入れる空気がよかった。鉄板もお一人様okのちょうどいいサイズ。



 しろを焼いている途中で、石焼モツ煮を頂戴する。




 ぐお、アツアツでやって来た!
 サービスで「モツ煮におすすめ」の「フランスパン」までついて来た。店主の千葉氏におすすめの食べ方を伺うと、モツ煮中央の卵(半熟とろとろだ!)を割って、フランスパンに黄身とモツ煮のスープを付けて食べるといいそうだ。

 その様子を撮りたかったのだが、片手でカメラがうまく持てず!(申し訳ない)



 ホルモン焼き(一番人気のシロ)もいい具合に焼き上がった。



 う〜ん、柔らかくて美味しい!
 ホルモン焼きというのはあまり食べたことがないのだが、もちもち柔らかくて、これはうわさ通り体に良さそうなお肉だなと実感。お肌がきれいになりそうだ。






 (私にとって)真打の盛岡冷麺が登場。辛いカクテキが付いてる〜



 モツ煮は最後までアツアツだった。さすが石焼。



 写真は冷麺にお酢をかけて、カクテキをぶっかけたところ。ツルツルののどごしの冷麺にさっぱりスープ、カクテキの辛みも効いて美味しい!

 食楽さんでは創業以来ずっと変わらず盛岡冷麺にこだわっているという。特徴はコシの強い独特の麺とじっくり煮込んだコク旨スープ。キムチは冷麺専用に漬けられた秘伝のものだ。自慢の一品だけあって、本当に美味しく頂戴することができた。美味しかった、ごちそうさまでした!

 欲を言うと、辛いもの、味の濃いものを食べたので、喉が渇いてしまった。麦茶とか付くと嬉しいな、と思ったが、家に帰ってから、そう言えば飲み物を全く注文していないことに気がついた。
 おかしいかな、飲み屋であることをすっかり忘れ、料理を食べることに没頭してしまった! いや、申し訳なかったが、それほどお料理が美味しかったということで!




 最後に、店主の松山さんに、なにをお客さんに一番伝えたいか、をお尋ねしたところ、

 「元気が旨い。」に尽きるとのこと。

 うん、なるほど! 私も元気でずっと美味しいものを食べていけるようにがんばっていこう。元気が旨い。旨いが元気。ということで!

 元気があれば何でもできる〜! という過去の標語? をふと思い出した。
 やっぱり懐かしい町かもしれない、石巻は。

 


 ちなみに、ホルモン食堂食楽さんは、ちょっとレトロな時計や小物が並ぶ店内に、ピンクレディーやキャンディーズという昭和の歌謡曲が流れ、子供の頃の、もしくは古き良き時代の、懐かしい記憶をよみがえらせてくれるナイスな雰囲気をかもしている。ぜひ、あなたも、記憶に癒されたいときは、食楽さんへ行ってみるといいだろう。






 今日のラストは、お待ちかね、美人事務員S氏の女川ツーリングの写真だ。


コバルトラインを走り、大六天の駐車場の前にあるお魚のモニュメントで


 歓迎、さかなと観光の街、女川町! 

 女川は、震災で壊滅的な被害を受けた街だ。女川港の中心部にあったマリンパル女川の名前を聞くと、当時の凄まじい写真を思い出して、感慨深い思いがして仕方ない。
 ちなみに、マリンパル女川のおさかな市場は、内陸部へ移転して、悲願の再開を果たした。現在、仮設店舗で運営されている。

 女川から牡鹿半島はツーリング好きな人向けのすばらしい道がたくさんある。
 金華山をはじめとした牡鹿半島の島々のすぐそばを通り、海も山も最高の眺めなので、ぜひツーリング好きの方に訪れていただきたい場所の一つである。

 ・マリンパル女川おさかな市場
 ・牡鹿コバルトライン


江の島の美しい眺め

S氏と旦那様の愛車 大きい!

こちらは寄磯の養殖漁業者らの復興祭の様子

 ホヤにホタテ、お魚の美味しい女川、宮城県にぜひ遊びに来ていただきたい!
 
 おっと、おまけに一枚。写真下はS氏のお子さんが作った愛情たっぷりのおにぎりだ。顔をかいている海苔は、日和山体操のS社長がお土産にくれた韓国海苔とのこと。

 へれ〜うまく作るものだ! かわいいね?!

 S氏に貴重な写真の提供をどうもありがとうございました!!

 

 
 そして金曜日。お母さん猫とお父さん猫のツーショットをiPhoneで撮ったどー!

ぶれぶれぼけぼけだけど


 今週も最後まで読んでくれてありがとう。
 この愛しき日常に感謝して。どうか、いつまでも続きますように。

 最後の最後に、金曜日の北上川、マンガッタンの景色をお届け!

 では、また来週!







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