切っても切れない奇跡、「家族シアター」を読んで思うこと。
夏に復帰するというダウンタウンの浜田さんと松本さん。
罵り合うけれど、絶対に切れない深い絆があるお二人。
もう業界でやり尽くした感があるから、お金や規模の大きさにはこだわっていません。おそらくそう長くはない最後の一瞬のその時まで、二人で何ができるのか、どんなワクワクしたことが起こるのか、が一番大きな問題なのかもしれません。
二人揃って、ダウンタウン。
今はLINEのブロックを初めとして簡単に縁が切れてしまう時代ですが、切っても切れないお互いの縁の深さを感じさせられた復帰報道でした。
さて、今日はそんな、切っても切れない関係性アラカルト、を描いた家族シアターを読みました。大好きな辻村深月さんの短編集です。
家族シアター(辻村深月)
【あらすじ】
「家族」で起こる、ささやかな大事件。いま一番旬な作家、辻村深月の最新文庫。(中略) 近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。
(中略)真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……
あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。(Amazonより)
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・家族という存在は呪いであり奇跡である。
現代はブロックするだけで、関係を終わらせることができる時代です。
些細なすれ違いですぐ断絶することができます。
合わないならば、嫌いならば、ちょっと言い争いになったならば、切ればいい。
しかしもし切れない関係だったら。
家族というのは、そういう呪いのような切っても切れない関係です。
良いことばかりではありません。
でも、だからこそ一生涯、終わらずに続いていく、特別な繋がりなのです。
呪いでもあり、福音でもあります。
・小説「家族シアター」での気づき
印象に残ったのは、「妹という祝福」と、「孫と誕生会」という二作です。
妹という祝福では、喧嘩ばかりの大嫌いな姉妹でも、外から攻撃されると守りたくなる(大切なものを失ってさえ)さまが描かれています。
喧嘩ばかりの姉妹なのに、いじめっ子から妹を守る姉に、彼氏を足蹴にしてまで姉を守る妹の様子が共感深かった。
自分は言っても、他人が言うと腹が立つ。それが身内ですよね・・
孫と誕生会では、初めは情けなく苛立ちを持って見ていた現代っ子の孫に対して、次第に、不完全さを受け入れて、寄り添っていく祖父の様子が描かれています。
孫の人格を尊重して、愛情を持って、(孫をいじめる同級生たちを)「おじいちゃんはあの子たちは嫌いだ」というくだりには、思わず涙してしまいました。
・読者へのメッセージ
切っても切れない関係は、時に重荷に感じるけれど、それこそが私たちの人生を支える、拠り所や羅針盤となりうると言っているような気がしました。
家族でも友達でもいい、たった一人でもそんな存在を大切にできたらいいな、と思います。
・最初のダウンタウンに戻りますが・・
ダウンタウンさん、かっこいいですよね。
守りに入って、お互いを切ることもできたと思うんです。でもそうしなかった。
この現代にね。希薄な関係性に満ちた世界に、大いなる疑問符を叩きつけてやっていただきたいと思いますね。
誰が批判しても、私は味方でいたいです。
ダウンタウンチャンネル(仮)、配信は絶対見ようと思います、笑
今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。
切れない縁の暖かさに、ふと救われる日が訪れますように。
もしよければ、「家族シアター」も手に取ってみてくださいね。
きっとあなたの心にも小さな灯りをともしてくれると思います。
では、素敵な時間が訪れますよう。
願いを込めて。