サラリーマンはサムライ。途中で居眠りアリの「七つの会議」



 こんばんはー

 暑いですね。そしてゲリラ豪雨に雷がすごいですね。
 猫もしんどそうですよ。床の上にぐたっとなって、肩で息をしている。ゼイゼイ、といった感じ。毛皮着てるから辛いでしょうね。夏だけは人間はまだマシだと思います。

 さて、今日のおうちmovieはサラリーマン必見の「七つの会議」。日本の企業の体質というのは、どれだけガバナンスを徹底させても、株主が会社の持ち主となっても、変わらないんでしょうね。そんな諦めをさらっと書いてくれた映画です。


 「七つの会議」
 池井戸潤原作。野村萬斎、香川照之、及川光博主演。



 【あらすじ】
 八角民生は中堅電機メーカーの万年係長、いわゆるぐうたら社員だ。最低限のノルマだけをこなし、会議中は居眠りをし、出世レースとは無関係に飄々と働いている。そんな八角がある日上司をパワハラで訴えた。訴えられた坂戸課長は、三年近くも予算達成の新記録を更新する営業一家の精鋭だった。ダメ社員八角の主張が通り、会社に貢献している坂戸の配属先が変えられることになる。そしてなぜか坂戸はそのあと行方が分からなくなり・・


 会社は何か秘密を隠している。それを野村萬斎は掴んでいる。(なので立場が強い)というのはわかるんですけれど、その謎だけでかなり引っ張るんですよ。長い長い。しかも、「実は・・・」というくだりにはもう飽きてしまっていて、「もうわかってるよ! 会社が偽装隠蔽してるんでしょ」と怒りたくなってしまうほど。

 ただ、その謎を解いていくのが、結婚詐欺にあった女性社員と、万年二番手の営業2課の課長(坂戸の失落で営業一課の課長になった)及川光博なのね。この二人がとても、普通のいい人っぽくて好感が持てる。なので、彼ら目線で謎を追っていく、というのが、アリだなぁと思ってしまう自分がいる。

 (謎めいたぐうたら社員とかエリートサラリーマンとかの心情はよくわかりませんからね)
 



 野村萬斎の同期が香川照之なんですけど、彼がうまいのね。香川さんが出てくると、もうすごい圧力というのか。圧がすごくて、見入ってしまう。存在感が半端ない。
 能楽師に歌舞伎役者と古典ぞろいの配役ですが、ほんとみなさん(特に香川さんね)うまいです。存在感半端ないです。野村萬斎は台詞も能楽っぽくてちょっとウケましたけど。それにしてもあれはぐうたら社員には絶対見えない、ただものじゃない感がすご過ぎます。彼が主演という時点で、ダメですよね、会社の偽装隠蔽という驚きの結末がもう見えてしまっている気がします。だって、野村萬斎は正義感の人の役に違いないですから。

 まぁ、そんな私の意見を置いておいても、社会派サスペンスというのか、企業ものというのか、こういう会社の闇を暴く、というような物語は見応えがあります。

 象徴的なのは、偽装、隠蔽の元となった「ネジ」。
 サラリーマンを一個の部品に喩えることが多い世の中で、この小道具の使い方はなかなか良かったです。




 若い頃思いましたっけ。どうせ会社にとって(自分が)、一つの部品でしかないのならば、最高の部品になってやろう、なんて。
 ネジの一つであるサラリーマンの彼らが、どのような決断を下して、会社の偽装隠蔽と向き合っていくのか。終盤の香川照之から、野村萬斎へネジを手渡す場面は、なので、ちょっとした感動があります。濃い顔の二人の涙もいいですね。

 最後に、野村萬斎がマスコミに意見を求められて、今回の偽装隠蔽事件の思いを吐露するシーンで物語はエンドロールへ。

 偽装隠蔽は無くならない。日本の企業の体質は変わらない。それは日本人のDNAなんだ。サムライと同じだよ。藩が会社になっただけだ。忠誠心と言えば聞こえがいいが、所詮そこから抜け出せないのさ。

 ・・というようなことを延々と語ります。
 まぁ、そうかなとも思いますが、なんとなく違和感も感じました。そんなもんDNAなのかなぁ、というような・・・

 まぁ、私はサラリーマンじゃないから分からないだけかもしれません。でも、この映画に共感するサラリーマンって、結構日本の中でも恵まれた方たちばかりなのではないか・・・とは思います。

 戦国時代の浪人や雇われ武士が、封建制江戸時代のサラリーマン武士に違和感を抱くようなものかもしれませんが。
 ガバナンスがゆるすぎるところもちょっと古い体質っぽいですしね。


 恵まれたあなたは是非見てみてくださいませ。
 ちょっと長いけれど、(途中居眠りしてしまいました、野村萬斎かよ・・)
 見応えある社会派ドラマです。顔芸もいいですよ、笑




 では、素敵な時間を過ごされますよう。
 願いを込めて。






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