社会の縮図的イングレスで負けた教訓を探してみた。~またはダルサナ追体験スペシャル~
久しぶりに一眼レフを持って、東京に出かけた。最近スマホでばかり写真を撮っていたので、気分は既にリハビリである。一眼レフの使い方さえ忘れてしまったような気分だった。なんとか感覚を思い出しながら撮ってきたが、うん、幸い、使い方は忘れていなかったが、腰が痛くて参った。カメラの重さをきっと肉体が忘れてしまっていたんだな。いつもの東京散歩では味わうことのない、じわじわとした痛みを感じてしまったものだから、いや、やっぱり普段の行いというものは何よりも大事だね、これからはちゃんと一眼レフともっと使わなきゃダメだよ、貴方、などと自分に説教をしながら帰ってきた次第である。
で、撮ってきたデータの中に去年の東京のクリスマス・イブの写真まで入っていたからまた驚いた。いつまで放置していたんだ。せっかくだから使ってやれ、とここにアップ。懐かしいついでだ。そうそう、今日の東京散歩は懐かしいダルサナの地を巡ってきたのである。
懐かしい去年のイブの写真 |
東京駅八重洲口 |
東京駅八重洲口 |
ダルサナというのは、私がはまっているゲームの公式イベントのことで、去年の12月の頭くらいにあったのだ。こちらももう忘れかけていた。半分、記憶から消し去りたい思い出の一つになろうとしていた。ところが、下北沢から渋谷に行き、用事を済ませて、ふとゲームのミッションを開いてみれば、ダルサナミッションが出てくるではないか。イベントのアフターパーティーの会場、ベルサーレ渋谷ガーデンに行ってみよう、と来た。そういえばベルサーレ渋谷って近いのだっけ。私は閉店間際という(!)東急プラザの前にいたのだった。行ってみようかな?
ベルサーレ渋谷はあっという間だった。あの日、随分惨めな気持ちで、長々と歩いたような思いがしたが、こんなに近かったか。
何だ、このずるゲームは、何だ。より多くのものが楽しめないルールとは何だ。いや違う。そもそも試合を楽しもうというルールがきちんとあったはずなのに、それを無視する戦略とは何なんだ。その者が勝つという構造とは何なんだ。うんぬん。ダルサナは私に答えを突きつけた。どんなに実力があり、どれだけ一生懸命やろうとも、ただクソ真面目にルールを守るものは馬鹿を見るだけである(決して勝てやしない)。私に究極の答えを突きつけた最悪のイベントだったのだ。
(この究極の答えは間違っている。測定も戦略も正当である。だが、私には未来への教訓を兼ねて、そのようにもたらされたのである)
ところが、意外なことにベルサーレは近かった。そして、よく見ると随分綺麗な建物だった。おや、ガラスが斜めに張られている。これは施工が大変だからあんまりしない設計ではないかなぁ、よく造ったものだなぁ、と感心しながら写真を撮る。このベルサーレの印象の思わぬ好感度から、私のダルサナの記憶が少しずつ変化していったのである。今思うと単純だが、建築の力は大きい。私は町の建物を見ながら歩いて行った。他にもあるかもしれぬ。ダルサナの記憶を塗り替えるアイテムが。
クラスターと呼ばれる試合の舞台となったポータルはすぐ傍だった。
思い出巡りの散歩を重ねて、旧山手通りを代官山駅方面に向かって歩いていると、ふと前方でモデルと思われる男女とカメラマンが格闘している。
「はい、もう一回。次は○○でお願い」
カメラマンの指示の度に、モデル風の男女は元の位置へ戻って、また腕を組みながら歩き始める。私が見ていただけで5回は繰り返していた。
助手の方に聞いてみると、メンズナックルという雑誌の撮影だそう。
「メンズ・ナックルですか。聞いたことあるような(嘘)。オシャレな雑誌ですよね!」
ファッション誌といえば、どれもオシャレなので、当てずっぽうに言うと、なぜか助手の男性、歯切れの悪い答えをするのである。
「ああ、ええまぁ」
自宅に帰って調べると、メンズ・ナックルさんは、ちょっとホストっぽい雰囲気のチャラ男と呼ばれる男性たちに「伊達ワル」というストリートコーデを啓蒙するファッション誌で、紙面の挑発的なコピーが評判となり、(ファッションではなくコピーの面白さで)ネット上で高評価を得ている男性誌だった。
メンズナックルの撮影風景 何度も撮り直して大変そうだった |
岡田くん似の男性モデルさんに足が綺麗な女性モデルさん |
モデルさんの美男美女。撮影が終わると、真剣な面持ちで、カメラマンさんが撮った写真をチェックする。
ちなみにこの写真が載る雑誌の発売日は2月24日と言っていたかな。ぜひ見ます! と言ったら嬉しそうに笑っていたのに。アシスタントさん、すまぬ、きちんと聞いたのに忘れてしまった。
でもおかげで、この街の記憶がまた塗り替えられた。
雑誌撮影が日常にある場所なんだな。土地柄、当たり前のことではあるが、現場を目の前で見るとまた印象が良くなるものだ。
代官山町から恵比寿西まで歩く間に雨が降ってきた。大切なカメラをストールで守りながら、終点の恵比寿南一公園に到着。よほど傘を買おうと思ったが、惜しい。家に帰ればゴロゴロあるのに。いや、そもそも私は傘が嫌いだった。
濡れながら雨露に光る代官山、恵比寿の裏通りを駆け抜けた。この辺はいい。随分癒された。まるで街自体が広大な美術館のようではないか。久しぶりに撮る一眼レフでの写真も、おかげで随分楽しめた。これからはもっとちょくちょく来るようにしたいものだ。多少腰は痛いけど、カメラを持ってさ。そうだ、ダルサナの時も持っていけば良かったなぁ。ファインダーを通して、現実を見るようにすると、普段とは違ったより良いリアルが見られるような気がしてならない。
で、代官山~恵比寿の街のおかげでせっかく気持ちが上がったところを、またダルサナで傷ついた、という去年の話に戻るのだが・・
イングレスというゲームは人生と社会の縮図的な一面があるので、ゲームプレーヤーではない一般の方にも何かの参考になるかと思う。お付き合いいただけると幸いだ。
で、ダルサナの敗因に戻ると・・・
この記事を書くのに、よくよくルールのポイント詳細を見れば、書いてあるんだな、ちゃんと。基本ルールは「ワンコレゾ対決」なくせに、「ポータルを覆うCFを作れば高ポイント」だと。つまり、基本ルールと高ポイントはまるで無関係。基本ルール通りに戦ったら高ポイントは得られない。で、基本ルール通りに真面目に戦ったら、もちろん高ポイントのCFなんて作れない。(そんな暇ない)だから、エンライテンドは日本の外側からCFを作って日本を(緑のCFに)沈没させた。
うん。そもそも真面目に戦ったものが不利だということは、きちんと提示されてあったのだ。「これはズル試合ですよ、と」。違う、「額面通りに受け取って普通に戦ったら勝てませんよ、頭を使いなさいよ」、と。
それを見抜いて、日本沈没させたエンライテンドのお見事なことよ。(見抜いたんじゃなくて、知っていたのか?)
それと比べて、我が軍のお気楽なことよ。(一応下げておこう。よくクソ真面目に頑張ったものだ)
私なんか、無意味なワンコレゾのために、毎夜必死でL8~L6のレゾ集めに没頭していたんだ。L6が500で7が350、8が350・・ ああ、寒かった。真冬にどれだけ大変だったか。そんな暇があったら、当日ダルサナに参加しないで、外からCF作ることにでも知恵を使っていれば良かった。いやその前に、なんで私はそもそも事前にルールをもっと読み込まなかったんだろう。私の仕事ではないと思っていた。アホか。アホな私。
ゲームだから良かった。あれがもし本当の戦争だったら、敵のCFで日本沈没した時点で、一瞬で日本は(原発か何かで)吹っ飛んでいた、消滅していたんだ。万が一残されたものがいたとしても、もはやその戦いは何も意味がなく、戦いのルールはもはや何の意味もなさず・・・
誰も守れなかった。
それでも、恵比寿南一公園から横切るように地下を走っていくJRの電車と、その向こうに浮かび上がる恵比寿ガーデンプレイスを眺めていたら、まぁ、こんなもんかなぁ、的ないい意味での諦めの気持ちと、穏やかな思いに包まれてきたから困ったものだ。ゲームだからね。リアルじゃないしね。
楽しかったよね。うん、いいじゃん。
もっと悔しがらないと、勝てない(誰も守れない)んじゃん?
もし次回があったなら、死ぬ気でルールを見てやろう。きちんと提示されてあったんだから、出来たはずなんだ。今度こそ、絶対きちんと。平和ボケしている暇ないじゃん。なんて。
恵比寿駅前の恵比寿様に合唱して帰宅。
ナンダカンダで、ダルサナ反省会みたいになってしまった、追体験スペシャル。散歩を終えて帰れば、また明日から戦争の日常が始まる。おー頑張っていこう。
【今日の教訓】
ルールは裏の裏まで読め。基本ルールを守る者は馬鹿を見る。ルールを守ることに力を使うな、その裏をかくことに知恵を使え。
※イングレスは社会の縮図的ゲームなので、ある程度のことは一般の方の人生にも適用できると思う。上司と会社が提示したルールはよくよく読むように。
(もし、誰かを貴方が守りたいならば)
ではまた次週!
(※1週間に1度程度更新しています)