北斎の娘ではなく、応為という絵師。
週に一度のアマプラ鑑賞会。
今日は、江戸の浮世絵師の物語、「おーい、応為」を観ました。
上映中に、映画館に行こうかどうしようかと悩んだ作品です。
というのも、私は昔から長澤まさみさんのファンなのです。
そして、北斎の浮世絵も風景画も大好きな私にとって、
長澤まさみさんが葛飾応為を演じると知ったときは、胸が躍りました。
また、映画の中には北斎と応為の美しい浮世絵がたくさん出てきます。
北斎の富嶽百景。応為の吉原格子先之図。
それらを見るだけでも、映画を観る意義があるように思えました。
※以下はネタバレを含みます。未見の方はご注意ください。
「おーい、応為」
監督:大森立嗣
出演:長澤まさみ、高橋海人、寺嶋しのぶ、永瀬正敏
【あらすじ】
浮世絵師・葛飾北斎の娘であるお栄は、ある絵師に嫁ぐが、かっこばかりの夫の絵を見下したことで離縁される。北斎のもとに戻ったお栄は、父娘として、そして師弟として、北斎と生涯をともにすることになる。2人が暮らす貧乏長屋は画材や絵で散らかり放題で、茶も入れられず針仕事もできないお栄だが、絵の才能だけは父親譲り。北斎から「おーい、筆!」「おーい、飯!」と何かと頼まれることから、「応為(おうい)」という号を授かったお栄は、当時としては珍しい女性の浮世絵師として、絵を描くことに生涯を捧げる。(映画.comより)
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・長澤まさみが最初から最後までとにかく美しい
映画の見どころは長澤まさみさん。
そう言い切ってもいいくらいに、彼女がとても綺麗でした。
その美しさは、江戸時代の長屋の景色の中で浮いてしまうほど。
けれど、その浮きこそが、応為という存在の孤独を
象徴しているようにも見えました。
また、肝が座った任侠の気質のある女性として描かれていますが、
その描く絵は、吉原や遊女の妖しい絵。
粗野な気質と、繊細な絵師とのギャップが、絶妙に素晴らしかった。
応為は光と影の表現に優れ、「江戸のレンブラント」と呼ばれていたそうです。
・破天荒な北斎が印象的。
「仙人になりたい。まだ猫の絵さえまともに描けやしない」
仙人になって絵を描き続けたいと願うほど、絵のことしか頭にない北斎。
そんな絵の情熱に取り憑かれた男を、永瀬正敏さんが演じます。
この彼が演じる北斎が、とても良かった。
クライマックスには、本当の北斎に見えてくるほど。
一心に絵と向き合う北斎の生き様を、強烈に演じていました。
・北斎と応為の奇跡的な関係
北斎と応為の関係は、「父と絵の才能を受け継いだ、ただの娘」
とは思えませんでした。
北斎にはこのような右腕・・というよりも、
強力な相棒がいたのか、と初めて知り、
彼の強運や偉大な才能に思わず納得したほどです。
絵心という魂で結ばれた者同士の、深い絆。
しかしそれは、娘としての幸せと引き換えだったのかもしれませんが。
北斎と応為が親子として同じ時代に生きた偶然が、
まるで奇跡のように感じられました。
名を残したのは北斎かもしれません。
けれど、その陰で筆を握り続けた応為という女性の存在も
確かにそこにあった。
そう思うと、この映画は小さな勇気を与えてくれる作品でもありました。
最後まで、読んでくださり、ありがとうございました。
今日も心穏やかな素晴らしい一日となりますように。
願いを込めて。



