殺人鬼との愛は成立するのかーー映画「夏目アラタの結婚」を観て。

 

 こんにちは、ららです。

 今日は配信映画「夏目アラタの結婚」を観ました。


 この漫画が大好きで、以前からよく読んでいました。

 ただ、最後までは読めていないので、続きが気になって仕方がなかった作品です。

 それが2時間でストーリーを知れるなんてラッキー!(しかも配信で無料!)と喜びながら再生しました。

 ところが観終えてみると、少し短すぎたのかもしれません。

 漫画で感じていた印象とはだいぶ違っていて、戸惑いが残りました。

 

 ※この後はネタバレを含みます。未見の方、ご注意ください。

 




 夏目アラタの結婚


 監督:堤幸彦

 出演:柳楽優弥、黒島結菜、中川大志、佐藤二朗、市村正親


 【あらすじ】

 乃木坂太郎の同名ベストセラーコミックを堤幸彦監督のメガホンで実写映画化し、死刑囚との獄中結婚から始まる危険な駆け引きの行方を描いたサスペンス映画。 

 日本中を震撼させた連続バラバラ殺人事件の犯人で、逮捕時にピエロのメイクをしていたことから「品川ピエロ」の異名で知られる死刑囚・品川真珠。児童相談所職員の夏目アラタはその事件の被害者の子どもに頼まれ、まだ発見されていない被害者の首を探すため真珠に接触を試みる。アラタの前に現れた真珠は、残虐な事件を起こした凶悪犯とは思えない風貌だった。アラタは真珠から情報を引き出すため、大胆にも彼女に結婚を申し込む。毎日1回20分だけ許される面会の中で、会うたびに変わる真珠の言動に翻弄されるアラタ。やがて真珠はアラタに対し、自分は誰も殺していないと衝撃の告白をする。(映画.comより)

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 ・殺人鬼の裁判での嘘が大罪ではないかと思えてくる・・

 結論から言えば、とても面白い映画でした。

 「本当に彼女は人を殺したのか?」という疑問を軸に、息をのむような心理戦が続きます。

 ただ、奇想天外な展開も多く、少し置いてけぼりになる場面も。

 たとえば、控訴審で、品川真珠が「父親が全て殺した」と証言を翻して、細部まで語り始めるシーン。

 しかし次の裁判では一転して「自分が全てやった」と再び告白。

 この「控訴審での大嘘」が、もはや殺人そのものより重く感じてしまうほど。

 そんな大嘘つきな女性に対して、クライマックスで夏目アラタが、

 「駆け引きなどしない、正直にぶつかってきてくれた」と感動する場面では、

 思わず、「いや、駆け引きありありの大嘘つきでは?!」とツッコミたくなってしまいました。


 ・死刑囚との恋愛と結婚、その答えは・・

 死刑囚と恋愛できるか? 結婚して幸せになれるのか?

 この難しいテーマに対して、映画は一つの大きな答えを出していました。

 品川真珠は、アラタの愛によって心を開き、犯行当時17歳だったことが判明。

 その結果、死刑囚から懲役13年へと減刑されます。

 黙秘を貫いていた彼女が真実を語り始める、その変化には確かな説得力がありました。

 夏目アラタの覚悟も印象的です。

 彼は「彼女を救いたい」のではなく、「寂しく退屈な人生を、一緒に生きてほしい」と願って、最後に結婚を決めた。

 誰かを救うのではなく、「一緒に生きる」ーーその発想がとても人間的で、

 確かに、退屈ではない人生になりそうだと思いました。


 

 原作漫画は非常に濃厚で奥行きのある物語でしたが、

 映画は2時間という枠の中で描き切るには少し駆け足だったかもしれません。

 もし連続ドラマでじっくり描かれていたら、もっと深く心に残った気がします。


 最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

 今日も心穏やかな一日となりますように。

 願いを込めて。


 らら

 




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