「百年の孤独」感想(後半)。虚構が現実を超える、神話のような小説。
こんにちは! ららです。
書店で「いつか買うなら今買って」と背中を押されて手に取った「百年の孤独」。
世界文学の最高峰と称されるこの作品、ついに後半の50年間分を読み終えました。
読後の率直な感想は・・
「こんなものが書けてしまうのか・・」
とにかく圧巻。
超自然的な出来事がまるで現実のように語られ、虚構が現実を軽々と飛び越えてくる。
小説という枠を超えた、圧倒的な筆力に震えるような読書体験でした。
どこがそんなにすごかったのか?
自分なりに調べたり、感じたことをまとめてみましたので、良かったらぜひ読んでいってください。
百年の孤独(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
【あらすじ】
奇妙な寒村を開墾しながら孤独に生きる一族。その宿命を描いた、目も眩む百年の物語。〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
・どこがいいのか調べてみました!(※AI調べ&著者感想)
・マジック・リアリズムの世界観
「少女が昇天して空に消える」、「死神が迎えに来る」、「幻霊と会話する」、「街に花が降り注ぐ」など、
本来なら現実に起こり得ないような出来事が、日常の延長として淡々と描かれます。
それが逆に、幻想と現実の境界をなくし、物語全体にリアリティを与えているのです。
・圧倒的な筆力
比喩の美しさ! 言葉の鋭さ! 情景の豊かさ。そのどれもが、読者を物語の奥へ奥へと引き込んでいきます。
読むうちに、これは「小説」ではなく「神話」ではないか? とすら感じさせられます。
・百年の時間のスケール
百年という時間の中で、人々は同じ名前を受け継ぎ、
同じような感情や運命を繰り返します。
その循環が、読む物の胸に「人間とは?」という大きな問いを残します。
・物語の根底は「孤独」
物語の根底に、常に孤独が横たわっています。物語には、聖女、放蕩息子、アナキスト、冒険家など、登場人物は皆それぞれ違う人生を歩みながら、
心の奥底には深い孤独を抱えています。
この「孤独」こそが、百年の物語を支える芯であり、
読者の心を静かに震わせ続ける鍵だと感じました。
・南米マコンドの世界観
物語は一族の初めから終わり、そして、マコンドの開拓から終焉を描いています。この南米マコンドの世界観が素晴らしい。
マジックリアリズムと融合したマコンドの描写は、
まるで別の星の国の物語を読んでいるかのよう。
しかし、そこに登場する人間たちは、私たちと何ら変わらない。
だからこそ、物語の中で自分の影を見つけてしまうのです。
・私の率直な感想
とにかくすごかった。
私の感覚や肌にぴたりと馴染んで、
「こんな文章が書ける作家がいるなんて」
と驚かされました。
マルケスの文章には嫌味がまったくなく、
人間に対する洞察力がとても深いと感じさせれました。
人は気まぐれで、神経質で、残虐で、理不尽でーー
そんなありのままが描かれている。
ステロタイプな人物は、誰一人として登場しません。
だからこそ、彼らが運命に翻弄される姿に、強く心を動かされました。
さらに特筆すべきは、幻想的で魔術的な超自然現象がいくつもいくつも描かれているのに、
それが物語全体にリアリズムを与えているという逆説的な現象です。
幻想と虚構が、現実をあっさり超えていく。
そんな魔法のような現実に、私は強い感銘を受けました。
とくに一族の「アウリャレノ」という名を持つ人物たちが繰り返す運命と孤独には、言葉にならないほどの深さがありました。
ページを捲る手が止まらず、
最後が近づくほどに、読み終えてしまうのが惜しくてたまらなかったです。
フィツジェラルドの「グレート・ギャツビー」について、
村上春樹が「どこを拾い読みしても面白い」と書いていましたが、
この「百年の孤独」もまさにそう。
どの章を開いても、そこには宝石のようなエピソードが詰まっています。
秋の夜長にぜひお勧めしたい一冊です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日という日が、少しでも心穏やかでありますように。
願いを込めて。