現実が辛い時に読みたい、あたたかな物語。「そしてバトンは渡された」感想。
こんにちはー
元フジテレビアナウンサーの渡辺渚さんが、バックに黒幕がいる説を完全否定したそうです。「イケメンマネージャーもいません」とのこと。
完全に一人で活動をしているようですね・・
まぁどうでもいい話ですが・・
個人的にはこのかた、ちょっと苦手です。
最近は人間関係のトラブルが目立つニュースばかり。
でも、今日読んだ小説には人と人の繋がりに希望があった。血の繋がりがなくても、温かい家族になれる物語、「そして、バトンは渡された」の感想です。
そしてバトンは渡された(瀬尾まいこ)
【あらすじ】
家族よりも大切な家族 幼い頃に母親を亡くし、父とも海外赴任を機に別れ、継母を選んだ優子。 その後も大人の都合に振り回され、高校生の今は二十歳しか離れていない〝父〟と暮らす。 血の繋がらない親の間をリレーされながらも、出逢う家族皆に愛情をいっぱい注がれてきた彼女自身が伴侶を持つとき――。 大絶賛の2019年本屋大賞受賞作。
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主人公はいろんな他人と家族になって生活をしている優子。彼女は誰と家族になっても、その都度、彼らと一定の距離を置いた家族の関係性を築き上げて、誰にも継母、継父いじめされないという、類稀な才能をもっている少女です。
普通なら、他人とばかり暮らしているのですから、悩みの一つもあるかと思うのですが、彼女の場合は他人の家族のみんなが優しくて悩みの一つもないのが悩みだという・・
うん、こうなると、実の親と暮らしていて不幸である人たちが、嫌味か皮肉のように感じられそうですよね。
初めはピンと来なかった本作ですが、あれ、この小説面白いかな、と思い始めたのは、優子が学校でいじめに遭うシーン。継母、継父とはあれだけ上手くやっているのに、ある日、男の子にモテたことからクラスのやばい子達に目をつけれられてしまいます。
他人の親とうまく付き合っていく才能も今回は役に立ちません。いじめっ子は強烈です。
さて、どうしたものだろう、とハラハラしていると、それを継父との親子パワーで乗り切るわけですよね・・。来る日も来る日も、継父は餃子を作って、いじめられてもそれを蹴落とすような体力をつけさせるという・・ああ、そうきたか、と笑ってしまいました。
この小説を読んでいると、食べることがいかに大切かを思い出します。本当に食事のシーンが多くて、どれも皆美味しそうです。食べることは生きることの根源だと改めて思い出しました。
そして、しっかり食べていれば、大抵の人間関係はハッピーになる。
優子のようにいじめも乗り切ります。
他人の親と一緒に乗り切ります。
不思議なものです。
人との関係性は乗り越えれられないものはないのだ、と温かい気持ちになりました。これは物語の力だと思うのですが、前向きに、何事も優しくおおらかに捉えられて、とてもハッピーな気持ちになることができました。
いい小説に出会えたな、と思えた瞬間です。
継父の森宮さん、魔性の女の梨花さん(のちに病気になる)、そして旦那となる早瀬くん、どのキャラクターも魅力的で、優しくて、生の力に満ち溢れていました。
本屋大賞の割に面白いくないという意見も耳にしましたが、どうして、どうして。ここまで人に対して優しい気持ちを抱かせる、心温まる本作は、本当に良質な物語だと感じます。
心が冷えている時、お腹が空いている時に、ぜひ読んでいただきたいと思います、笑
冒頭の渡辺渚さんの話に戻りますが、こちらは心が温まる話とは180度かけ離れてるようですね。
渡辺さんはどうしてあれだけこじれてしまったんでしょうね。本当に残念でたまりません。
まぁ、私も人のことはあまり言えない人生です。偉そうなことは決して言えませんが、自分の人権ばかりを叫んで、他人の人権を踏み躙らないように気をつけたいと切に願います。
今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。
素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。