こんばんは。
20年ぶりに映画館でポップコーンを食べたらら(著者)です。いやぁ、量が多いですね、とてもじゃありませんが、食べきれませんでした。あれ2人分だとしても多いと思いますね・・・
さて、今日は北野武監督作品の「首」を見てきました。
北野武監督が昔から好きなんですけれど、特に良かったのは「キッズ・リターン」ですかね。DVD買って何度も見ましたね。
日本人の映画監督では、黒澤明監督の次にいいと本気で思ってるんですが・・・
その北野監督の最新作が出たというので、意気込んで見に行ってきました。
本当は「翔んで埼玉」が見たかったのですが、いやいや、そこはこっちが先でしょ、と、笑
結果から言うと、結構良かったですね。ものすごーく期待したほどではなかったのですが、それにしても、素晴らしかったです。ああ、こうきたか、と思ってしまいました。日本の膿を出した作品とでもいうのでしょうか。
つい最近、「こんにちは、ジャニーズ北野川です」と全然笑えないギャグを言って、話題になっていましたけれど、内容が本当に、あの性加害問題のジャニーズもびっくりのパワハラ、セクハラの「ハラスメント世界」を描きだしているんですよね。
わかる、わかる。日本って昔からこんなでしょう、と思わず思ってしまいましたよ、いや知らんけど、生きてないけれどそんな昔。でも、そんなふうに、あるある男社会だ、とつい思ってしまったわけです。
閉鎖的なサムライ社会だったら尚更なんじゃないかと。昔から私、男の方の闇や暗部にものすごく空恐ろしいものを感じていて、女性の御局様のいじめなんか比べ物にならないくらい、男の方のハラスメントというのは壮絶だと思っているんですよね・・・
だから男社会の暗部というものはもう言わずもがなで。
まぁ、個人的な意見ですけれど、男の方は身に覚えありません??
男色は極端な例えですが、あのネチネチとしたハラスメント・・ねぇ??
内容的には、そういった日本の闇(と言ってしまっていいのでは?)を描き出している素晴らしいものではあったのですが、それ以上に〜
何が良かったって〜 役者さんがね。もう最高でしたね。
北野監督は昔から役者さんを使うのが上手くって。北野映画のマジックにかかると、どの俳優さんも皆素晴らしい演技をしてしまうと言うのか。
私、ちょっと前の話ですが、日曜劇場のVIVANTの最終回を見ているときにね、なんだこの嘘くさいストーリーは、って、脚本の馬鹿馬鹿しさに引いたんですよ。それがね、役所広司がね、彼の個人の演技力で、全部その嘘臭さを本物に変えてしまったんですよね・・・
うわぁ、すごい。と思いました。上手い俳優さんというのは、嘘を本物にしてしまうんだなぁ、しかも、明らかに稚拙な脚本なのに、それを真実のリアルに変えてしまうんだなぁ、と。
ほんとにびっくりしたんですけれど、そのVIVANTの衝撃と少し似ていましたね。
「首」の脚本の方は稚拙ではなかったですけれどね。むしろ、男のハラスメント(あるある)を天下取りの野心が凌駕していくような(こちらもあるある)、色恋沙汰をあっさり超えていくシビアな世界観が、本当に、身につまされるというのか・・・ いや知らんけどね、そんなの味わったこともないし! でもあるあるだとつい思わされてしまう手に汗握るリアリティーなんですけれどね。
そのリアリティーの脚本を、役者さんのリアルな演技がまた超えていくわけですよ。彼らの存在感が物語を超えて現実にしていくというのか。
いやはや、素晴らしい演技でございました。
特に良かったの、西島秀俊さん、男を狂わす魔性の男、明智光秀役がただ真面目だけの男なんですけれどね、その真面目なだけの西島さんがヒシヒシと魔性っぽい感じで良かったですね。
それに曽呂利新左衛門の木村祐一さん、元忍びの役なんですが、とても光っておられました。もうお笑いとは言えませんね、この方、役者で食べていけると思います。いや、上からこんなこと言ってごめんなさい、個人的な意見ですけれど・・・ほんといい味出してるなぁ、と思いました。
それと、やはり荒木村重役の遠藤憲一さん、この方、演技でいつも目が泣いてるんですよねぇ。あの潤んだ目にドキュンとやられました。
他にもたくさんいい役者さんがおられたんですが、特にこの3人でしょうか。記憶に残ったのは・・・いや、いや、違った。もう一人忘れておりました。
最優秀男優賞を個人的にあげたい方、織田信長役の加瀬亮さんです。いやー まぁ、凄かったです。凄まじかった。今まで見た織田信長の中で一番、織田信長のイメージにぴったりでございまいた。まさに、イメージ通りの、いっちゃってる人、でしたね、笑
そんなこんなで、役者さん達の名演技を見るだけでも楽しい「首」でございました。
機会があったら、ぜひ映画館に足を運んでみてくださいませ。
そして、サラリーマンあるある・・もとい、男社会あるある、を空恐ろしく感じてみてくださいませ。
今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。
素敵な時間をお過ごしくださいますよう。
願いを込めて。