逆襲がうざいくらいで困っています。
「アメリカンチェリーの逆襲!」
今日は安住紳一郎さんが書いたアメリカンチェリーにまつわるお話。
「私はアメリカンチェリーが好きだと思ったことは一度もない!」(安住紳一郎氏談)
最近、スーパーでやけにアメリカンチェリーを見かけませんか?
まぁ、旬だというだけの話なんでしょうけれど。
でもね、自由貿易の時代になって、以前よりさらに増えたように思うんですよね。もううざいくらいに見かけてしまう。
私はそれが気にくわない。
でも、実際の日本は真逆だったようで。
アメリカンチェリーの逆襲をスーパーで目の当たりにするたびに、今の日本のダメさ加減を痛感して、げっそりとしてしまいます。
でも、安住さんのお話は、さくらんぼを恋人や女性に例えていたりして、とても面白いので、是非読んでみてくださいね。
こうやって、難しい時事を面白おかしく語れる大人って理想ですね。
↓ ↓ ↓
〜こちらより 引用開始〜
安住紳一郎さんが2012年6月にTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』で話したトークの書き起こし。さくらんぼ大好きな安住紳一郎さんが、アメリカンチェリーに対する団塊ジュニアの複雑な思いを語っていました。
(安住紳一郎)さて、6月に入りまして果物の美味しい季節が近づいてきましたね。
(中澤有美子)ああ、そうですよね。
(安住紳一郎)みなさんはお店、スーパーなどで、最近はどんな果物を見かけましたでしょうか?そして、買いましたでしょうか?これから本当に、果物の美味しい季節になって。さくらんぼですね。それから、桃と続いて、メロン、スイカ、さらにはブドウですね。茶ブドウか。ですね。と、夏に向け、果物のビッグスターたちが次々と売り場を賑わすということになるわけですが。
(中澤有美子)そうですよねー。
(安住紳一郎)こんなに暗い口調で果物の話をされても、みなさんも困ると思いますが。
(中澤有美子)(笑)。はい。なんか、いい話なのかどうか、ちょっといま、わかりかねるので様子を見てましたけど(笑)。
(安住紳一郎)はい。怖いですよね。こんな声色で。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)『(暗い声で)これからはさくらんぼの季節ですね』みたいなことを言われても困るわけですけども。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)私は特に、さくらんぼが好きだということは何回も話しているので覚えてくださっている方もいらっしゃるかもしれませんが。特にさくらんぼが好きで。毎年、食べる、食べないにかかわらず、注意深くそのさくらんぼの動向を常々観察しております。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)食べる、食べないにかかわらずですね。私、比較的スーパーとかを覗くのが好きなものですから。
(中澤有美子)そうなんですよね。お詳しいです。
(安住紳一郎)体が冷えるまで、スーパーの売り場をウロウロしております。
(中澤有美子)そんなですか(笑)。
(安住紳一郎)さすがにもう寒いなと思うと外に出るんですけども。そして、今年ですね。正しくは昨年からくらいなんですけど、これはみなさまに、さくらんぼを毎年観察している者として、みなさまにこれはお伝えしなければならないとの確信に至った現象がございます。
(中澤有美子)はあ。
(安住紳一郎)なので、今日少し時間を使ってみなさまにお伝えしたいと考えております。
(中澤有美子)は、はい・・・。
(安住紳一郎)結論から申し上げますと、あの、本当にふざけているわけじゃないんですが。結論から申し上げますと、みなさん、アメリカンチェリーが逆襲を始めましたよ!ということです。
(中澤有美子)ふーん。
(安住紳一郎)ええ。アメリカンチェリーの逆襲が始まった!
(中澤有美子)ほう。
(安住紳一郎)うん。すでに気づいている方も多いと思うんですけども。これは、本当に大きな転換期です。大事なことなので、もう一度言いますけどもアメリカンチェリーが逆襲を始めたよ!
(中澤有美子)(笑)。ほ、ほう・・・ほうほうほう。
(安住紳一郎)あのね、本当に笑い事ではない。アメリカンチェリー。みなさんもご存知だと思いますが。日本のさくらんぼが出まわる2週間から1ヶ月くらい前に、アメリカンチェリーっていうのがだいたい店先に並ぶんですが。たぶんいま、ちょうど並んでいる頃だと思うんですけども。
(中澤有美子)ええ、ええ。
(安住紳一郎)大体、私の感覚ですと1パック398円ぐらいの時代が長かったんですけども。最近はアメリカンチェリーもずいぶん高くなってきていて。500円くらいに、普通に値段がついていたりしますけども。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)はい。そして、私はアメリカンチェリーを好きだと思ったことは、これまで一度もない!
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)うん。みなさん、いかがですかね?アメリカンチェリー、好きだっていう方、いらっしゃると思いますし、アメリカンチェリーの関係者の方が聞いていたらとてもね、ちょっとあの、聞き流すことは出来ないと思うんですけども。私はアメリカンチェリーを好きだと思ったことは一度もない。
(中澤有美子)(笑)。結構食べているのはお見かけしましたけど、そうだったんだ。内心は。
(安住紳一郎)ただ、ご指摘のように、それはその、本当は日本のさくらんぼが食べたい。日本のさくらんぼが好き。ただ、日本のさくらんぼはちょっと高い。佐藤錦はもちろん、高砂とか紅秀峰とか品種がありますけども。日本のさくらんぼは、やはり高価な食べ物で。なかなか手が出ない。なので、手が出ないので、その代用として仕方なく、アメリカンチェリーを私は毎年食べているという・・・なんというのかな?理論的に説明するとそういうことなんですよ。
(中澤有美子)そうだったんですね。そうだったのかー。
(安住紳一郎)この気持ち、わかってくださる方、いると思うんですよ。本当は日本のさくらんぼを食べたいんだけれども、高価なので、その代用として仕方なく、アメリカンチェリーを食べている。あるいは、日本のさくらんぼの出まわる時期っていうのは本当に短くて3週間ぐらいで。出てきたと思ったら、すぐ引っ込んじゃう。で、さくらんぼ好きにとってみると1年中そのさくらんぼを食べたいという気持ちを抱えているんだよね。
(中澤有美子)ええ、そうですね。
(安住紳一郎)そして、夏の終わり、秋、冬、春とずっとさくらんぼを食べたいという気持ちをこう、抱き続けているので、5月の初旬とか中旬にアメリカンチェリーがスッと出てくると、うっかり待ちきれずにそれに食いついちゃうっていう。
(中澤有美子)そうそうそう!そうですー。
(安住紳一郎)この感じ、わかりますよね?うっかり待ちきれず、アメリカンチェリーを食べちゃうんだよね。
(中澤有美子)(笑)。食べちゃう。
(安住紳一郎)本当はね、日本のさくらんぼが出てくるのを待ちゃあいいんだけどね。こう、本命の彼女が登場するのを待ちきれず、手頃な女性で手を打ってしまうという、工業高校男子みたいな、うっかり加減だよね。
(中澤有美子)そのたとえはどうでしょう?(笑)。
(安住紳一郎)そうでしょう?だって。本当は待っていたらもっと上玉をつかまえられるようなね、器量よしの男子なんだけれども。うっかりその、青春時代の欲望に負けてね。手近なところで手を打っちゃったりとかして。
(中澤有美子)飢餓感から。はあ。
(安住紳一郎)そういう例は結構みなさんの身近にもあると思うんですよ。『あいつずいぶんと低いところで手を打ったな』っていうようなことがね、あると思うんですよ。こういうことがある。えっ、違いますか?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)違うのかしら?
(中澤有美子)そうか・・・そうね、そうかも。でも、食べたら美味しい。
(安住紳一郎)まあ、美味しいですよ。アメリカンチェリーも。アメリカンチェリーも美味しい。あの、日本のさくらんぼにはない、ちょっとブリブリッとした感覚。あと、果肉がとても多い感覚。そして、なんかね、注射針で果汁を入れたのか?っちゅうぐらいの果汁が出てきたりしたりして。
(中澤有美子)色も濃くて。ええ。
(安住紳一郎)でも、でも日本のさくらんぼの方が美味しいでしょ?
(中澤有美子)そうですねー。ど真ん中の日本のさくらんぼは本当に、繊細な味で美味しいです。
(安住紳一郎)そうですよね。と、思うんですよ。またアメリカンチェリーは、日本のさくらんぼはよくね、山形の農協の人たちがつけたキャッチフレーズがありますけど。ねえ。『お口の恋人』とか『恋人の味』とか。こう、繊細な感じのね、淡い感じのイメージで。それに比べてアメリカンチェリーは、ド紫、ドス紫みたいな。
(中澤有美子)そうですね(笑)。
(安住紳一郎)なんか場末のスナックのソファの色みたいな。わかります?
(中澤有美子)ビロードの(笑)。はあ。
(安住紳一郎)なんかこうね、種を出した時のティッシュにつく果汁の染め具合もなんかね、容赦無い感じの。繊細さとかない感じの。日本の着物にはないようなさ、色じゃない。なんか。
(中澤有美子)(笑)。まあ、そうですね・・・(笑)。
(安住紳一郎)なんかこうやっぱ大味っていうか、まあ、美味しいんだけれども、やっぱり日本のさくらんぼに比べると大味だなっていう感想はやっぱり・・・
(中澤有美子)そうですね。ちょっと違うものだなって。
(安住紳一郎)否めないですよね。ところが、その、先ほどからすでに中澤さんの指摘がありますが。最近、中澤さんの指摘が鋭いので、私の話の結論の先、先を行ってしまうんですけども。
(中澤有美子)すいません、すいません(笑)。
(安住紳一郎)いや、いいんですよ。いいんですよ。そう。ところがその、人間の味覚というものは案外いい加減なもので。美味しいと感じる基準っていうのは結局育ってきた環境に影響されるところが大ですよね。ええ。慣れ親しんだ味がやっぱり美味しいと思う。うん。
(中澤有美子)ええ、ええ。
(安住紳一郎)母親の料理の味が美味しいと思うのは、それはやっぱり、ねえ。超一流のシェフと自分の母親が料理を作ったら、どう考えたって一流のシェフが作った料理の方が美味しいんだけども。ずっと母親の料理で育ってくると、結局そっちの方が美味しいって感じる自分がいるってことは、結局それは絶対的な美味しさではなくて、自分の環境がそうさせているわけですよね。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)日本人はよく、納豆が好きでね。外国の人は『なんでこんな、腐って糸をひいているものが日本人は好きなんだ?』ってびっくりされるみたいですけども。私たちだって、外国の人に『じゃあ日本人はなんで納豆が好きなのか?』と聞かれたら、究極的には『小さい時からみんなと一緒に食べて、美味しいと思っているからだ』ということなんだと思いますよ。
(中澤有美子)そうですね。ええ、ええ。
(安住紳一郎)なので、あの、なんですかね?妥協の産物的にこう、アメリカンチェリーをね、食べ続けてきた歴史があるわけじゃないですか。
(中澤有美子)はい(笑)。
(安住紳一郎)心の奥ではアメリカンチェリーを認めてはいないですし、私は『アメリカンチェリーが好きですか?』って聞かれると、『好きではありません』ってはっきり答えるんだけど、体は5月の初旬になるとアメリカンチェリーを欲しているんだよね。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)食べたいんだよ、やっぱり。これ、わかりますかね?この感覚。難しいことを言ってますけどね。みなさんだったら理解してくれるはずですよ。認めちゃあいないんだよ。うん。
(中澤有美子)(笑)。理性ではね。
(安住紳一郎)理性ではね。『アメリカンチェリーなんて』っていう。『代用ですから』みたいな。『あくまでも、仕方なく』みたいなね。ええ。
(中澤有美子)『つなぎです』って。
(安住紳一郎)『つなぎです。正規会員としては認めてないんですよ』っていうね。『ただ、ちょっと正規の会員の方が来るのが遅いんで、特別に、私の体の中に入れてるんですからね、アメリカンチェリー』っていうね。ええ。『特別にね!』みたいなね。うん。その矛盾にみなさん、苦しんでませんか?
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)苦しんでないかな?
(中澤有美子)そこまでは・・・(笑)。
(安住紳一郎)苦しんでない?私はずーっと苦しんでる。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)日本のさくらんぼの方が美味しいとわかっているんだけども、5月の初旬にアメリカンチェリーを見せられると、我慢ができないんだね。うん。さらにですよ、おふざけはこれぐらいで真面目な話になりますよ。年代的な要員もここに加わってくるんですよ。
(中澤有美子)ふーん。
(安住紳一郎)アメリカンチェリーの日本への輸入の解禁っていうのが、ちょうど私が6才くらい。昭和53年?54年?1979年。アメリカンチェリーの輸入解禁。当時はすごい大騒ぎしたんですよ。山形のさくらんぼ農家がね、大打撃を受けるとかいってね。牛肉オレンジ輸入解禁の前ぐらいですよ。
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)アメリカンチェリーの輸入の解禁が1979年。たしか、ごめんなさい。ちょっとうろ覚えで。そして、全面解禁が平成2年かな?3年かな?で、昭和54年に出回りはじめて、平成2年にもうドバドバ市場にアメリカンチェリーが並ぶようになった。で、この日本におけるアメリカンチェリーの年表とドンピシャ重なってくるのが、私たち第二次ベビーブームの人間たちなんですよ。
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)なので、やっぱりこう、ね。離乳食をとり始めて、ようやく自分の好きなものとかが言えるようになった5才、6才ぐらいの時にアメリカンチェリーというものを世の中が知りはじめ。そして食べ盛りの小学校、中学校ぐらいの時にアメリカンチェリーがダイエー、イトーヨーカドーでドワーッ!とこう、並んだわけですよ。ええ。そしてさくらんぼはお腹いっぱい食べられないし高価だったから、母親も第二次ベビーブーマーにはそんなものを与えない。で、アメリカンチェリーを洗剤でジョーッ!って洗ってね。
(中澤有美子)そうね(笑)。
(安住紳一郎)『ほら、食べなさい!そんなにさくらんぼ食べたいんだったら、お腹いっぱいこれ、食べなさい!』みたいな感じで、アメリカンチェリーをドンッ!とこう、胸元に突きつけられたのが第二次ベビーブーム世代よ。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)なので、他の世代の人たちとちょっとアメリカンチェリーに関する捉え方が違うんだよね。私たちの世代は。
(中澤有美子)へー!そうなのかー。
(安住紳一郎)うん。で、いま世の中を中心的に動かしているのはこの団塊ジュニアの私たちの世代だから。もうね、団塊の世代は定年なさりましたので、いま比較的この消費活動の中心とされているのは、東京都内のマンションの値段を上げ下げするのはこの団塊ジュニアの世代ですよ。
(中澤有美子)ああー、私たち。
(安住紳一郎)この第二次ベビーブームがこのアメリカンチェリーの日本での歴史とドンピシャなんですよ。そして、私たちの世代はその、あくまで暫定的措置としてね、アメリカンチェリー好きになっていることをわかってはいるんだけど、いつか自分が大成したならば、日本のさくらんぼを腹いっぱい食べてやりたいという気持ちを持っている世代なんですよね。
(中澤有美子)ああー。
(安住紳一郎)まあ完全にあの、データは取っていないんで、私の気持ちをただ述べているだけだけれども。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)そうなんですよ。
(中澤有美子)なんか、はい。でもとっても納得したような。
(安住紳一郎)そうですよね。だいたい昭和46年から昭和50年ぐらいの第二次ベビーブームね。幼稚園に入ったら、クラスの教室がなかった世代ね。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)貧乏くじ世代と言われているけども。
(中澤有美子)プレハブ(笑)。うん。
(安住紳一郎)そう。自分たちのちょっと上はバブル世代。ちょっと下は女子高校世代とかね。そうそうそう。なんか、起業家世代とか言われちゃってね。
(中澤有美子)そうなのね。
(安住紳一郎)私たちが教頭先生の話を静かに聞いていた最後の世代だから!
(中澤有美子)そうだったのねー!
(安住紳一郎)学級崩壊なんてふざけるな!っていうね。体罰ギリギリ世代って言われているけど。
(中澤有美子)(爆笑)。悲しい!
(安住紳一郎)そうですよ。体罰ギリギリ世代だから。
(中澤有美子)そう!まだあったよ、名残がね。
(安住紳一郎)中澤さんもそうでしょう?昭和51年。
(中澤有美子)あ、そうですよ。50年。
(安住紳一郎)50年。そう。で、日本のさくらんぼをいつか、お腹いっぱい食べてやる!という強い気持ちを持っているんだよね。むしろ日本のさくらんぼに対して強い憧れを、ものすごく抱いている世代なんですよね。うん。さあ、そして問題はこっからですよ。
(中澤有美子)はい。
(安住紳一郎)そんなね、団塊ジュニア。私たちが間もなく40を迎えようとして、ようやく子育ても一段落して、少しお金が自由になって。じゃあマンションでも買おうか?みたいなね。ようやく趣味の車でも買おうか?みたいな。そういうことになってきてるわけでしょ?
(中澤有美子)うん。
(安住紳一郎)そして、ようやくアメリカンチェリーを卒業し、日本のさくらんぼに大手を振って進めるんだ!という状況になっているわけですよね。
(中澤有美子)ああー、はい。そうかも。はい。
(安住紳一郎)ねえ。まあ、あなたはね、恵まれたその旦那さんとの生活があるから。ずいぶん前に日本のさくらんぼに移行しているのかもしれないけれども。山梨に親戚がいるから。さくらんぼを自由に食べているのかもしれないけれども。多くの団塊ジュニアたちは、ようやく、この40を前にしてね、食も少し細ってきたから。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)日本のさくらんぼに行けるんだ!と。
(中澤有美子)たしかに(笑)。肉より魚になってきた。うん。
(安住紳一郎)状況になったのに!2009年ですよ。今度、年表が進みますよ。アメリカンチェリーの年表が。2009年。3年前ですか?今度は、レイニア種という白肉種のアメリカンチェリーが輸入が解禁になるんですよ。
(中澤有美子)白肉種?
(安住紳一郎)はい。アメリカンチェリーレイニアっていうんだけれども。ちょっと仮面ライダーアギトみたいな感じになっちゃってるけれども。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)これまでのアメリカンチェリーはダークチェリーって言われて。要するにちょっとあの、濃い紫色の。赤紫。マホガニーレッドっていうのかな?ちょっとね、俺は『ドドメ紫』って呼んでいるだけれども。
(中澤有美子)(笑)。本当ですね。なんかあの、チェリーパイに乗っている感じの、濃い濃い紫ですね。
(安住紳一郎)あの、ビングー種っていうんですけども。その、ビングー種のアメリカンチェリーしか・・・っていうかまあ、他にもちょっと似た種類があるんだけれども。主にその暗い色をしたダークチェリーっていうものしか入ってきてなかったんだけれども。3年前に、レイニア種っていうあの、クリーム色でちょっと上がね、赤みがかっていて。完熟すると真っ赤になるのかな?本当に日本のさくらんぼに近いような色合いをもって、形はアメリカンチェリーのままなんですよ。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)で、大きくてっていう。白肉種。白い肉の種類が3シーズン前に日本への輸入が認められるようになって。たしかこれは、日本にはいない蛾の幼虫かなんかの検疫かなんかで輸入できなかったとか、ちょっとあの・・・消毒のなんかがオゾン層がどうたらこうたらの、そのなんかアメリカと日本とのやり取りの中で輸入が解禁されたっていう経緯があるんですけども。
(中澤有美子)ふーん。
(安住紳一郎)で、これが3シーズン前に日本に入ってきているんですよね。これはどういうアメリカンチェリーか?というと、アメリカンチェリーの中でとても高価な種類何ですよね。ええ。生産量も少なくて、アメリカ人でもなかなか食べれないって言われていて。アメリカンチェリーの佐藤錦って言われる。誰が呼んでいるのか知らないんだけれども。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)そんな両方知っている人はなかなかいないと思うんだけれども。ええ。言うなれば、アメリカンチェリーの佐藤錦。結構値段が高いんですよね。たぶん日本の結構いいさくらんぼと値段が一緒ぐらい。
(中澤有美子)おおー!
(安住紳一郎)私、去年、有楽町の駅前の果物屋でただ一度だけ見かけましたけれども。一山やっぱり1500円してました。なんで、結構いい値段、するんですよ。
(中澤有美子)そうですねー。
(安住紳一郎)それで、3シーズン前から日本に入ってきて。たぶん果物好きとかちょっとそういうものに興味があって、いろいろインターネットでお買い物とかしている人は、たぶん去年か一昨年ぐらいに食べているはずなんだけれども。
(中澤有美子)ふーん。
(安住紳一郎)これがその、ブリッとした噛みごたえはアメリカンチェリーのままで、皮がちょっと薄くて、日本のさくらんぼに味がちょっと似ているんだよね。
(中澤有美子)似ている!
(安住紳一郎)ただし、決して同じではない!同じではないけれどもね。なので、アメリカンチェリーと日本のさくらんぼの真ん中のような味を持ったのがアメリカンチェリーレイニア。うん。
(中澤有美子)へー!
(安住紳一郎)そして、結構高いんですよ。一箱やっぱり8千円とか。高いものだと2万円ぐらいする。本当に佐藤錦に近いぐらいの値段がしているんですけども。去年、2011年がちょうどそのレイニア種がアメリカのオレゴン州だかワシントン州だかでとても豊作の年で。日本に入ってきて、値段が少し下がったんですよね。それで、比較的私たちがよく行くようなスーパーにも1年の中で1週間くらい出回った時期があったんですよ。
(中澤有美子)へー。
(安住紳一郎)で、私も去年、有楽町でたった1回だけ見かけたんだけれども。それで昨年、2011年に日本でこのレイニアが出回ったことで、たぶん今年から来年、再来年にかけて、アメリカンチェリーレイニアブームっていうのが起きるのは間違いない。
(中澤有美子)間違いないですか!?
(安住紳一郎)間違いない!これは、間違いない。
(中澤有美子)ええーっ!?
(安住紳一郎)食べたっていう方はたぶん、実感できると思うんですけど。まさにアメリカンチェリーと佐藤錦の真ん中ぐらいの味わいを持っているんですよ。問題はここですよ。アメリカンチェリー世代で育った私たち第二次ベビーブームは、間もなく佐藤錦に順調に卒業しようとしていたここに来てだよ、急に選択肢をもうひとつ、突きつけられてしまったわけね。
(中澤有美子)あ、本当ですね。
(安住紳一郎)ええ。そして怖いのが私自身、もしかするとレイニアの方が美味しく感じてしまうんじゃないか?っていう、その自分への裏切り?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)これに苛まれているのよ。
(中澤有美子)苛まれている(笑)。
(安住紳一郎)どうしたらいいんだ?っていう。
(中澤有美子)悩んじゃってる。
(安住紳一郎)これまでずーっと信じてきた、佐藤錦への道をさ、急に誘惑が生じ始めたんだよね。
(中澤有美子)なるほど。ここへ来て。分かれ道になっていると。ほう。
(安住紳一郎)マリッジブルーみたいな感じだよね。『本当に?佐藤錦に行っていいのか?』みたいな。『私は本当にこれで幸せになれるんですか?』って。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)ちょっとね、不思議な感じよ。
(中澤有美子)そうなんですねー。へー、そのレイニアは、いいとこ取りなわけですか?両方の間っていうのは。
(安住紳一郎)日本人から見ると、佐藤錦とアメリカンチェリーの真ん中っていうような感想を持つのかもしれないけれども。アメリカ人とかカナダ人からしてみると、まあアメリカンチェリーの高級版というような感じで。当然、ここはね、間違いないところ。日本のさくらんぼの味には追いついてはいない。ただ怖いのは、第二次ベビーブームはアメリカンチェリーで育ってきているので、慣れ親しんだ味を求めてしまうが故に、佐藤錦ではなく、レイニアを選択してしまうんじゃないか?という恐れがある!
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)長い?くどい?うるさい?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)あなたたちの感想は関係なく、今日は私の言いたいことを言うよ!
(中澤有美子)(笑)。もう、寝ても覚めてもその不安と戦っているんですか?
(安住紳一郎)戦ってますよ。どうするの?これで。まあちょっとね、上手く自分の感情を表現できないんだけれども。なんなんだ?って。他の世代から聞くと、『いいじゃないか。新しくひとつ、選択肢が増えたんだから。好きな方にいけばいいじゃないか!』ってね。
(中澤有美子)ねえ。本能のおもむくままにね。
(安住紳一郎)ねえ。ところがですよ、やっぱり買うね、また悔しいのは、私たち第二次ベビーブーム、団塊ジュニアが40才を迎えようとしている、ようやく自由になれるような年代の2009年になぜ解禁するんだ!?アメリカ農務省はたぶん、団塊ジュニアの購買力を意識しての解禁じゃないかと。俺はそこまで読んでいるよね。
(中澤有美子)(爆笑)。なるほど。アメリカの陰謀だと。
(安住紳一郎)そうですよ。ねえ。進駐軍が入ってきてさ、小学生たちにパンを食わせてさ。パン食文化みたいなのを根付かせて。結局日本人は大きくなるとそのね、『ご飯もいいけどパンもいいね』みたいな国民になっちゃったわけだ。
(中澤有美子)なっちゃったね。
(安住紳一郎)それはやっぱりアメリカのさ、GHQのやり方でしょ?要するに小麦をね、アメリカからドバドバドバドバ輸入して、日本人がね、パンをいっぱい食べるような国民にしてればね。
(中澤有美子)米だけでは生きられないようにしてしまったと。
(安住紳一郎)で、『米を食べるのダサい』みたいなことを植え付けてきたわけでしょ?
(中澤有美子)そうですね。
(安住紳一郎)ふざけんな!っていうね。ええ。で、アメリカンチェリーもさ、ドーッ!と押し寄せてさ。ブワーッ!と売りつけてね。で、口をアメリカンチェリーに慣れさせておいて。そして、団塊ジュニアが金を持ったところを見計らっての、レイニア輸入解禁!みたいな。『こういうのもありますけど』みたいな。
(中澤有美子)(爆笑)
(安住紳一郎)買えちゃうわけだ。私たちは。これまでは買えなかったけれども。1パック1500円?出せるけれども・・・みたいな感じになっているわけだ。
(中澤有美子)ちょっとね、そう(笑)。
(安住紳一郎)なんなんだろうね?
(中澤有美子)そっか!
(安住紳一郎)そうですね。
(中澤有美子)でも、食べたいような。はい。本当これ、大問題なんですね。最初に思ったよりも(笑)。
(安住紳一郎)大きいでしょ?アメリカンチェリーの逆襲っていうのがまさにその通りだっていう結論に至りませんか?なんで、これまで純粋に抱えていた、私の日本のさくらんぼをお腹いっぱい食べたいっていう欲求を、素直に世の中は後押ししてくれないんだ!?
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)なんでこんなに苦悩を抱えなきゃいけない世代なんだ!っていうね。貧乏くじ世代のその・・・
(中澤有美子)極めつけは、さくらんぼだったと(笑)。
(安住紳一郎)と、思いませんか?思わないか?思わないな。
(中澤有美子)思わなかった、けど(笑)。一理ある。
(安住紳一郎)ね。レイニア種っていうさくらんぼがたぶん本当に高価なもので。そうですね。スーパーで売っていても800円は下回らないような値段がする。そしてちょっと日本のさくらんぼの色が似ていて、ものが大きいので、ちょっと目を奪われると思うんですよ。『えっ、こんなさくらんぼが?』なんていって。『えっ、これがアメリカンチェリーなの?』なんて方が続出すると思うんですよ。で、今年・・・今年はちょっと無理かもしれないけど、たぶん来年、再来年ぐらいに、たぶんちょっとしたブームが起こると思うんだけれども。いまの話をよく思い出してね、
(中澤有美子)は、はい。
(安住紳一郎)で、自分がどういう道を進めば幸せになれるのか?っていうのを考えてね。ええ。
(中澤有美子)日本の国益も考えて。
(安住紳一郎)そう。日本の国益も考えて。で、アメリカの策略も考えて。山形の農家の人の気持ちも考えて。そして私たちが後世に残すものも考えて。ええ。
(中澤有美子)自分の気持ちを大事にして(笑)。
(安住紳一郎)自分の気持ちを大事にして。そして子どもにはどのさくらんぼを与えたらいいのか?とかね。そういうことも考えて。
(中澤有美子)熟考してですね(笑)。ええ。
(安住紳一郎)お願いしたいなという風に思っています。私が伝えたかったことは、こういうことです。はい。
(中澤有美子)(笑)
(安住紳一郎)長くなりました。本当にごめんなさい。
<書き起こしおわり>
〜引用終了〜
文字起こしどうもありがとうございます。おかげで面白い記事が読めました。
ではでは、今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
素敵な時間を過ごされますよう、願いを込めて。