日本に対する皮肉とも受け取れるアメリカ黒歴史の暴露「ザ・レポート」

 

 こんばんんはー

 寒くなりましたね。もう晩秋を通り越して、冬の匂いがします。

 季節が巡るのが年々早くなりました。


 さて、今日のおうちmovieは、アマゾンオリジナルの「ザ・レポート」です。


 「ザ・レポート」

 スコット・Z・バーンズ監督。アダム・ドライバー、アネット・ベニング、ジョン・ハム出演。



 【あらすじ】

 アメリカ合衆国上院調査スタッフのジョーンズは、ダイアン上院議員からCIAの尋問プログラムについて掘り下げて調査するように命じられる。尋問プログラムは9.11以降に強化された拘留、尋問の手法で、その実態は、心理学者の博士が生み出した拷問による強化尋問技術だった。ジョーンズのチームは600万ページを超える文書を5年にわたり調査し、119人の容疑者に対して不眠、偽埋葬、水責めなどの執拗な拷問を犯していたことを明らかにする。しかもCIAは拷問強化プログラムに効果がないと判明したあとも、テロの再発の際の責任を恐れて、まるで保身のために、調査事実を隠蔽して、容疑者を拷問し続けていたのだった。


 ふー。見ているのが辛い映画でした。特に拷問シーン。何度も早送りしてしまいました。本当にこの21世紀に、先進国アメリカで、こんな拷問の事実があったとは、驚きです。




 ジョーンズ(ダン)は地下室で何年にもわたり文書やメールを調べ上げて、7000ページの報告書を書き上げます。仲間が去っても、CIAの妨害により自らが起訴されても、信念を曲げずに調査を続けます。その執念、正義感には頭が下がります。
 7000ページの報告書は500ページの概要になり、さらにはその500ページもCIAにより黒塗りにされてしまいます。(これがタイトル「ザ・拷問レポート」の意)





 終盤、報告書は公開は困難とされこういう流れになり、こういうレポートが作成されること自体が珍しいことなのだ、というセリフが出てきます。これにはハッとさせられました。確かに・・と思ってしまう自分がいました。そして、ラストには、これ(拷問プログラムと隠蔽)はアメリカの汚点であり、民主主義に反する。アメリカは過ちを認められる国であるから、このようなことは二度と繰り返さない、と上院議員がスピーチします。
 


 容疑者に対してあれだけ酷い拷問をしたという事実は確かにアメリカの黒歴史ですが、5年にわたり執拗にレポートを作成し続けたこと、そして、自らの罪を潔く認めて反省する下りでアメリカの正義を見たように思います。

 そう、悪いことしたけど、俺たち根は正しい民族なんだもんねー と言っているようなドキュメンタリー映画なんです。この辺りから、お尻がむず痒くなってしまいました。日本はどうなのだろう。これは日本に対する皮肉なのではないか、とさえ思ってしまいました。

 日本の黒歴史の731部隊。人体実験のために、拷問より酷い仕打ちをしたと言われています。あれは事実だったのか、中国による告発映画(昔見てびっくりしました・・・)はプロパガンダも含まれているのか、真相はわかりませんが・・

 アメリカのように、調査したこともないのではないかと思います。そして、ダンのように、自らの身を危うくしても、執拗にレポートを書く人もいないのではないかと。真実は隠されたままです。

 全てを明らかにしてから、過ちは繰り返さない・・・と公言するアメリカの上院議員に対して、何も明らかにせず、都合の悪い文書はシュレッダーでどんどん破棄して、隠滅をする安倍政権が記憶に新しいですね。

 日本、大丈夫なのだろうか。とちょっと疑問に感じた映画でした。


 まぁ、日本の真相は置いておいても・・・

 ミステリーとしても、ドキュメンタリーとしても、とても面白い映画だと思いますので、見る価値のある映画だと思います。アマゾンスタジオの力作だという意見も聞きました。秋の夜長に・・・もとい冬の憩いにオススメいたします。


 ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

 願いを込めて。

 



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