劣化した?名優二人が挑む「ロング・ロレイル!」
こんにちはー
最近、仕事を辞めたくて仕方ないんですよね。田舎に行って、農業でもしたいんです。耕作放置地とかたくさんあるんだから、こういう希望の人と、困った農家の人がマッチングしないものかと思うんですけれど、これがしないんですねー 農業は敷居が高いんだなぁ。
まぁ、農業は一生無理でも、年をとったら田舎には住みたいですね。それで、熊野古道や、みちのく潮風トレイルなんかを歩いて過ごしたいわけです。極楽、極楽。
そんな私にぴったりの映画を見ました。シニア二人がロング・トレイルに挑戦する物語。
「ロング・トレイル!」
ケン・クワピス監督。ロバート・レッドフォード、ニック・ノルティ、エマ・トンプソン出演。 【あらすじ】
燃え尽き症候群のように穏やかな日々を過ごす作家のビルは、ある日自宅の近くにアパラチアン・トレイルが通っていることに気がついた。3500kmの長距離自然歩道。春に南端のジョージア州スプリンガー山を出発し、メイン州のバクスター州立公園が閉鎖される10月15日までに北端のカタディン山のゴールを目指すその行程は、わずか10%ほどしか成功しないという難関のネイチャーロードである。ビルはアパラチアントレイル踏破を思いつき、若き日に戻ったかのように瞳を輝かすが、妻のキャサリンは一人では絶対ダメだと反対する。そこで、唯一トレイルに参加してくれた大昔の友人、カッツとともにチャレンジすることになるが・・・
いやー、シニア二人の健闘ぶりが見ものでした。若者でも泣いて帰るという鬼の自然歩道、それを70代のじいさん二人が踏破にチャレンジする。しかも大昔に仲たがいをして、ずっと会っていなかった今では赤の他人同然の旧友です。成功した勝ち組のビルと違い、カッツは刑務所にも入った破天荒な性格。(若き日のビルのままとでもいうのでしょうか)
初めから波乱のありそうな予感です。案の定、二人は400m歩いたところで、息を切らして、「今どのくらい歩いた」と聞く始末。
人生の環境も、性格も、今ではすっかり違ってしまった二人ですが、不思議なことに、二人で自然を歩いているうちに、次第と心が寄り添っていくんですね。
若い時の思い出を語り合い、お互いをさらけ出して、唯一無二の親友のようになっていきます。自然の力は偉大だ・・・
(ビルとカッツがちょくちょく街に降りてサボっている、というレビューもありましたが、その辺はご愛嬌)
また、ビルとカッツは、ゴールには届かなくても、友情を思い出し、人生で大切なものを知り、自然の中で己と対峙して、お互いを取り戻して、旅の目的を十分に果たしたのではないかと思います。最後に、ビルが、ペンを手にとって、もとい、キーボードを叩き始めて、長い間書いていなかった「物語」を書き始めるところが最高に良かったです。
このトレイルの相手がカッツだったというのも、きっと神様からの贈り物ですよね。
この映画、何と言っても景色が綺麗なんです。私はアメリカというと、荒野のような殺風景な道をアメ車が走っている、という大自然の景色しか思い浮かばなかったんですけれど、(なぜならよく映画で出てくるからです)とんでもないですね。こんなに自然豊かな美しいロングトレイルがあるんだなぁ、とあらためて驚かされました。
日本の自然道もいいけれど、年をとったら、こんな大自然もぜひ歩いてみたいですね。
自然の中でお互いをさらけ出した二人、喧嘩もしますが、仲直りのきっかけをくれるのはやはり美しい自然を目の当たりにした時、その感動を共有した時です。
そして、人生の中で何が大切かをはっきりわかった時に、二人の旅は終わりを告げます。
このあっさりとした終わり方も良かったですね。踏破に固執しないで、さらりと終われるのも、年をとったゆえではないかと思います。決して長くはない残りの人生で、何を一番大切にして生きるのかを悟った瞬間。
私も残りの人生を考えると・・・ ちょっと感動させられるものがありましたね。そして自分は何のためならば、10%の踏破成功に固執しないで生きていけるだろうか、なんて考えました。
うん、やっぱり自然の力は偉大だ。
一つ言わせて貰えば、俳優のロバート・レッドフォードとニック・ノルティが・・・若い頃の美しい二人の姿を知っているだけに、始めは辛かったですね。
なんだ、この劣化したじいさんは。とがっかりしたんですよ。
ところが、最後には、イケメンに見えてくるから不思議、笑
面白い映画だと思いましたので、お時間あればぜひ見てみてくださいませ。
ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。