似非ヒーロー、承認欲求を乗り越える。「スパイダーマンホームカミング」
こんばんはー
今日は美容院に行ってきましたよ。
前回、公開処刑されたので、今回は早めに行きました。
さて、今日のおうちmovieは、スパイダーマン「ホームカミング」。
サブタイトル、「なめられた似非ヒーローの逆襲」にしたらいいと思いましたよ。いやー、スパイダーマンが三枚目で参った。最後には本物のヒーローになって溜飲を下げるんですけどね。それまでがダサいのなんの・・・・
「スパイダーマン ホームカミング」
Jon Watts監督。トム・ホランド、マイケル・キートン、ロバート・ダウニー・Jr出演。高校生のピーター・パーカーはアベンジャーズの研修生。悪を相手に活躍したくてうずうずしているが、正式な一員とは認められていない。相手にもされていない。学校が終わると、ニューヨークのご近所さんをパトロールするだけのもの足りない日々。そんなある日、出くわしたATM強盗が見たこともない破壊力の武器で攻撃してきた。そして、強大な翼を装着したバルチャー(ハゲタカ)が現れて・・・
スパイダーマンというとこのブログのタイトルにもなっていますが、私はサム・ライミ監督の初代実写スパイダーマン、トビー・マグワイアにとても感銘を受けた人なんです。
初代は、超人的蜘蛛男になってしまったピーター・パーカーが、「大いなる力には大いなる責任が伴う」というおじさんの言葉に呪縛を受けながら成長していくストーリー。敵はやっぱり人間と怪物の異種になったグリーンゴブリン。ヒューマンとマイノリティーの狭間で揺れ動く心や、存在のあり方を丁寧に描いた前作は、私に様々なことを教えてくれました。
ところが今回のホームカミング。なんだかとってもしょぼいんです。。
主人公は15歳の青二才高校生。しかもアベンジャーズの一員と認められず、「地に足をつけてご近所さんを助けてればいいんだ」となめられまくり。で、対峙する悪役は、世界制服とは無縁の泥棒(&武器の密売)、金の亡者(ハゲタカ)です。なんだかなぁ・・・
「俺はダメじゃないぞ」とばかりに(埋められた破壊物の中から)立ち上がるピーター・パーカーにはちょっと感動しちゃいました。一人でもできるんだ。
ラストには、「本物のヒーロー」と認められ、アベンジャーズの組織の一員として加入を許されます。しかもそれを蹴ってしまいます。マイノリティーの完全勝利。断るセリフが振るっています。「地に足をつけて、ご近所さんを守っているよ」。
前作とは規模が全く違いましたが、しかもヒーローのランク付けで最下位ぐらいになっているスパイダーマンも意外でしたが、移民やマイノリティーの多い格差あるアメリカ社会の背景を考えると、このストーリー展開はかなり庶民の共感を得たのではないでしょうか。(実際、全世界の興行収入8億8千万ドルを超える大ヒットを記録したそうです)
大いなる力には・・と眉間にしわを寄せるのではなく、大いなる力と全く認められていない、なめられたスパイダーマンの超人さ加減にも、まぁ、どこか安堵させられるというか。
所詮、その程度ですよ。と開き直って、生きていくのもいいかもしれませんね。
なんせ蜘蛛糸は自作ですからね。マイノリティーと葛藤・融合もなく、マイノリティー万歳ですからね。もう前作とは別物としてみると、とても楽しめる映画だったと思います。
コメディーなのかな。うん、かなり笑える要素が強いです。
自分の暗部(マイノリティーなところ)に自信を持ちたいときに見たら、面白いかもしれません。己を知って、ご近所さんを助ける(だけの)正義のヒーロー。しかし、似非ではない本物。そんな感じで生きていくのもカッコイイかもしれませんね。
まぁ、続編あるんで、そんな感じでは生き続けてないと思いますが、笑
ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。