マカロニほうれん荘的おばかデブ映画。「ミッション・デブポッシブル」
こんにちはー
コロナ禍でバタバタ潰れてる日本企業。そして国際競争力でも凋落止まらず。
そんな中、かつての強かった(バブル期の)日本を舞台にしたような中国映画を見ました。
「ミッション・デブポッシブル」
バオ・ベイアル監督。 ウェン・ヂャン、バオ・ベイアル、グオ・ジンフェイ主演。
【あらすじ】
かつてA級の事件ばかりを担当していた国際スパイJは、任務中の事故の影響で甲状腺ホルモンのバランスを崩し、過食症になってしまう。150kgのデブになり、家に引きこもっては食べてばかり。プチ鬱状態のダメダメの彼が、ひょんなことからみんなに見下されているダメダメオタクデブ青年とタッグを組んで久しぶりのA級任務に取り掛かる!
この映画、日本が舞台ということで、興味を持って観ました。同じく日本が舞台の米映画のあのトンチンカンなオリエンタル東京に慣れたこちらとしては、中国もあんな感じに描いているんだろうなぁ、と予想しながら見たのですが、いや、これが意外と良かった。
何がいいって、ダメスパイJがダメ青年の家に行った時、本当に初めのほうのシーンですよ。ダメ青年の家に、マカロニほうれん荘の漫画がずらりと並んでいるのね。鴨川つばめ氏の日本が誇るギャグ漫画、私あれが大好きで全巻揃えて大切にしていました。(今も実家にあり)
それを見たときに、おやっ、と思ったのね。この監督、かなり日本のファンだぞ、と。これは想像を裏切るかも・・と期待したら、その通り、結構アメリカよりは正確な日本像なんです。
富士山に相撲、ホンダにセブンイレブン、と日本文化と名前を散りばめながら、マカロニほうれん荘ばりのおばかギャグをこれでもかと連発します。
アクションも友情物語も中途半端でイマイチ、というレビューも見かけましたが、確かに同じおばかものスパイ映画のオースティン・パワーズやジョニー・イングリッシュと比べちゃうとレベルが落ちるような気もしますが、まぁまぁ・・・それは置いておいて。日本ファンだということだけはよく伝わった作品です。これだけ日本を描ききってくれると、(しかもアメリカより正確に!)こちらとしては悪い気がしないですよね。アメリカよりも中国の方が親日のような気がしてしまいます。(少なくとも、アメリカ人よりは中国人の方が日本を理解しているなぁ)
ところで、物語の方ですが、このダメダメデブスパイ、特殊メイクでして、元はこんな感じのイケメンですよ。それが今では150kgのダメスパイ。
その彼がタッグを組むのがまた同僚からバカにされてばかりのダメダメデブ青年。この二人が友情を育み、最初は戸惑いがちに、最後は飛び上がらんばかりに、二人でハイタッチをしながら成功させる任務はまさに感動もの。よくやった! デブでもできるじゃん、と。
・・・・と。しかしですね、これって、日本へのメッセージなんですかね。凋落が止まらないダメダメ日本。ダメスパイは「○○○年は○○をした」と過去の栄光ばかりを語っているんですが、ほんと、今の日本みたいですよね。なんだか中国から、今はデブになったけれど、デブでもできるぞ、がんばれよ、と応援していただいたような気がしてしまいました。
上の写真、富士山に向かって任務に突っ込んでいくダメ青年。でもどう見てもここ日本じゃないですよね、笑
日本人役なのにどう見ても中国人ばかりで、日本語が片言だったりするんですけれど、まぁ、まぁ、細かいことは置いておいて。
私的には最初のマカロニほうれん荘でドキュンとやられました。
そして、ダメダメでもがんばれーとメッセージをいただいたような気がしました。
欲を言えば、最後に、スパイJと青年が痩せて欲しかったということですかね。ダイエットに成功した、というオチがエンドロールにでも出てこないかな、と思ったんですが、最後までデブのまま、それだけが残念でした。
それを差し引いても、中国が意外と親日だということがわかって嬉しかった作品。日本も中国をオマージュしてこういう「ぶっ飛んだ、おばかギャグ映画」でも作ればいいのに、どうして、ど真面目なテレビドラマ延長的映画しか作らないのか謎です。鴨川つばめさんも泣いていると思います。
ではでは、今日も素敵な時間を過ごされますよう。
願いを込めて。