韓国映画の何がスゴイかって、コレでしょ。「タクシー運転手〜約束は海を越えて〜」



 こんにちはー!

 コロナ騒動も落ち着いてきましたが、まだまだ油断はできないですよね。私は秋からの第二波に備えて、あるうちにと、マスクを少しずつ買いだめしています。

 そして、今日もmovie。今日は韓国映画の「タクシー運転手 約束は海を越えて」を見ました。




 チャン・フン監督。ソン・ガンホ、ユ・ヘジン主演。(主演の一人でドイツ人も出てくるんですが、大根の上に存在感がイマイチなので省略)

 やもめのソウルの個人タクシー運転手マンソフは、11歳の娘と二人暮らし。貧しいながらも平和なある日、報酬の大金につられて、あるドイツ人記者を光州まで送り届けることに。しかし、1980年の光州は民主化運動が激化し、それを武力で抑えようとする国家権力との争いが起きていた。マンソフは光州の人々の民主化に賭ける熱い思いを託され、次第に自分もその闘志の一人となっていくが・・


 いやー。良いですね。韓国映画。
 私韓国ドラマはあまり好きでない。あの現実逃避の愛のてんこ盛り、過剰な演出が見ていられません。なのに、映画は良いですよね。不思議です。

 この映画は現実に基づいたフィクションだそうです。そのせいもあるのだろうけれど、韓国の映画は、リアルとフィクション(漫画ともいう)のバランスがとても良い。

 ヒューマンドラマ系のリアルな感情表現をしっかりと押さえて、荒唐無稽でかっこ良い漫画の典型・・この映画ではアクション系、を取り入れる。タクシーVS国家権力とのバトルなんて、ヒュー!と口笛が出るくらいかっこよかったですよ。救世主、正義のヒーロー、タクシー運転手軍団。やるね。

 


 マンソフと記者を逃がすために、タクシー運転手軍団が命を賭けて犠牲となるのですが、そのシーンも泣けます。ファン運転手(ユ・ヘジン)が良いです。

 また大学生のジェシクが軍事独裁政権の私服警官らに撲殺されてしまうのですが、その死体がね・・その直前まで、明るく生き生きと過ごしていた姿を見ているものだから、もうショックが大きくて。小林多喜二を思い出しましたよ。あの治安維持法を取り締まっていた1920年代に警官に撲殺された・・拷問のために身体中がどす黒く膨れ上がって見るも無残な姿だったという・・・

 そして、なんといっても、マンソフ役のソン・ガンホが良いですね!この方、ハンサムでもないのに、なんでこんなに心を打たれる演技ができるんでしょ。コミカルで楽しくて、熱い思いをほとばり出して、泣けて。このかた一人で韓国映画の醍醐味の根幹を押さえているというか。もう最高ですね。




 それにしても、この映画の舞台は1980年。1980年ですよ。ついこの間。私が平和に青春時代していた頃の話です。
 こんな最近まで民主化運動をしていたんですね。私はそのことに驚かされたというか・・・以外と知らなかった。もっと以前・・先の大戦の戦後から韓国は民主主義をつかんだように思っていたものですから。無知で申し訳ない。しかし、実際は1980年代というつい最近の、現代の時代に、警官が市民を暴力で制圧したり、ましてや銃で殺すなどという暴挙が本当にあったのか・・・と思うと、もう信じられない思いです。それ民主化以前に、人として、国家としてどうなの??!!



 ・・・・・・・・・・・。



 うーん。いろんな意味で、さすが韓国。
 と感嘆の称号をあげたいです。
 日本もこういう政治色の強い映画作らないですかね。
 (日本映画はヒューマンドラマと漫画が別ジャンルの作品に分かれちゃってるのも残念)

 リアルなヒューマンドラマと、漫画のプロトタイプをリミックスして、独自の世界観を生み出し続ける、素晴らしい韓国映画に乾杯。
 
 素敵な映画ですので、よかったら見てみてくださいね。

 「タクシーの運転手 〜約束は海を越えて〜」




 さて、今日はどんな1日でしたか?
 今日も平和であたたかな日常を過ごされていますよう。

 願いを込めて。







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