We can hear you ~あなたの声が聞こえる~
ある夜、突然この曲が聴こえてきた。歌の歌詞と同じように突然、奇跡のように聴こえてきた。
アップル発表会で公表されたU2のニュー・アルバム『Songs Of Innocence』 より、下の詩はアルバムのファースト・シングル「The Miracle(of Joey Ramone)」の一部。
詩はU2ボノがジョーイ・ラモーン(伝説のパンクバンド、Ramonesのボーカリスト、3年前49歳で他界した)に感謝の想いを伝える手紙のようになっている。
I was young
Not dumb
俺は若かったけど、ばかではなかったから
Just wishing to be blinded
By you
ただあなたに酔いしれたかった
Brand new
And we were pilgrims on our way
これまでの俺を捨て、巡礼の旅に出た
I woke up at the moment when the miracle occurred
目を覚ましたとき、奇跡が起きた
Heard a song that made some sense out of the world
世界とは何かを解らせる歌が聴こえてきた
Everything I ever lost, now has been returned
これまでに失ったものすべてが戻ってきた
In the most beautiful sound I'd ever heard
これまでには聴いたことのないとても美しい音の中で
We can hear you
We can hear you
We can hear you
あなたの声が聞こえる
ボノは私たちが生きていく上で必ず通過するある地点のことを書いたのだと思う。この曲を聴いて思い出したのは、私が世界にヘッドフォンで(もしくはウォークマンで)蓋をしていた時代のこと。あの若き日。
美しい、貴方の声しか聞こえなかった。
「それ」は二井原実だったり、ジョン・レノンだったり、ロバート・プラントだったり、ボノだったり、忌野清志郎だったりしたわけだが。
商業的に随分長けているものだなぁ、もっと精神的な人かと思ったら!
と、ボノの意外な一面に驚かされて、だが、ふと思ったのだ。
ん?? 本当に。これってラモーンのことを言ってるのかな? 若きあの日の事を言っているのかな?
ボノはイングレスと同じように「掛詞」をしたのかもしれないな、と。
あれは、青春時代のラモーンであり、そして今の神であり。
若き日の神は、現在のボノの精神性と大きく繋がっているのかもしれない。
商業的なものは、むしろ利用されたかのような・・・
アップル、残念! みたいな。いや、それ古いよ。(説明すると、昔「残念!」というギャグが流行ったのだ)
というわけで、私はイングレスのテーマソングを「The Miracle」に決定させていただいた。
奇跡はこの「ゲーム」がつくる。私は今日も巡礼の旅に出るというわけだ。「The Miracle」を聴きながら。
We can hear you
We can hear you
We can hear you
あなたの声が聞こえる
ところで、西新宿編、締めてなかったのね??
まだ続いているのか! と呆れられそうだが、今日が最終回ということで!
最後に通ったのはここ、思い出横丁の前、旧青梅街道。昔はもっと、やさぐれたおっちゃんが集まっている場所だったような気がしたが、今は若者が多い。このあたりに激安のチケットショップがたくさん並んでいて、歩いているだけで旅に出たくなる。美術館に行きたくなる。だが、今日も見るだけ、買うのは、休日の回数券のみ。これ知らない人多いと思うけど、ここで回数券を買って、すぐ隣の小田急、JR、京王等の改札から電車に乗る。駅で買うよりかなりお得だ。
「せこいですよね~」と自虐的に笑ったら、チケットショップの綺麗なお姉さんが、「いえ!大切ですよねっ」、と真面目な顔で言ってくれたのでほっとした。そのあとの笑顔も嬉しい~ 塵も積もれば山となる。お金も、祈りも、少しずつ貯めていこう。
成子天神社の富士塚を最後にアップ。
う~ん、楽しかった。新宿駅から近いし、侵略者の謎エネルギーは噴出しまくり。いいところだったので、ぜひオススメだ!
こちらは境内の中にある力石。祭礼の際にこの石を持ち上げて力比べをした(する)そうだ。
よく神社には願いが叶うかどうかを占う石、というものがあって、持ち上げられれば(あるいは動かすことができれば)願いが叶う、ダメなら叶わない、という診断をするための石が置いていある。この成子天神社の力石でふと思い出してしまった。2年ほど前、京都の伏見稲荷でその占うための石がまったく持ち上がらなくて、悲しい思いをしたものだ。だが、翌年、あれは忘れもしない高野山でのこと。いとも軽々と、重たい石を動かすことができたのである。前に並んでいる男の人達が動かせなかった代物を、だ。私の転機は思えば、あの時期から始まったのかもしれない。
いつかはボノのようになりたいものである。
こちらはまちかどの苺。大好きだったポータル。もう職場が変わって行けなくなってしまったが、就業中は殆ど毎晩、一つ先の駅まで歩いて、この苺に会いに行った。「The Miracle(of Joey Ramone)」が聞こえてきたのはその時だった。
I was young
Not dumb
俺は若かったけど、ばかではなかったから
Just wishing to be blinded
By you
ただあなたに酔いしれたかった
Brand new
And we were pilgrims on our way
これまでの俺を捨て、巡礼の旅に出た
(後で歌詞を知って驚かされた。私がイングレスというゲームを「巡礼」と呼んでいるのを知っていたかのようだ)
この曲を聴きながら、夜の田舎町を何度も歩いた。
イングレスがなかったら、ただ嫌な場所で終わってしまったかもしれぬ土地、その土地を知り尽くし、その良さを知って、こんなにも別れがたい気持ちにさせてしまう。愛着深い気持ちにさせてしまう。
苺の街の記憶が懐かしく、美しく思い出される。まるで奇跡のように。
これからも、いろんな街に出かけていこう。
イングスというゲームを片手に、今日も巡礼の旅に出よう。
いつか大きな旅に出るその時まで。
We can hear you
あなたの声が聞こえる。