「臨床真理」と社会構造の歪みー 弱者に寄り添う視点と正義のかたち。


 こんにちはー
 
 興味深い記事を読みました。元SMAP 中居くんの今更の反撃は、フジテレビの乗っ取りと共謀しているのではないかと示唆する記事です。


 「あまりにも遅すぎた」中居正広の“反撃”を伊東純也代理人弁護士が解説、フジテレビ内部は“乗っ取り”に警戒


 乗っ取りの真偽はわかりませんが、中居くんがそのタイミングや後ろ盾を利用しなければ真相が言えない状態だったならばどうでしょう。

 現代はセカンドハラスメントを徹底的に裁く時代です。いったん加害者とされてしまうともう身動きができません。

 自分の人権さえも守れずに、性加害者に認定されての引退はあまりにも罰が重いようです。

 また、こういう複雑な時代になると、もう被害者と加害者のどちらが社会的弱者なのか、すでに一般論は通用しなくなった、と感じてしまいます。


 さて、そんなことを思う私は、今日は社会的弱者にスポットを当て、人権問題と正義を考えた小説を読みました。







 臨床真理(柚月裕子)


【あらすじ】
 臨床心理士・佐久間美帆が担当した青年・藤木司は、人の感情が色でわかる「共感覚」を持っていた……。美帆は友人の警察官と共に、少女の死の真相に迫る! 著者のすべてが詰まった鮮烈なデビュー作!

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 ・感想は・・


 盤上の向日葵でファンになった社会派作家の柚月裕子さん、この作品もデビュー作でありながら、行政や組織の闇、そして社会構造の中の歪みを抉るように書き出して、そのシステムの中で生きていかざるを得ない社会的弱者の方々の苦悩を描き出しています。

 素晴らしい筆力。いや、デビューのはじめらかこうだったんだなぁ、と深く納得してしまいました。
 

 ・印象的なのは・・

 社会的弱者を庇護したり、導いたりする側の立場の者たちが、自分の立場を利用して、社会的弱者から搾取する。社会のシステムを悪用して、自分に都合のいいことをするのですが、その背景には社会構造の中の歪みがあるように感じられます。そして、それらのエピソードが、本当にひどい。

 一見、奇想天外に感じますが、本当にありそうな説得力を持って、浮かび上がってきます。

 こんなことがあっていいわけがありません。

 (社会的弱者の方の悲しみや苦しみを思うと、通常の正義感を持つ方ならば、憤りや憎しみさえ感じることでしょう)

 普段は無関心な社会の問題に、一言、物申したくなること必至です。


 ・おすすめポイントは・・

 社会問題に参加して、自分も何か人のためとなるようなことができるような熱い想いになる、良質の読書タイムを過ごせるのではないでしょうか。

 社会の闇や真相を抉るだけではなく、社会的弱者に寄り添う視点も置き去りにされてはいません。

 自分がこんな立場になったら・・と思うと恐ろしいものがありますが、自分に置き換えて読んでみるとリアルに問題の本質が掴めるような思いがします。


 ・最後に中居くん問題に戻ると・・・

 実は、昔、メンタル面に問題のある女性に出会ったことがあります。

 10年くらい前でしょうか、職場の男性を誘って、子供を作り、最後には相手の男性の本社に乗り込んで大騒ぎをした女性がいらして・・ 本当に綺麗で、最初はにこやかで人当たりも良く、誰でもころっと騙されるのですが、付き合うと性根は恐ろしいという・・ 

 その方の、被害者を装っての加害者ぶりは驚かされるべきものがありました。

 その方を知ってから、私は少し、人を見る目が変わった節があります。

 また、加害者、被害者に惑わされず、複眼的な思考を持ち、同情すべき立場の人間がどちらか見極めることが重要だと思うようになりました。

 中居くんもどうなるかはわかりませんが、元アナウンサーのことを思うと、10年前の彼女のことを思い出すことが多々あります。
 なので、慎重に、ことの成り行きを見守らせていただきたいと思います。



 最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。

 今日も素敵な1日となりますように。

 心を込めて。



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