背徳感ゼロの健全なボーイズラブ「おっさんずラブ」に今更ながらハマっています。

 

 おっさんずラブシリーズに今更ながらハマっている。



 リターンズの放送に伴い、過去シリーズ(2018年のおっさんずラブ)をお正月の朝に再放送していたので、つい見てしまい、あまりの面白さに大笑いをさせていただいた。

 2018年に話題になった時は全く見ていなかったので、大納得したわけだ。これが世間を賑わせた話題作の威力か、と。で、続きをもっと見たくなり、過去シリーズのおっさんずラブ(2016年放送)とイン・ザ・スカイ(2019年放送)とラブ・オア・デッド(2019年の映画)を、ついつい一気見してしまった。

 どれも全く面白かった。

 どこが面白いかというと、第一に田中圭(主人公春たん)のキャラクターが面白かった。全く普通の青年なのである。

 ボーイズラブの物語というのは、今では特定のジャンルを確立し、大人気であるわけだが、私が若い頃にはかなりのマイノリティーであったわけだ。

 作家さんも愛読者も発売元の本(出版社)も、それなりの日陰者扱いされていたし、秘密裏に楽しむものであったと思う。

 その非公認さや、忍ぶ恋といったボーイズラブの常識が、特定のファンを虜にした理由でもあったのかもしれないが。

 ところが、おっさんずラブの田中圭のキャラクターには、このマイノリティー感が皆無なのである。

 時代の違い、と一蹴することは出来ないほど、等身大の普通のおっさんをリアルに演じているので、その普通のおっさん春たんに次々と襲いかかる異常な事件とそのギャップが面白くて仕方がないのである。

 おっさんずラブの物語の面白さは半分はこの春たんのキャラクターギャップによるものだと思われる。

 田中圭の演技とこのキャラクターを作った作家さんの大勝利という思いがする。

 細かいことを言うと、2016の春たんは意外と2枚目だった。それがだんだんとアホ3枚目のキャラクターに変化しているが、普通の青年、と言うところだけは死守しているように思う。

 第二に、おっさん吉田鋼太郎がキャラクターが面白い。

 吉田さんは黒澤武蔵という春たんに恋をするおっさんなのだが、本当に恋をする乙女のような表情をする。可愛らしくて仕方がない。それが社会的な立場のある部長さったり、キャプテンだったりするのだからその立場と感情に折り合いをつけている様がなんとも言えず可笑しいのである。

 (いつも振られる黒澤武蔵が笑えるのだが、インザスカイではなんとラストに春たんとハッピーエンドになり恋が成就する。貴重な展開なので、こちらもおオススメだ)


 おっさんずラブの物語の半分近くはこの吉田さんのキャラクターによるものだと思われる。

 後は、その他・・・と申し訳ないけれど、そうつい思ってしまうほど、田中圭さんと吉田鋼太郎さんの演技とキャラ設定が秀逸なのだ。ごめんなさい、他の皆様。


 田中圭さん演じる「春たん」という健全な青年が、普通に恋をする物語。

 吉田鋼太郎さん演じる「黒澤武蔵」という社会的に成功しているおじさんが、少し今までとは違った恋をする物語。

 恋の相手が、たまたま男性だっただけ、というとても自然なボーイズラブ。


 先程、(この作品が生まれたのは)時代のせいとは思えない、と書いたけれど、やはりこういう自然体の男性同士の恋愛物語が面白おかしく書かれることが可能となった背景には、時代の流れということが大きく手伝っているのかもしれない。


 いい時代になったものだなぁ、と思う。

 私は聖書を信じているので、男色には個人的には反対派ではあるが、昔からボーイズラブの物語だけは大好きだった。背徳という側面があるからこそ許せた面もあったように思うが、それが皆無のこの物語を許してしまう自分に少なからず動揺しつつ。


 (まあ、それでも、この物語が世間に受け入れられたのは、プラトニックラブだったから、ということが最大の理由だということは理解しているつもりだ。

 昨今のボーイズラブ市場の大半がエロ作品化している傾向を考えると、背徳感が皆無と感じるのも当然なのかもしれない)


 今日も春たんの自然な普通のリアクションに笑う日々だ。自然に楽しませていただいているので良いのかもしれない。やっぱり時代の流れなのか、それとも自分が変化したのだろうか。


 リターンズはまだまだ始まったばかり、もし良ければ皆様もぜひ見て笑ってくださいませ。



 ではでは、今日も最後まで読んでいただきどうもありがとうございます。

 素敵な時間をお過ごしください。

 願いを込めて。


 

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