丹沢のラスボス、蛭ヶ岳の山荘に泊まってみた。前編。

 

 神奈川県の最高峰、丹沢山塊の奥深くに鎮座する丹沢のラスボス蛭ヶ岳。

 その蛭ヶ岳山荘に泊まってみた。


 蛭ヶ岳山荘


 料金は1泊2食付きで8000円なり。うん、意外と安い。

 食事は5時半、4時には山荘に到着して欲しいとのこと。

 この予定をもとに行動スケジュール(登山計画)を立てて、蛭ヶ岳に登った。

 今日はそのご報告である。



 写真上、蛭ヶ岳山荘。


 ちなみに、蛭ヶ岳には大体毎年1回のペースで登っているが、全て日帰りである。


 初めて登った時の記事はこちら。


 主峰蛭ヶ岳縦走、39KM歩いた長い夏の1日。

 

 歳を取り、日帰り登山がキツくなってきた。特に、早朝に車で行くのがしんどい。車の運転が最近怖くて仕方ないのだ。足が遠のき、去年はついに蛭ヶ岳に行けなかった。これはやばい。ミーちゃんもいなくなってしまったし、キーちゃん一人ならお留守番もしてくれるかも。と言うことで、生まれて初めて山小屋泊を企画したのだった。


 山小屋に泊まるって、どんな感じかなぁ。


 ワクワクしながら出発した。

 


 7時53分、西山林道入口。


 大倉バス停からスタートしたと言うのに、この日も私はバカ尾根を使わずに訓練所尾根から小丸〜大丸経由で登るつもりでいる。バカ尾根(大倉尾根のこと)階段が多いので、膝に来るのだ。



 写真上、西山林道。


 8時43分、二俣到着。



 二俣から小丸方向へ。一緒に歩いていた方々は、後沢乗越方面に消えていった。




 訓練所尾根はマイナーな登山道で一昔前は迷子になりそうな怪しい箇所もあったが、最近整備が進んでいて、ところどころに新しい標識(写真上)、小丸、二俣方向の矢印があった。
 とてもわかりやすい登山道になっていた。これならヤマップがなくても迷子になることはなさそう。と、今日も私はダウンロードせず。(同じ道を7回以上は歩いているので・・)




 10時52分、小丸分岐に到着。(写真下)

 この日は涼しかったので助かったが、暑かったらばてていたかもしれない。途中少しやばかった。いつもより疲れた登りだった。確実に体力が落ちてきている・・・




 霧の中を金冷シ、塔の岳方面に進んでいく。




 途中ブナが見え始めて、美しさに心を奪われる。



 

 それにしても、山荘に今日泊まる人はいるのだろうか。意外と少ないんだろうな、と勝手に見当をつけている。3組くらいかな、なんて。私はコミュ障なので、あまり一人の人がいないといいな、グループだと勝手に盛り上がってくれるから、三人組以上のグループと一緒だと楽でいいな、などと考えていた。(自分勝手な希望・・・)


 11時34分、塔の岳到着。




 休憩して、おにぎりを食べてから丹沢山方向へ。
 ちなみに、おにぎりだが、2号ほどお米を炊いて4個作り、朝1つ食べ、3つ持ってきた。パワーチャージにはアミノバイタルが良いと後で山荘で聞いた話だが、私は知らなかったので、カロリーでエネルギー源を補強しようと、ガソリンのつもりでおにぎりを多めに持ってきたわけだ。




 霧でほとんど見えない中を進んでいく。霧雨も降ってきて、風が冷たく気持ちが良かった。おかげで体力は奪われないが、それにしてもバテている。去年登っていないから(大山に登ったきり)蛭ヶ岳までの行程がキツく感じられる。やはり歳だな、と痛感する。




 12時50分、丹沢山到着。

 心なしかタイムも例年より悪いような気がして、また心が沈むのだった。




 霧雨、強風の中、進んでいく。悪天候なのに、登りやすくて本当に神に感謝してしまう。これが猛暑日だったら、確実にダメだっただろう、と。

 それにしても、登山道は整備が進んでいて、訓練所尾根ばかりではなく、丹沢山から蛭ヶ岳のあの奥山の雰囲気漂う自然あふれる登山道まで、すっかり人の手が入って、木道だらけになっていた。登りやすいのだが、少々がっかりしてしまった。(写真下)

 他はいいけど、ここはいじらないでよ、と言うような、蛭ヶ岳までの道のりには、ある種の思い入れがあったようだ。人の手に汚されていない昔ながらの山道であるべき、と言うような。その方が丹沢山塊最後のラスボスには相応しいような気がするのかもしれない。





 霧が深くなり、いよいよ先が見えなくなってきた。

 これはこれで、遠い遠い蛭ヶ岳山荘を見ながら登るよりは、見えない方が気楽でいいのだが。





 写真下、鬼ケ岩。ここまで来ると、蛭ヶ岳まで0.9kmなので、余裕が出てきる。
 丹沢山から蛭ヶ岳は休憩できるところがほとんど無くて、丸太の1本も置いていないので、(途中唯一の休憩所があるのだが、そこが避難小屋を建てる工事中で休めなかった)この鬼ケ岩で休憩をとらせていただいた。最後のおにぎりを頬張って、出発。


 


 14時48分、蛭ヶ岳山荘に到着。




 おや。山頂の馴染み深い標識が山荘の前に無造作に置いてあるじゃないか。
 びっくりして、一緒に登っていた男性3人のパーティーの一人に、「あら、これどうしたんでしょうね!」と語りかけると、「そうなんですか。いや、僕ら初めてきたんで」と済まなそうに返されてしまった。




 あ、すみません、と、なんとなく気まずい。この3人が今日の泊まり客ではありませんように、などと願った。
 
 で、肝心の山頂なのだが、ここもかっちり整備されていて、新しい山頂の標識が立っていた。なんとまぁ、色気のない、普通の標識になってしまったものだろう。




 蛭ヶ岳は昔ながらのままでいいんだよ、とこちらも一人毒付いた。山頂の祠は、昔と変わらなかったので、ホッとしたが。新しいロープには囲われていた・・

 こちら見落とす方も多いようだが、丹沢のラスボスの神様なので、かなりのパワースポットだと思う。登山されたら是非お参りするといいのではないか。




 と言うことで、時刻はすでに3時、これから下山するとも思えず、今日の宿泊客らしきお仲間に出会ったと言うのに、気まずいムードになり、どうなるコミュ障初めての山荘泊。

 続きは後編を読んでいただけると幸いです。

 



 では、今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。

 素敵な連休、もしくは日曜日となりますように。
 願いを込めて。





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