「なぜエベレストに登るのか？」の理由も切ない商業登山の罪、「エベレスト」。

 

　こんばんはー

　菅さんの人事発表されましたね。期待しちゃうなぁ。

　でも、twitterのハッシュタグでは「スガやめろ」がトレンド入り。なんででしょうね。安倍さんよりは全然いいと思うし、安倍路線を継承って体裁だけでしょ。絶対継承しそうにないですもんね。言ってること聞いているだけでも・・「自分の」仕事がしてくてたまらない、って感じです。

　さて、今日のおうちmovieは「エベレスト」という大量遭難事故を描いた映画を見ました。

　元は３Dだったようですが、例によってアマゾンプライムで無料だったので、普通の映画です。

　「エベレスト」

　バルタザール･コルマウクル監督。ジェイソン･クラーク、ジョシュ･ブローリン、ジョン･ホークス出演。

　【あらすじ】

　探検家であり商業登山のガイドであるロブは、今シーズンもエベレスト登頂に挑む顧客たちを導いていた。嵐に襲われるものの、予報に反して当日の早朝は風が止んだ。順調に山頂に辿り着くが、途中、難所のロープが失われているというアクシデントがあり、予定が遅れる。また、下山時刻をとうにまわっているのに、リベンジを狙う顧客のダグが、次回はない、どうしても登りたいと言い出した。悩んだ末に承諾するロブ。そこに、嵐が訪れ、予備の酸素が用意されていないというアクシデントが重なって・・・

　・・こういうの弱いんですよね。

　トムラウシ岳山遭難事故の本を読んで、集団で山を登ることの愚かしさや不条理を痛いほど感じさせられていました。

　商業登山って罪だなぁ。お金に換算されたら無理が通りますもんね。

　エベレストの商業登山の分野を開拓したロブ・ホール。１９９２年から１９９６年までに、１９人の顧客の登頂を成功させます。映画の舞台となるのは１９９６年。これ、実話なんですよね。その頃は、（ロブの開拓のおかげで）商業登山が人気となり、２０以上の遠征隊がシーズン内の登頂を競っていたそうです。罪だなぁ・・・

　もちろんエベレストに挑戦するんだから、皆さんそれなりの登山家だとは思いますが、「６万５千ドルも払っているんだぞ！」というセリフが劇中に登場するように、やはりお金に換算されてしまうと、判断力が狂うように思います。

　本来ならば自分の力で登れる山しか登ってはいけないでしょうし（エベレストは単独登山禁止だそうですが）、タイムテーブルも曲げてはいけないと思います。

　あんなに寒いデスゾーンで、渋滞とかもあってはならないでしょうし。

　トウムラシ岳でゾッとしたというのに、エベレストのような高い山の登頂を商業にするなんて、そもそもアリなんでしょうかね。劇中、美しい山の至るところに酸素ボンベやゴミが転がっていて、とてもやるせない気持ちになりました。

　「なんでエベレストに登りたいの？」

　「登れるからだよ。俺にはできるんだ。ならば、登ってあげないとかわいそうだよ・・」

　郵便局員のダグのセリフです。ダグはリベンジで挑戦。３つのバイトを掛け持ちして、６万５千ドルを二度も工面しました。そして、午後の３時を回っているのに、どうしても山頂に行きたいと言い出した人です。（２時には下山の予定でした）

　商業登山がなければ、ダグは「登れる」とは思わなかったはずです。かわいそうだとも。

　山が人生だとしたら、私自身は絶対ベテランガイドがいなければ手も足も出ない人生でしょうから、タグの気持ちは痛いほどわかるんですけど、でもやはり山頂に固執したらダメですよね。死んだら元も子もない。山でのエゴは死に直結します。

　また、ロブの志はどうだったのかも気になります。純粋に登山の手助けをしたかったのか。それともただお金や商業的なノルマが先にあったのか・・後者ならばそれがタグのような「なぜ山に登るのか」の思い込みを増長させて、結局は事故につながってしまったのではないかと。

　あと、やっぱり率直な疑問なのは、人間というのは、集団になればなるほど協力し合えて強いはずなのに、なぜ山ではそうはいかないことが多々あるのかと。

　一番力量の低い人に合わせるしかないから、ですよね。でも、強い人ばかりがチーム組んでいるんですよ。それでも、その中で優劣が出てくる。そして、思いがけず自分が足を引っ張る一人になってしまう。

　ぞっとしますね。

　チームやガイドの方の命をなくしてしまわないよう、せめてエゴだけは控えて、生きていきたいと思います。

　いろいろ書いちゃいましたが・・

　エベレストは綺麗だし、迫力あるし、山を見るだけでも楽しいかと思いますよ。

　山岳映画は人生を考えたいときにオススメですね。

　ところで菅さんこんなこと言っていそうです。

　「なぜ総理大臣になりたかったの？」

　「できるからだよ。僕はなれるんだ。ならばなってあげないとかわいそうだよ・・・」

　なんて。（デスゾーンで凍死しないよう気をつけてください）

　ではでは、素敵な時間を過ごされますよう。

　願いを込めて。