地獄と天国の逆説的転換、「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」



 種苗法改正案が国会審議入りへ!!!
 地獄の釜開けた悪法改正案がついに採決か?!
 いやねー こんなの通したら国会議員たちみんな地獄へ落ちますよ・・・

 ということで、・・多少こじつけすぎですが、地獄のなんたるかを独自の世界観を駆使して面白おかしく解明してくれたクドカン脚本の「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」を見ました。

 



 TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ (アマゾンプライムで無料です)


 宮藤官九郎監督。長瀬智也、神木隆之介、尾野真千子主演。
 クズっぷりが清々しい、ファーストキスも未経験の、「自称フツーの高校生」大介は、ある日、修学旅行の最中に不慮の事故に遭い死んでしまう。目覚めると、なんと彼は天国ではなく、地獄にいた。なぜ俺が地獄へ? 地獄にいては大好きな同級生のひろ美ちゃんと二度と会えない。彼女にもう一度会いたいがための、大介の執念をかけた輪廻転生の旅が始まる。

 なんだかねー・・バカバカしいコメディなんですけど、最後まで飽きさせませんね。地獄や輪廻転生のこと、とてもよく調べていらっしゃる。確かな知識に裏打ちされた破茶滅茶な世界観がたまりませんね。さすがクドカン。
 日本ロック界の展示場みたいな映画でしたよ。もう有名どころがボロボロ出てくる。
 チャーと野村義男のギターの掛け合いとかね、感動もんだし。

 あまりに楽しそうで、どこが地獄なのかな、と思いましたよ。そうしたら、最後にやっぱり、天国に転生したはずの主人公、地獄に舞いもどっちゃう。

 こんな楽しい地獄ならいいですよね。わたしは、いくらでも悪いことしちゃいますよ。

 地獄の怖さを淡々と書き記して、種苗法改定を目論んでいる悪党政治家たちをやり込めようと思ったのですが、冗談きつい。奴らがこの楽しい地獄へ行くのかと思うととんでもない話です。

 救いだったのは、天国が地獄よりもつまらない退屈な場所と描かれている点でしょうか。それと、アイスやスムージーが美味しいという当たり前のことが当たり前じゃないと言える人間界の幸せを実感できたことでしょうか。

 多少、天国へたとえいけなくても、いいかな、と気が楽になりましたし、この地獄のような人間界も、別の誰かにとっては死ぬほど羨ましい場所であることを思い出しました。

 わたしの好みの、「バカを装って大事なことを伝えてくる」パターンの映画。主人公のクズっぷりも逆説的なんだろうなぁ。クドカンさんのシャイさを感じるというか・・なんとも、逆に、主人公の純真さを透明感を感じさせていただいた映画でした。

 ほっこりしますよね。すごいくどい見た目の方たちばかりでてきますけどね、笑


 ・・・・・・・・・・・・。


 
 ・・・というわけで、・・・・相変わらず、何が、という感じですが、わたしは地獄へ昇天しても種苗法改定案に断固反対します。
 政治家先生たちは、退屈な天国に落ちてしまえ!

 以下、長周新聞より抜粋いたします。



 コロナ禍のさなかに種苗法改定案が国会審議入りへ 農家の自家採種禁止で揺らぐ食料安保
 長周新聞 政治経済2020年5月13日 より



 引用開始〜〜〜〜

 種苗法改正の問題点については日本の種子(たね)を守る会や農業団体などが署名活動や抗議声明を上げるなど国民世論の喚起をおこなっている。


 種苗法改正法案の問題点の中心は、多国籍企業など民間大企業がもつ種苗の知的財産権を強化し、農民がもつ種子の権利を剥奪するところにある。


 現行の種苗法では、農業生産者には原則として自家採種が認められている。しかし、例外規定がある。一つは企業が生産者と契約を結ぶ場合。二つ目は農水省の省令によって、生産者の権利を制限する種を決め、その種の登録品種は自家採種を禁止することを可能としている。


 現行法のもとでも生産者の自家採種は制限されてきた流れがある。農水省省令による自家採種禁止の植物の種類は、2016年までは82種だったが、翌17年に289種に急増し、18年には356種に、19年3月には387種に激増した。そのなかには、ニンジン、キュウリ、ホウレンソウなど、日常の食生活に欠かせない野菜類もほとんど含まれている。ただしニンジンやホウレンソウは有効な登録品種がないため、現在は自家採種が可能だ。


 種苗法改正案では、農家の自家採種を原則禁止にする。
 種子は生きものであり、歴史的に農家が育んできた命だ。種子はもともと農民のものであり、歴史的に何千年にもわたって農家が育ててきた結果として生まれている現在の種子は、公共の財産といえる。多くの農家の自主採種のおかげでさまざまな新品種がつくられ、各地域で多様性ある種子をつくり出してきた。


 ところが種苗法改正案は、この種子がもつ社会的性質や歴史性を否定して、ほんの一握りの大企業が種子を独占することを許す方向性を持っている。


 種苗法改正の口実は「海外に日本の種苗が勝手に持ち出されて日本の市場が奪われるから、種苗法を改定し、自家採種を禁止する」というもので、農家が自家採種することが種苗会社の経営を苦境に陥らせているという論理だ。だが、地域の中小の種苗会社が経営難に陥っている主な理由は、地域の農業生産が衰退し、種苗を買ってくれる農家がいなくなっていることである。


 では今回の種苗法改定は、誰を念頭においたものなのか。政府方針は「種子という知的財産を世界に売ることを優先させる」というものだ。グローバル種子会社、多国籍企業の利益を念頭においたもので、農家の自家採種を禁止し、グローバル企業が種子を独占することを目指している。農家は生産するためには多国籍企業に高い金を払って種子を買わなければならなくなる。それは、これまで農家が生産を担ってきた地域の伝統食や栄養も風味もある多彩な食材が消えていき、極少数の多国籍企業が規格したわずかな品種の農産物が流通を席巻することを意味している。


〜〜〜〜引用終了



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